今朝、長年愛用してきたゴルフクラブを廃棄した。
ゴルフを始めたのは、比較的遅く四十歳近くになってからである。それまでの上司はゴルフに興味がなく、何となくその職場ではやり難い雰囲気であった。
転勤した倉敷の職場はゴルフが盛んであり、一念発起レッスンプロについて練習を始めた。如何せん運動神経が良くない上に、身体も柔軟性を失いかけており余り上達しなかった。それでも何とか百そこそこで廻れるようになり、同じ組や他の組にそれほど迷惑をかけずにプレーが出来るようになった。
ゴルフは勝負事としての楽しさに加え、自然の中を歩き回って心地よい汗をかき、途中の茶屋やハーフ上がったときのビールはえもいわれぬ美味さであった。
倉敷時代は、平均月に二回はプレーしていた。コースも倉敷市、総社市、岡山市、津山市、高梁市、笠岡市、米子市、坂出市、高松市など。加えてそれほど多くはないが出張先での懇親コンペもあり、ゴルフ宅配便を利用したものである。
プロトーナメントも観戦し、杉原の優勝シーンや倉本らのスイングを見たが、ミドルショットなどは玉が地を這うような低い弾道で距離が伸びるのを目の当たりにし、素人との差を痛感した。
地元に帰ってからは数回コンペに参加したが、雰囲気に馴染めずにゴルフそのものを止めてしまって久しい。
長年愛用し、何回グリップを交換したであろうか?それも部品を買ってきて自分で交換したものである。自分なりにクラブを改造したりすることがグルフ仲間では楽しみの一つでもあった。
このように愛着のあるクラブであるが、この先クラブを振ることはなさそうだし、息子も古いクラブを使ってくれそうもないので思い切って処分した。
処分してしまってから、人生で一番充実してしていた時のものを手放してしまい、言うに言われぬ寂しさがこみ上げてきてしまった。