私のブログにお越しいただいてありがとうございます。新型コロナウイルスによってお亡くなりになった方々のご冥福をお祈りするとともに、罹患された皆様に心よりお見舞い申し上げます。また、どうか、みなさまとご家族、関係者の方がご健康であっていただければと思っております。1日でも早く流行が終息の方向に向かうことを願っております。
世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス。さまざまな機関が調査し、世界の感染状況をまとめたウェブサイトが相次いで登場していますが、感染流行の早期から有用な情報を提供しているのが、名前をよく聞くのが、米国ジョンズ・ホプキンス大学(Johns Hopkins University)です。
日本のNHKを始めとした複数のメディアのほか、米国CNNや英国BBCなどの海外のメディアも、ジョンズ・ホプキンス大の特設サイトの公開されたデータを速報で伝えるなど、信頼性の高いサイトとして注目されています。この特設サイトには、すでに約150億人以上が閲覧しており、単純計算で世界中の人が2回も閲覧していることになります。
国際的な公共機関として世界保健機関(WHO)がありますが、なぜか、こちらのデータは使われていません。
さて、ジョンズ・ホプキンズ大は、1876年に設置された(映画「ロッキー」のロケ地にもなった)メリーランド州ボルチモアに本部を置く私立大です。2019年の合格率は9.2%という米国最難関大学の1つであり、世界屈指の医学部を有し、脳神経外科学、心臓外科学、小児科学、児童精神医学などの学問を生み出しています。医学部が最も有名ですが、他の学部においても各種の大学ランキングでは常に最上位に位置しています。
これまでに医学・生理学賞を含む29人のノーベル賞受賞者を輩出するなど、公衆衛生をはじめとする医療分野で、世界屈指の教育・研究機関として知られています。また、附属のジョンズ・ホプキンズ病院は世界で最も優れた病院の1つとして知られ、世界最古の公衆衛生大学院を有してもいます。
大学の研究機関の1つ、システム科学工学センターのローレン・ガードナー准教授と大学院生らのチームは、2020年1月22日、新型コロナウイルスに関する特設サイトを立ち上げました。ちなみに、米国ワシントン州で全米初の感染者が発表されたのは1月21日。この時点で世界中で感染報告されていたのが222件でした。
特設サイトでは、WHOや各国の保健当局の発表などをもとに、世界の国と地域ごとの感染者や亡くなった方、それに回復した人の数を一覧で示しているほか、感染の規模を地図上に円の大きさで示しています。また、国名や地域名をクリックすると、1日ごとの感染者の棒グラフを表示させることもできます。データは少なくとも数時間おきに更新され、この特設サイトのデータをもとに世界の感染状況を伝えています。
当初、世界で最初に新型コロナウイルスの感染が確認された中国については、湖北省の保健当局などが発表した情報収集はすべて手作業で行われ、朝と夕方に2回公開していましたが、大流行となってしまい手動での更新が維持できないと判断。2月1日から半自動化されたリアルタイムデータストリームを追加し、地元の医療情報サイトを経由して15分ごとに自動で取り込み、表示するデータを更新したということです。
このほか、チームのメンバーは、ツイッターや各国のニュースなどでも新たな情報を確認し、それぞれの公式な発表内容と照らし合わせたうえで、手動でも更新を行っているということです。CDCの公式データや多くのメディアでのデータが1日1回の更新であることに対し、このスピード感がメディアで使われている理由の1つなのかも知れません。
ちなみに、この特設サイトにおけるデータ収集システムの開発者は博士課程在学中の中国人留学生とのことです。
彼が新学期に向けて何か新しいことをしようと話し合っていたときに、新型コロナウイルス感染が中国で発生。この事態をとても心配し、特に家族のことを考えて、すぐに開発に着手したそうです。そして8時間という短い時間で、今や世界中の人々、政府、医療従事者にとって最も重宝される情報サイトを作り上げたとのことです。
現在、世界で最も信頼されているデータシステムを中国人留学生が作っているという事実は興味深く感じました。個人的にも思うところは多々ありますが、中国からの情報が信頼できないということを目にすることがあります。でも、個々の人が自分を大事にし、家族を愛する気持ちは私たちと同じだと思っています。
なお、最新の情報をまとめて公開している理由についてガードナー准教授は、「わかりやすいデータによって、一般の人が感染拡大の状況を理解することが重要だ」と話しています。
「Tomorrow is another day」
映画「風と共に去りぬ」の最後のシーンのセリフです。これは、「明日は今日とは別の日」という意味です。
同じように、「昨日は今日とは別の日」です。昨日よりも今日をいい日にするために、そして明日のために大切に過ごしましょう。
そして、また、明日、ここで、お会いしましょう。