吉本新喜劇を見ていると定期的に緑の人が登場し、「借金を返済できないのであれば土地の権利書を出せ」などと主人公を脅迫しますが、今どきの土地の権利書は、実は12ケタの暗号です。
最近の土地の権利書をわかりやすく解説しましょう。
最近の土地の権利書とは「12ケタの暗号」のこと
土地の権利書と聞くと、その土地の所有者名が記された仰々しい書類をイメージしますが、昨今の土地の権利書は、登記識別情報と呼ばれる12ケタの暗号、または、登記識別情報が記された書面である「登記識別情報通知」を指します。
法務省が「法務省:登記識別情報通知書の様式の変更等について」にて公開する登記識別情報通知の見本は以下のとおりであり、下部に記されている12ケタの暗号が登記識別情報です。
登記識別情報は、土地などの不動産を取得しつつ名義変更を行うことにより、新たな不動産の所有者へ向けて、法務省の地方支部局である法務局から発行されます。
そして、新たな土地の所有者が、その土地を譲渡する際は、12ケタの暗号である登記識別情報を法務局に知らせる、または、登記識別情報通知を法務局に提出しなければなりません。
つまり、吉本新喜劇で緑の人が発言する「借金を返済できないのであれば土地の権利書を出せ」の件(くだり)をわかりやすく解説すると以下のようになります。
借金を返済できないのであれば、その代わりとしてこの土地を頂戴する。
よって、名義変更の際に必要となる登記識別情報が記された登記識別情報通知を渡しなさい。
とはいうものの、第三者が登記識別情報、または登記識別情報通知だけを入手しても、それだけで土地の名義を変更することはできません。
土地の名義変更を行う際は、登記識別情報と共に印鑑証明書、登記原因証明情報(どのような理由で名義変更が行われるか明確に記された書面)など、様々な書面の提出を法務局から求められます。
よって、登記識別情報通知を紛失するなどしても、即座に土地が詐取されるようなことはないため、過度の心配は不要です。
しかし、登記識別情報通知は大切に保管し、登記識別情報が他人に知られないように注意するに越したことはありません。
また、登記識別情報や登記識別情報通知は、再発行されないため紛失しないように気を付ける必要があります。
昨今の土地の権利書である登記識別情報、または登記識別情報通知の詳細は、私が運営するサイト「誰でもわかる不動産売買」の「土地の権利書とは?最近は12ケタの暗号って本当!?図解で解説」にて詳しくご説明中です。
同コンテンツでは、登記識別情報や登記識別情報通知が再発行されない理由などもわかりやすく解説しています。お時間のある方は、是非ご覧ください。
それではまた次回の更新でお会いしましょう。「不動産のあいうえお」でした。