
今日の(2019年2月3日)京都メインレース、きさらぎ賞を勝ったのは、3番人気のダノンチェイサー。
父ディープインパクト、母はロックオブジブラルタル産駒のサミター。
レース前から、「2億〇千万円で取引されたこと」が話題になっていましたが、その良血ぶりを発揮して、追い込んできたオルフェーヴル産駒らを破って重賞初勝利を挙げました。
最近、というか何年か前から、この手の良血馬が重賞やG1を席巻し、そうでないものはその勢いの前に跳ね飛ばされてしまう、という状況が続いています。
昨年引退したサトノダイヤモンドも、デビュー戦の時はその能力よりも対抗馬と合わせて「5億円対決」と謳われていたことの方が話題になっていたように記憶します。
また、最近JRAの新馬戦(「メイクデビュー」という呼称を使っている競馬ファンを、私は一度も見たこともないし会ったこともありません)でも、よく目にするのが「良血○○が新馬戦勝利!」という決まり文句です。
恐らくこれは、日本の血統をはじめとした競馬のあらゆる部分が飛躍的にレベルアップしたからなのだと思います。
私が競馬を見始めてからかなり長い間、この手の「良血馬」ないしは「高額馬」は、およそ活躍したためしがありませんでした。
例えば、バブル華やかなりしころ、父トウショウボーイでカツラギエースの半弟のモガミショーウンという馬がセリで1億円以上の値段で取引されたことが話題になりましたが、デビュー後は2回2着があるだけで結局、未勝利のまま442万円を稼いだだけで終わった、という例がありました。
この時代、億単位の高額落札馬で重賞を勝つところまで行ったのは、宝塚記念などを勝った「黄金の馬」ハギノカムイオーくらいではないでしょうか。
それに比して、今の時代はしっかりとした血統背景(近親に活躍馬多数とか)に加え、若駒の頃からしっかりとした育成を受けて、欠点があればそれを補うためのノウハウも蓄積されているでしょうし、万全のバックアップ態勢で馬が競馬場に送り出されていく時代です。
血統レベル自体が、サンデーサイレンスの登場によって飛躍的に向上し、サンデー系の種牡馬たちには近親交配を避けるために海外から優秀な花嫁たちを次々と輸入してくるのが当たり前になりました。
そうした積み重ねが、日本の競走馬のレベル自体を底上げし、「世界に通用する馬づくり」の基礎になっているのだと思います。

ただ、その当然の結果としてというか、その副作用とでもいうべきか、重賞やG1は大半がこうした血統的、育成環境的なバックボーンに恵まれた「良血馬」たちに牛耳られる結果となりました。
そして、彼ら彼女らは当然高額ですから、高額な馬を所有できる一部オーナーばかりが、その恩恵にあずかることにもなりました。
繰り返しますが、これはそれだけ日本の競馬のレベルが上がったからだと私は思います。
しかし、こうした競馬を見ていても、少しも胸が躍らないのはなぜなのでしょうか?
オルフェーヴルやゴールドシップが引退して以降、私にはどのG1馬も皆、金太郎飴のように同じ馬に見えてしまいます。
よく言えば優等生なのでしょうが、優等生であるということはイコール個性に乏しい、ということになります。
加えて、近頃の馬の名前は非英語圏の言語に由来するものが多く、覚えづらいのもそれに拍車をかけています。
私には「グランアレグリア」と「タンタアレグリア」と「シュヴァルグラン」の違いがよく分かりません。
馬券を買う立場からして、近年特にG1で、荒れるレースがめっきり減り、平穏な配当ばかりが続くのも、興をそがれる原因になっています。
こんなことを言っている私は相当のひねくれものなのだと思います。
別に、年寄りのように「昔はよかった」といいたいわけではありません。
ただ、近頃の競馬の異様な「退屈さ」の原因は何だろうか、と考えていて、多分こういうことなのだろうな、と感じたまでのことです。
ですので、「ひねくれもののたわごと」であると聞き流してやって下さいね。
…でも、多分もうダイユウサクやツインターボのような馬は、二度と出てこないんでしょうねえ。
ホントおっしゃる通りですよね。
自分は良血馬ばかりが勝つこと自体は全然かまわないんですけど…
キツいのな最近の良血馬達ってみんなピークが短すぎませんか?
素晴らしい形でダービーを勝ってもその先に夢が持てないと言うかなんと言うか…
それとヨーロッパ系馬名…
これは冠名大好きな自分はもううんざりです。
『よくもまぁ、こんな聞いた事あるような馬名付けるな…』って最近似たような名前の多さに閉口ぎみです。
ゴールドシップやキタサンブラックが人気だった理由が分かった気がします。
先週、今週と良血馬が重賞を勝ちましたが、正直、「お腹いっぱい」って感じなんですよね。
こういう馬って、スポーツ紙の紹介なんかを読んでも、「近親にヨーロッパのG1〇〇ステークス勝ち馬××」「南米の由緒ある牝系」なんて書いてあって、それだけの血統の馬が日本に来ていることに感謝すべきなんでしょうけど、正直ピンとこないんですよ。
私がスペシャルウィークのファンであることはご存知だと思いますけど、それは日本の土着の牝系出身というセールスポイントがある、というのが大きな理由です。
別にナショナリズムとかからではなくて、「遡れば二冠馬コダマと同じ一族」「近親にシスタートウショウ、マチカネタンホイザなどが出ている」「母の父は『スーパーカー』と呼ばれたマルゼンスキー」という、分かりやすくかつ感情移入しやすい要素があるからなのです。
何か、最近はそう言う感情移入の対象が少なくなって、ピンとこない「世界的良血馬」が幅を利かせるようになっていることに、ついて行けない自分がいるんですよね。
「ピークが短い」、ホント私もそう思います。
クラシックで活躍した馬が、古馬になってさらに活躍するのを見るのが競馬の大きな楽しみだと思うのですが、どうもみんな古馬になって途端に振るわなくなるのが寂しいんですよね。
キズナとかマカヒキだって、もっと大きな仕事をできる馬だと思っていたんですけどね…。
別にこれらの馬が早熟だとか、成長力がないということではないと思うんですけど、どうしてなのでしょう?
馬の名前も「キラキラネーム」の時代なんでしょうか?
ここ数年、馬の名前が覚えられないのが歳のせいだけではなくて、名前が難しすぎるから、ということに気づきました。
昔「サクラ〇〇オー」だらけでどれがどの馬か分からないというのがありましたよね。
今はそれ以上にどれがどの馬か分かりません。
それに、競馬に詳しくない人に説明するときにも困るんですよね。
「メジロライアン」「トウカイテイオー」「キタサンブラック」とかなら相手にも覚えてもらいやすいんですが…。
長々と失礼しました~。