野球小僧

8時ちょうどのあずさ2号で

日記

2019年03月19日 00時15分00秒

「あずさ2号」は1977年3月25日にリリースされた、兄弟デュオ・狩人のデビュー曲です。オリコンチャート週間4位、年間15位、第19回日本レコード大賞・新人賞を獲得した曲です。

「あずさ」は中央本線の主に新宿駅〜松本駅間を結ぶ特急列車で、その名前は長野県松本市内を流れる梓川(あずさがわ)に由来しています。この曲の歌詞に「8時ちょうどのあずさ2号で」とあるように、当時、午前8時ちょうどに出発する特急「あずさ2号」は新宿駅発と松本駅発の上り下り各1本、計2本の「あずさ2号」がありました。また、「春まだ浅い信濃路へ」という歌詞から、歌われているのは新宿発松本行きの下り「あずさ2号」でした。

ところが、楽曲発表からわずか1年半後の1978年の秋のダイヤ改正で、その下り「あずさ2号」はになくなってしまいました。それまで下り列車、上り列車それぞれに1号、2号、3号…となっていた号数が、1978年10月2日からは、現在のように下りが奇数の1号、3号、5号…、上りが偶数の2号、4号、6号…という形に変更されてしまったのです。そして、その後は次のように変わっていきました。

1978年午前8時新宿駅発あずさ2号 → あずさ3号
1994年午前8時新宿駅発あずさ3号 → スーパーあずさ3号(新型電車のE351系)
2004年午前8時新宿駅発スーパーあずさ3号 → スーパーあずさ5号

ある意味、仕方がないと思うのですが、寂しいものですよね。しかし、実は、形は異なるものの、「8時ちょうどのあずさ2号」は今も存在していたのです。

2016年のダイヤ改正で、特急「あずさ2号」は松本駅始発で午前6時8分に出発していました(2019年3月15日まで)。そして、途中の山梨県の大月駅を、平日限定で午前8時ちょうどに発車しているのです。ちなみに、土休日は7時59分発ですので、乗り遅れないようにしてください。

ただ、この「あずさ2号」は上りであるため、信濃路へは向かいませんが、東京駅行きのため、中央線の信濃町駅を通過するという、偶然になっています。なかなか、やるではないかJR東日本というところです。

ところが、2019年3月16日のダイヤ改正より同特急は大月駅通過とされたため、約3年で消滅することとなりました。これは、車両を新型車両のE353系特急形電車に統一し、スピードアップのため、「あずさ」の停車駅を大幅に見直ししたことになるのです。すべての「あずさ」が停車する駅は、ひと駅減って新宿駅、八王子駅、甲府駅、茅野駅、松本駅の5駅となり、ほかの駅も停車本数が減り、大月駅は下りが2本減の5本、上りは4本減って2本になります。この減少分のなかに「2号」が含まれているのです。

また、東京都内の三鷹と山梨県内の塩山、山梨市、石和温泉の各駅は、「あずさ」の停車がなくなります。このうち三鷹駅を除く3駅は、東京と山梨を結ぶ特急「かいじ」が引き続き停車するものの、全体として特急の停車が減ることに変わりありません。長野県内では、上諏訪駅、下諏訪駅、岡谷駅、塩尻駅の停車本数が少なくなっています。ダメじゃないか、JR東日本、おじさんは怒っています。

これに対し、山梨や長野の自治体は当然のように反発します。停車本数が減ることで客の乗り降りも減り、地元の観光や経済に大きな影響があるのではないかと考えたためです。長野県の阿部守一知事も、2019年1月の会見で「(JR東日本の長野支社長に対し)地域の声をしっかりと聞いて対応していただきたいと申し上げました」と話していますが、また、これも時代の変化というものでしょうか・・・

時期：　　1977(昭和52)年
使用車種：183系
列車番号：3M
列車種別：特急電
列車名：　あずさ2号

新宿　　　08:00
八王子　　08:38
大月　　　レ
甲府　　　09:51
茅野　　　10:41
上諏訪　　10:49
辰野　　　11:09
塩尻　　　11:33
松本　　　11:46
信濃大町　12:24
白馬　　　12:51

レ：通過