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同人誌「ドラえもん最終話」の行方

2007年02月02日 | 8.コラム


昨日2月1日の産経新聞Webサイト・Sankei WEBの記事、「【知はうごく】「模倣が生む才能」著作権攻防(6)-3」http://www.sankei.co.jp/culture/enterme/070201/ent070201002.htm にて、昨年ネット上で話題になっていた同人誌「ドラえもん 最終話」についての小学館の対応状況が報道されていました。

実は今までこの同人誌の件はあえて書かずにいました。今回表だって報道されたので、当サイトに訪れる方もいらっしゃると思い少し補足を書きます。(以下は昨年掲示板に書いた文への加筆版です。)

1998年~99年頃にチェーンメールなどでネット上に大流行した「ドラえもん最終回」。
ドラえもんがある日停止し、大人になって科学者となったのび太が、ドラえもんを修理し再会するというストーリーは、当サイトの「ドラえもん最終回の噂について」でも説明させていただいている通り、元々は当時大学生だったドラファンの方が、御自身のWebサイトに「~僕が勝手に考えた~ドラえもんの最終回(仮)」と題して掲載していた創作ストーリーでした。
その後、それを見つけた第三者が、勝手にチェーンメールなどでばらまいてしまい、一時期は「藤子・F・不二雄先生が御生前に考えていたストーリー」などというデマと共に広まって大騒動に。元の創作ストーリー作者の方はとても困惑されていました。(実は当時、ご本人から当サイトへ直接メールを頂き、私・管理人からリンクのお願いをした事もあったのです。)
この作者は後にWebサイトを閉鎖されたのですが、このストーリー自体はネット上に広がり続け、いつの間にか作者不明の創作・最終話として、あちらこちらのWebに掲載されるようになってしまったのです。原文を読みたい!という方は、「ドラえもん最終回」「ドラえもん最終話」などとWeb検索をすれば「のび太とドラえもんに別れの時が訪れます。それは、なんともあっさりと... 」で始まる文章を読む事ができるでしょう。
そして某サイトに掲載されている漫画(元は同人誌)は、某漫画家(あえて名前は伏せます)の方が描かれた同人誌の作品です。
私自身数年前に古書&食玩&おもちゃを扱っている小さなお店でドラえもんが表紙に描かれた小さな冊子を見つけたのです。それはてんとう虫コミックスのデザインを踏襲した同人誌で、「ドラえもん 最終話」というものでした。読んでみてビックリ!あの「~僕が勝手に考えた~ドラえもんの最終回(仮)」のお話だったのです。しかも元々のストーリーに、大人になった出木杉・ジャイアン・スネ夫が登場する導入を加え、さらに話の細かな部分を修正し、よりリアルな創作ストーリーとして作り直されていました。
この作品については、著作権についての様々な問題があります。元が第三者のパロディ小説であり、その小説をさらに第三者が漫画にし、さらに第三者がWebに勝手に掲載・公開している。この複雑な事態には正直関われませんので、私からはあえて何も意見は言いません。
しかし、一つだけ。この最終回は、小説も漫画も、良く出来ているし、ファンの目線で悪意無く描かれています。この行為が良いのか悪いのかは別として。

●情報元リンク
産経新聞Webサイト・Sankei WEB(2007年2月1日記事)
【知はうごく】「模倣が生む才能」著作権攻防(6)-3
http://www.sankei.co.jp/culture/enterme/070201/ent070201002.htm


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4 コメント

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困ったものです (金魚売)
2007-02-03 01:34:56
ドラえもんは、現在進行形の子供たちの為の作品です。
他人が勝手に「最終回」を商業ルートに乗せていいわけがありません。
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いい話なんですけどね (夏姫)
2007-02-11 10:20:58
わたしも前に読んだことがあって、
思わず泣いちゃいました・・・。
だけど、「やっぱりどうなんだろう」
って思っちゃいますね。でもちょっと欲しい気も。
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なかなか難しい問題です (改造バギー)
2007-02-21 17:16:51
 私はあまり詳しい事実関係は知らないし、問題の「最終回」を読んでもいないのでめったなことは言えませんが、正直なところ法的手段、それも刑事告訴をちらつかせる小学館のやり方には、あまり感心できません。パロディはパロディに過ぎず、それが明確である以上『ドラえもん』という作品自体は小揺るぎもしません。「藤子先生が書いた」とか、「藤子プロ公認」とか触れ回っていらのならともかく、そうでない以上、ほっといてかまわないと思います。

 著作権制度とは、けして著作権者(作者とは限らない)に作品に対する無制限のコントロール権を付与するものではありません(あくまで優れた作品を生み出すための動機付けとして、作者に一定期間の優先権を与えるもの)。実際、作品を利用するにしても著作権者の許可がいつも不可欠というわけではなく(いわゆる公正利用、たとえば批評のための引用等)、許可なしのパロディ制作が法的に認められる余地が皆無というわけでもないと聞きます(受け売りですが)。

 確かにパロディの中には非常に不愉快なものもあります(変身ヒロインアニメの18禁同人誌が好例)。これらのものは作者にとってもファンにとっても、とても腹立たしいものであるでしょう。また、何でも許容するのは無原則にすぎるというのも正論です。ですが、著作権者の承認や黙認がない限り、いかなる2次創作も許されないというのも問題と思います。私個人としては原作の至らぬ点や悪い点を補足したり修正したりするタイプの2次創作、けしてオリジナルを食い物にするようなものでないパロディは、許容します。

 この問題、少なくとも「著作権者である小学館が許さない以上、絶対違法」というほど単純ではないと思います。表現の自由もかかわるので、きちんとした議論をしたうえで、答えを出してほしい(ローレンス・レッシグ教授やケンブリュー・マクロード氏の著書が参考になるでしょう)。

 最後に、完全な盗作はいけないし、著作権が不要ともいいません。とんでもないパロディが多数存在することも確かですし、その種のものは私も不快です。でも、著作権が過剰に保護され、常に著作権者の顔色をうかがうような状況が発生するのは回避すべきと思います。作品は公開された時点で、公のもの、ファンのものという側面もあるのですから。
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追記 (改造バギー)
2007-02-23 11:14:46
 上の文章は少々脈略がないので、少し追記します。

 私はファンがある作品のパロディを作ることにも保護されるべき利益があり、たとえ著作権者であろうと、単に「著作権者である」という理由のみで、ほしいままに禁圧すべきではないと思っています。

 ただ、パロディを作る側にも節度が求められるのは当然であり、それが2次創作であることを明確にすることと、なにより作品に対する愛情が最低限必要であると思います(修正補足タイプのパロディも愛あればこそ)。ゆえにこの「最終回」が『ドラえもん』という作品に対して悪意なく書かれているのなら、私はその存在を許容しようと思っています。



 
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