我らが中日ドラゴンズの根尾昂選手が4月16日、ウエスタン・リーグ阪神タイガース戦の7回の守備で左手人さし指をスパイクされ、8針縫うケガを負ってしまいました。
球団発表では、抜糸までに2週間。小笠原道大二軍監督は、少なくとも抜糸まで起用しない方針で、長期離脱が確実となりました。
ケガをしたのは7回アウト一塁の場面。ショートを守っていた根尾選手は、タイガースの高山選手が二盗を試みるのをみて、二塁ベースに入りました。キャッチャー・石橋康太選手からの送球を捕り、滑り込む高山選手にタッチに行いました。その際に高山選手のスパイクが左手人さし指を約2センチえぐったそうです。根尾選手は大きく左手を振って痛がったため、すぐに球団トレーナーが飛び出し、交代となったとのことです。
直後にタクシーで名古屋市内の病院へ行き、8針縫ったとのことです。診断は「左手人さし指の挫創」。ウエスタン・リーグでフルイニング出場も途切れました。
ところで、意外に思われるかも知れませんが、何針縫ったかを数えている外科医はあまりいないそうです。細い針で縫えば縫う数も多くなりますが、何針縫ったかという事自体はあまり重要なことではないとのことです。キズの状態や縫う部位によっても縫う糸の太さも縫い方も変わるため、何針ということが傷の大きさや重症度の絶対的な基準にはならないとのことです。
昔は糸の種類も少なく、縫合法も発達していない頃には、どこを縫うにも1cmにつき1針くらいで縫われていた時期があったそうです。つまり、20針縫ったとすれば大体20cm位の傷となり、大ケガあるいは大手術だったのだと、誰もが納得できたのでしょう。だから今でもその名残か世の中では手術をしたと聞けば、反射的に何針縫ったのかと聞きたくなるとのことです。
しかし、現在の医療は随分と進歩し、糸の種類など一体幾らあるのか分らないほど多く存在するそうです。太さの規格だけでも、ほとんど肉眼では見えない位に細い糸(血管やリンパ管を縫います)からヒモのように太い糸まで20段階近くあるそうです。糸の材質の種類などを加えれば、100種類くらいはあるような話です。
縫い方もずいぶんと変わり、自然と吸収される糸を用いて皮膚の下を縫うことも珍しくないようです。ですから、何針縫ったかということは、すでにあまり意味がないみたいです。どの糸を使ってどのように縫うかも、キズの状態や場所のほかに、時には年齢や性別、本人の希望などを考慮して、総合的に決めるようです。逆に言えば、同じ大きさのキズでも何針にだって縫えてしまい、同じ長さの5cmくらいのキズでも、目立つ部位では20針以上縫うこともあれば、お腹や足などでは5針くらいしか縫わないこともあるそうです。
また、皮膚では医療用のホッチキスや接着剤を使用する例もあります。うちの太郎は幼少のころ、自分でくるくる回って、目が回り、テーブルの角で眉毛のあたりを切り、ホッチキス止めした経験があります。この時は確か3パチンだったと記憶します。また、その半年後にも、同様な原因で、今度はくちびるを切ったことがあります。さすがに、くちびるはほったらかしでした。
ちなみに、私の右ヒジにも手術跡がありますが、どのくらい縫ったかはまったく不明です。なお、トミー･ジョン手術ではありませんが、ケガの影響で、黄金の右腕は短い現役期間でした。
さて、根尾選手ですが、病院に行く前は血だらけで、患部がえぐられていたにも関わらず、報道陣の「ずきずき痛むか?」との問いかけに「いや、痛みはそんなにないです」と気丈に振る舞っていたそうですが、今日からの出場について小笠原二軍監督は「当分、無理です。直すことが優先。バッティングだけも無理。ドクターの判断が出るまで治療の専念させる」と長期欠場を示唆したそうです。
これで、GW中での根尾選手を試合で見ることは、叶いそうもありませんが、これが、ケガの功名となるように、いい機会ですので、頭と身体をゆっくりと休めて、復帰した際にはニュー根尾で活躍して欲しいです。
