ちょっと前の話になりますが、日本や中国などでは月を愛でる慣習が古くからあり、中国から仲秋の十五夜に月見の祭事が伝わり、平安時代頃から観月の宴や舟遊びで歌を詠み、宴を催しました。現代では月が見える場所などに、すすきを飾って月見団子、里芋、枝豆、栗などを盛り、御酒を供えて月を眺めたりします。
本家の中国では中秋節として盛大なお祝いに祝うことになっています。また、この中秋節は祝日です。中国では月餅を食べながら月を観る慣習がありますが、最近は月餅をひと月以上前から知人に配るようになったため、中秋当日までに月餅は食べ飽きてしまい、中秋当日には売れ残りを恐れて安売りされるという現象も起きているそうです。
日本ではクリスマスケーキやバレンタインデーのチョコレートのように、季節もので盛り上がりますが、中国でも各メーカーやお店は「月餅商戦」に力を入れ、今年は日本人の想像を超える数々の「ゲテモノ月餅」が登場し、話題になりました。
人民日報日本語版では、13種類のスパイスを利かせ、油で揚げた後にとろとろ煮込んだザリガニが丸ごと「餡(あん)」になっている「ザリガニ月餅」が紹介されていました。
ザリガニ月餅を製造するお店は1日100箱限定、1箱180元(約2800円)で販売していたそうですが、ダフ屋まで出現して1箱300元以上にまで値がつり上がるほどの人気で1人2箱までしか買えない状況だったそうです。ただ、想像するには日本人には絶対になじめない食べ物であることは間違いないと思います。しかし、新華社日本語版サイトによると「抜群のおいしさだという」と高評価でした。
新華社通信では、その他に「甘さとしょっぱさの絶妙なコラボが口に広がる」というインスタントラーメンや、ドリアン、ニラ、キノコを「餡」にした月餅も紹介されていました。
さて、日本でも月餅というお菓子を食べたことのある方もいると思います。一説によりますと、国内で最初に市販したのは新宿中村屋と言われています。ホームページには、創業者夫妻が中国に視察旅行に出かけたときに月餅を見つけ、土産として持ち帰ったそうですが、日本人の口には合わないものだったため、「中国の月餅」を「和菓子としての月餅」に仕立てて、昭和2年に発売を始めたとあります。このため、中国の月餅とは見た目は同じでも中身がかなり違うのです。
それでは、本場中国の月餅はどういうものかと言いますと、黒い餡の中に「タンファン」と呼ばれる塩漬けにしたアヒルの卵黄が入ったものが本物です。これは夜空に満月が浮かぶ様子をイメージしたものだそうです。
しかし、次の国は本場中国の月餅は輸入を禁止しているそうです。
ドイツ、フランス、デンマーク、スペイン、ベルギー、ハンガリー、スウェーデン、スイス、ロシア、チェコ、エストニア、メキシコ、ブラジル、ウルグアイ、コロンビア、韓国、タイ、シンガポール、フィリピン、カタール、インド、インドネシア、ミャンマー、サウジアラビア、コンゴ、赤道ギニア、ナイジェリア、チャド、カメルーン、ブルンジ、ガボン、エチオピア、スーダン、リビア
理由は月餅の中に詰められる餡のほとんどが肉や卵の成分を含んでおり、鳥インフルエンザや口蹄(こうてい)疫など感染症散布の危険が潜んでいるためだそうです。また、輸送に時間がかかり、中身が変質する可能性があるとして、海外から輸送されてくる月餅の制限措置を取っている国もあるとのことです。このほかにオーストラリア、英国、米国、カナダやマレーシアなどは卵黄や肉を含む月餅の輸入を禁止し、ニュージーランドは卵黄やはちみつを含む月餅の輸入を禁止しているそうです。
日本は一律輸入禁止にはなっていないようですが、業者が輸入する中国製月餅については日本で使用が禁止されている甘味料などが含まれている可能性があるとして、輸入規制をかけてられています。また、生産工場の環境もあり、いろいろな添加物が含まれている可能性もあるそうですので、メーカーによれば要注意ということのようです。
ちなみに横浜中華街などでも、タンファンの入った「中秋月餅」を売っていたりするそうですが、各店が製造しているとのことで、安全性と味は保証するそうです。
さて、私の目の前には3週間ほど前から本場中国の月餅が鎮座しています。台湾の方から戴いた、香港メーカーの本場中国の月餅だと言っています(ややこしい説明だ)。
ということで、中国に来て早くも3週間以上経ちました。その間、滞在期限(15日間)が切れるため、一度香港へ行きましたが、すぐさま中国へトンボ返り。
高校野球秋季大会はほとんど見られず、プロ野球も知らぬ間に優勝が決まり、いつもは見たことのないとと姉ちゃんと真田丸を観て、初回から観た気になっている、今日この頃です。
コメント一覧

まっくろくろすけ

Unknown
最新の画像もっと見る
最近の「食・レシピ」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事