碧のサカナ

嵐,V6を応援しています!
細々と書きたいことをつらつらと書いてます。
twitter@aosaka568

映画 ヒメアノ〜ル

2016-06-15 23:44:02 | V6


本日、2回目のヒメアノ〜ルを見てきました。
1回目は、運良く先行上映に当選し、剛くん岳くん、吉田監督の舞台挨拶も見ることができました。本当は公開初日に書きたかったのですが、なにしろ初見から1週間たち、覚えていないところもあったので、2回目を鑑賞した今日のタイミングでかかせていただきます。



随分日にちが経ってしまいましたが、やっとこさ出来たのでアップしたいと思います。先に言っておきます。全くまとまっていません。それでも読んでくださる方はこの先どうぞ。






この先、ネタバレしますので、ご理解の程お願いいたします。











ムロさんと濱田岳くんのやりとりから始まる本編。この会話のときからムロさん演じる安藤さんがわたしは嫌いでした。嫌い、という表現が適切かどうかは置いておいて、なんというか、すごく奇妙で喋り方や間(ま)に嫌悪感を抱いた。この人、人の目を見ないんです。濱田岳くん演じる岡田の鼻あたりをじっとみて、瞬きもせずに半開きの死んだような目で喋り続ける。まくしたてるように。それとは対照的に本当にどこにでもいそうな濱田岳くん演じる岡田くん。本当に普通の男の人。だからより、安藤さんの独特な感じが引き立つ。わたしは森田よりも、安藤さんの方がすごく危うくてきっと軽い何かの衝撃で境界線なんて飛び越えてしまうのではないかなあという恐怖がずっとあった。



カフェで働くユカちゃんに恋した安藤さん。そのカフェに岡田くんも一緒に行った時、偶然再会した森田と岡田くん。

このシーンでタバコを吸う剛くん。
「あ、岡田くん」この高めの剛くんの声が、いつもは大好きなのに、正直すごく気味が悪かった。全く人なんて殺しそうにない優しい声。だけど、ラストまで見たとき、ここで数年ぶりに再会した岡田を見たとき、森田は何を思ったのだろうと想像した。一番会いたくなくて一番会いたかった人なのかもしれない。けど、会わなければ、きっとこんなことになることもなかった。岡田くんは一連の出来事に巻き込まれたように見えるけど、もしかしたら巻き込まれたのは森田くんでもあるのかもしれない。


ちょっと話は脱線しますが、わたし「リスクの神様」の剛くんにすごく違和感があって。優秀なトップの右腕的な立ち位置にいるのに、喋ると剛くんって声が高いから、見た目とのギャップっていうのかなあ、なんかセリフが軽く聞こえるなあって正直思ってた。普段のV6の森田剛のときは、そのギャップにいやー!!ぎゃー!!キャラメルボイスううううって萌えるとこなんですが、役としてみた時にあの役にはなんかすごくわたしは違和感があって。

けど、今回の役にはあの剛くんの声質が森田の奇妙さに合ってた気がした。タバコ吸ってる金髪の見た目ヤンキーの男が、喋ると声が少し高くて語尾なんかも優しい。見た目があれだからこそ優しく聞こえるのもあったかもしれないけど。なんかね、そのギャップっていうのが、すごく怖かった。この森田の異様さがその時点で少し垣間見た気がする。



公園でタバコ吸ってて、おじいさんに注意されるシーン。おじいさんが注意すると食い気味に「いや、もう吸ってないから」。この何気ない会話からも森田の人間性が見える。ここだけじゃなくて、岡田と飲んだときも、警官に家主の病院を聞かれたときも、分かりやすい嘘をつく。何も取り繕うとしない、真っ向から真っ直ぐに嘘をつく。
嘘をついているという自覚すらもなさそうに。さも当たり前かのような顔して言うもんだから、言われた方はあっけにとられて、受け入れるしかなくしてしまう。状況は違えどこういう人っていたりしますよね。ここまで大袈裟ではなくても、身近にいる気がする。そのなんていうのかな、狂気と平常の境界にいる感じが、すごくひっかかる。あーこの人変わってる。もっと言うならちょっと怖いなあと思わせるには十分で、吉田監督はこういう何気ないセリフもうまいなあと思いました。そして、あのシーンの剛くんもいいなあと思いました。何がっていうと難しいんだけど、すごくうまいよね←語弊力
このシーンが剛くんのクランクインだっていうから、森田剛天才かよって思ってしまう。





高校生のとき、いじめを受けていた森田。森田と共にいじめを受けていたワグサと一緒に卒業式の1週間前にいじめをしていたカワシマを殺す。2回目見たとき、ワグサが婚約者に過去の自分の過ちを話すシーンにまず鳥肌がたった。きっと1回目を見て、これからワグサが話すことを知っているから、だと思うのですが、自然と鳥肌がたってこれから始まる殺人の連続に眉をしかめた。

その過去をネタとして、ワグサにお金を定期的に要求する森田。すべてを知った婚約者は言いました。「一緒に森田を殺そう。」森田の家に向かう2人。扉を開けた瞬間、森田を殴ったワグサ。婚約者にロープを要求しますが、震えでなかなかロープが渡せない。そうこうするうちに、近くにあったもので、ワグサの首を指す森田。そして、婚約者さえも森田の標的になり、何度も鉄パイプで殴られる。

このシーンが一番ショッキングでした。剛くん自身も、申し訳なかったと話していましたね。何度も何度も鉄パイプで殴る姿はただただ苦しかった。


2人を殺すと、婚約者に灯油をかけ、近くにあった新聞紙を丸めて火をつける。自分の部屋であるにも関わらず、後先なんて考えずになんの迷いもなく当たり前かのように火をつける。後日のニュースで、上の階も含めて計5人の焼死体が見つかる。2人だけでなく、全く関係のない人まで殺したにも関わらず、何の驚きも興味もない森田。


確か、この2人を殺す前に、タイトルバックが出るはず。ここから、第2章。これがまたすごい怖いんですよね。シーンとしては森田が歩いて自分の部屋に入るシーンなんだけど、音がどんどん怖さを煽って、森田が部屋に入って扉を閉めた瞬間に音が一切なくなる。そして、予告でもよく流れていた、高校のときに岡田ってやついただろ。そいつを今から殺して山に埋めようと思うんだけど


その後も殺人を繰り返す森田。
書くのも憚れるようなシーンが続く。森田の殺人は全て無計画なんですよね。そのとき出会った人を殺すこともあれば、全く知らない人の部屋に入り、妻を殺し、帰ってきた夫を殺害することもある。無計画だからこそ、そのときそのときが本当に一生懸命で、(語弊はありますが)だからこそ普通と狂気の危うさを表現している。



どんどんユカに近づいていく森田。
ユカのバイト先にも直接ユカの居場所を聞くようになる。ユカのアパートにも行く。そのアパートの隣人すらも殺してしまう。そして、安藤さんまでも…。この、森田が安藤さんに発砲するシーンは、1回目に見た時に、ムロさん声出すの早すぎだろっと一瞬現実的につっこみそうになったのを覚えています。そしたら、剛くんも何かの雑誌で同じことを言っていたかな。でも、ムロさんからしたらすごい恐怖ですもんね。2回目見た時はあんまり思わなかったかな。


そしてついにユカと岡田くんが暮らす家にたどり着いた森田。帰ってきたユカを森田が襲う。ここはいろんな雑誌で言ってましたが、本当にリアルでした。森田に殴られて、鼻血を出してるショッキングな画でもどこか佐津川さんは色っぽさがあって、ツイッターにはよく書いてましたが、わたくしすごく佐津川さんに虜にされています。これはまた後ほど書くとして、ユカが危ないと悟り急いで帰ってきた岡田くん。ユカを背にして森田から守る。


森田くん、もうやめよ…

お前ら殺したらやめてやるよ

高校生の頃のことを怒ってるんだよね。

あーあの時お前いたっけ?

覚えてない……?





岡田くんの恐怖心をさらに仰ぐにはこの森田の言葉は十分すぎて。岡田くんは理由がほしかった。自分たちを殺そうとする理由が。その理由が明確にあれば、この一連の流れに理解ができる。けど、森田はそれすらもさせなかった。なぜ、襲われてるのか、なぜ殺そうとされてるのか、それすらも岡田には分からない状態で、ただただ殺されそうになるのを必死に避けるだけ。


もう少しで、刃物が岡田に刺さりそうになったとき、外からパトカーのサイレンの音が聞こえる。もみ合った末に、窓ガラスをぶち破って、外へと投げ出された2人の体。駆けつける警官。きっともう、歩くどころか立ち上がることもできない体なのに、岡田を人質にとって逃げようとする森田。もう、ユカちゃんを殺すこととかきっとどうでもよくなっている。お前ら殺したら止めてやるよって言っていたにも関わらず、逃げようとする森田。


偶然近くに止まっていた車を見つけ、乗っていた運転手を刺し殺す。車を奪って逃げようとして、走ってきた警官をひく。そして、刺し殺した運転手をも、車でひきながら逃走する。あまりにも残酷で、とくに運転手を車でひく時の音とか、もうとんでもなかった。怖いとかそういうのを超えて、もう、とんでもなかった。


森田くん、昔はそんな人じゃなかったでしょ…

うるせえっつってんだろ!

後部座席の岡田を刺して黙らせる。前を向いた先に、老人と白い犬。
咄嗟に切ったハンドル。老人と犬を避けながら、車は壁にぶつかり、フロントガラスは粉々。


あれえ、岡田くんきてたんだ。あ、そうだ借りてたゲーム返さなきゃ。あれ、どこに行ったんだろう。おかあさーん麦茶2つ持ってきてぇー


警官に車から引き落とされる森田。事故の衝撃で、頭からは血が流れ、右足は見るも無残な姿。

岡田くん、また遊びに来てよ…

うん…


森田の笑顔が、あまりにも幼くて、胸が苦しかった。高校生の頃の森田が笑っていた。純粋で、希望に溢れていて、高校生になって初めてできた友達を歓迎する、そんな笑顔だった。



高校生の頃の回想シーン
白い犬。森田の実家で、岡田と2人で並んでテレビゲームをする姿。ふと、コップの中が空になっていることに気づく。


おかあさーん、麦茶もってきてぇー


End.







剛くんが、公開前から言っていた最後のセリフ。これが言いたいと思ったから、この映画に出たいと思ったというシーン。ああ、剛くんらしいなあと思った。そして、うまかった。急にあのときの記憶が蘇ったように、今まで荒げていた声がすぅーっと優しくなり、岡田くんに語りかける姿は、高校生のときの森田にしか見えなかった。そして、岡田の犯してしまった罪の重さに気づかされた。森田がしてきたことを仕方ないと言い切ってしまうことはできないけれど、あの短いシーンだけで、なんとも言えない気持ちになった。森田はサイコキラーではないと思った。

この映画を人に説明するときに、グロいとかサイコキラーだとかいう単語は違うんじゃないかなあと思った。だから、ただ見て欲しいと伝えるようにしてる。うまく言葉にできないから。ただ、このラストはすごくわたしは好きだったし、剛くんみたいなこと言うけど、このラストシーンだけで、ああここまで我慢して見てよかったなあという気分になった。このシーンがあったから、映画が終わって立ち上がることができた。

けど、このシーンが、救いになったとは思えない。逆に森田のことを思うとすごく苦しくて、切なくて、やっぱり苦しかった。やりきれない気持ちになった。あまりにも切ない。だけど、大好きなラストシーンには違いなかった。



最後に特記したいこと。


まずは吉田監督の映画をわたしは初めて見ました。舞台挨拶での印象は明るくて面白い人。剛くんが出てきた瞬間、黄色い声が沸き起こり、岳くんが出てきた瞬間「かわいー」となった会場に、「俺のファンはどの辺かなあ〜」ときょろきょろしていたのをみて面白い人だなあと思いました。すごく興味を持ちました。「さんかく」は気になっていた映画だから、今度見てみようと思ってます。

佐津川さん
初見で見た時から、佐津川さんいいなあとずっと思っていて、最初から最後まで可愛くて、うん、ずっと可愛いでいてくれて、それが救いでもあったなあ。ほんと可愛かったなあ。あざといんだけど、ああー可愛いわあと思わされるから、ユカちゃんの勝ち!!って思った。ユカちゃんかわいい。大好き。佐津川さんは演技派の方で、体当たりなシーンも多い中、本当に綺麗でした。


そして最後に森田剛くん。
アカデミー賞の授賞式にいる姿を想像してしまいます。そのくらい、この映画も、剛くんの演技も良かった。特別に書くことが見当たらないくらいよかった。もう何がとかじゃない。言葉にすると薄っぺらくなる感じがして、なんだか書けないなあという気になるのだけど、ぜひこの森田剛という1人の表現者を多くの人に知ってもらいたい。誇りと自信を持って、森田剛を見てくださいと言えます。