JFK-World 世界の撮影・取材地トピック

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TV-CMおよびTVドキュメンタリー番組のディレクター & カメラマン

Tintoretto World ティントレットの世界

2013年03月12日 | ヨーロッパ
(エドゥアール・マネ作 1854年 )
16世紀のベネチアを代表する画家 ティントレット ・・
『Tintoretto 』 は本名ではありません。
父親が染物 (イタリア語で Tintura ) を生業としていたため、
その息子というニュアンスで Tintoretto と呼ばれるようになり、
終生その名前で親しまれました。



「聖ロッコ同信会館 」 の画家選定にあたり、
見上げた先の視線を圧倒するティントレットの芸術性は、
信徒会の有志一同を魅了しました。



『栄光の聖ロッコ 』 1564年 作

最初にティントレットはこの作品を無償で引き受け、
それによって同信会館全体の絵画を描く
名誉を得たといわれています。



同信会館は、ティントレットの絵で埋め尽くされています。
いわば、ここはティントレット美術館です。
(3月10日、11日のブログ参照 )





『磔刑 (たっけい ) 』 1567年 作

縦 5メートル、横 12メートルの大作です。



『原罪 』 1578年 作



『羊飼いの礼拝 』 1581年 作





『受胎告知 』 1587年 作





『エジプトへの逃亡 』 1587年 作

注: 西暦は作品の完成年 (一部推定 )

円熟期から晩年にかけての20余年 ・・
ティントレットのライフワークといってもいいでしょう。

余談ですが、見る者の視線 (見る角度 ) を意識して、
意図的に誇張した人物の肢体や独特の遠近法 ・・
また、極端な明暗を伴う光の描き方 ・・
ティントレットの絵に見られるこれらの手法 ・・
それは、明らかに盛期ルネサンスの大家 ミケランジェロの
絵画手法を進化させたものであり、
英語で 『Mannerism マニエリスム 』 といわれます。
El Greco エル・グレゴ (1541年ー1614年 ) に代表される
この手法は多くの画家に踏襲され、
やがて、『マニエリスム 』 は 『マンネリズム (マンネリ ) 』 へと、
少なからず蔑視を含む言葉へと変わっていきました。
斬新なこともいずれは飽きられてしまうということでしょうか ・・

jfk-world

































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