昨季パ・リーグ3位でレギュラーシーズンを終え、その後のクライマックスシリーズ(CS)でも健闘を見せた東北楽天ゴールデンイーグルス。今季は大きな戦力ダウンがないことから、今季の開幕前には上位予想した専門家も多数いました。岸選手、則本選手、美馬選手といった先発陣の駒が揃い、藤平選手ら若手の成長もあって評価は高かったです。打線が外国人頼みのままという部分が不安視されてはいましたが、まさかの大苦戦となっています。
2018年シーズン開幕から約1ヶ月でGWが終わった5月6日の試合までで、31試合7勝23敗1分・勝率.233と早くも自力優勝の可能性がなくなってしまいました。パ・リーグ首位の埼玉西武ライオンズとは16ゲームもの大差を付けられています。
不振の原因については、いろいろなことを言われていますが、その中の1つに「オープン戦の順位が原因では?」という、みんなの説があります。
今年のオープン戦は16試合9勝5敗2分・勝率.643という成績でした。これは3位の好成績なのですが、実のところ、このオープン戦3位というのが「いわくつき順位」なのです。
実は近年は「オープン戦3位のチームはシーズンで好成績を残せない」というジンクスがあります。実際に過去10年のオープン戦3位のチームを見ても、Aクラスに入ったのは北海道日本ハムファイターズ(2011年・2位)、読売ジャイアンツ(2014年・1位)、福岡ソフトバンクホークス(2位・2016年)の3チームのみ。その他のチームは全てBクラスなのです。
2017 オリックスバファローズ(4位)
2016 福岡ソフトバンクホークス(2位)
2015 横浜DeNAベイスターズ(6位)
2014 読売ジャイアンツ(1位)
2013 福岡ソフトバンクホークス(4位)
2012 横浜DeNAベイスターズ(6位)
2011 北海道日本ハムファイターズ(2位)
2010 東北楽天ゴールデンイーグルス(6位)
2009 広島東洋カープ(5位)
2008 福岡ソフトバンクホークス(6位)
まあ、今年のイーグルスはとにかく勝てません。あの、あの、あの東京ヤクルトスワローズよりも勝てません。
開幕戦こそ延長戦の末に勝利するものの、2戦目から5連敗、4月は2連勝が1度あったのみで21日から7連敗を喫するなど5勝18敗1分の借金13。
5月も2日の初戦こそ1-0で勝利を収めましたが、翌3日から4連敗。6日終了時点でのチーム成績は7勝23敗1分の勝率.233です。
この勝率は球団創設の2005年の勝率.281(38勝97敗1分)を下回り、現在のペースで黒星街道を突っ走ればプロ野球最多敗戦数(103敗:1961年近鉄)を上回るシーズン110敗ペースという非常事態となります。
勝てない最大の理由は貧打です。チーム打率.216は12球団中12位で、31試合で計89得点は1試合平均2.87。規定打席到達者でのチーム内トップは茂木選手の打率.257です。その他の選手は打率2割台前半から1割台の数字が並んでいます。
次に投手陣もなんだかなです。チーム防御率4.58は12球団中こちらも12位。岸選手は5試合で4度のQSを成功させて防御率1.89、辛島選手も5試合でQSが3度で防御率2.56と試合を作っていますが、エース則本選手を筆頭に先発投手陣に好不調の波が激しく、抑えたら打線が打てず、打線が打てば投手陣が失点するなど投打の噛み合いが悪くなっています。
今年早々に星野さんが亡くなって、チーム内に睨みをきかせる人がいなくなったからでしょうか。それとも昨季が出来すぎだったのでしょうか。