The 1812 War Gallery
「1812年 祖国戦争の間」
1812年の 「祖国戦争」の勝利に貢献した
英雄たちの肖像画を掲げたギャラリーです。
「エルミタージュ美術館」 の中では、少し異質な感じがします。
「祖国戦争」 とは、
ナポレオン率いるフランス軍と
ロシア、イギリス、プロシア、オーストリア、などの連合軍との
戦争 = 「ナポレオン戦争」 のロシア側の呼称です。
1812年、モスクワに侵攻したフランス軍は、
期せずして起こったモスクワの大火と予想以上の寒さに阻まれ、
撤退を余儀なくされます。
この時の季節は真冬ではなく秋です。
フランス軍の撤退を伝えたイギリスの記者が、
『General frost』 と表現したことが、
ナポレオンを敗退させた 『冬将軍』 の語源となりました。
連合軍の勝利を讃えるため、
ロシア軍の英雄の他にも、同盟を結んでいた
プロシア皇帝 = フリードリッヒ・ウィルヘルム3世や、
オーストリア皇帝 = フランツ1世の肖像画もあります。
また、戦死により肖像画が描けなかった英雄たちには、
肖像画のためのスペースだけが設けられています。
中央の肖像画は、
第10代ロシア皇帝 = アレクサンドル1世です。
Alexander I
アレクサンドル1世 (1777年ー1825年 在位 1801年ー1825年)
エカテリーナ2世の孫にあたる皇帝です。
ヨーロッパ諸国と同盟を結びナポレオンを駆逐 ・・
さらに、初代ポーランド国王
および初代フィンランド大公に即位するなど、
エカテリーナ2世が夢見た 『ロシアのヨーロッパ化』 に
最も近づいた皇帝かも知れません。
しかし、ヨーロッパでの政治的な動きに不可解なことが多く、
47才の若さで逝去しますが、
身分を隠して隠棲したとする説が流布されるなど、
謎の多い皇帝です。
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