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ファイナンシャル・プラニング事務所 インテレクタス 

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個人型確定拠出年金(3)

2016年02月29日 | 確定拠出年金
1.加入条件

加入できる者

1 自営業者等(国民年金第1号被保険者)但し、国民年金の保険料を免除されている者を除く)

2 国民年金第2号被保険者で且つ企業型年金加入者、厚生年金基金等の加入者等の対象となっていない企業の従業員

3、個人型に加入できない者: 公務員(第2号被保険者)・専業主婦(第3号被保険者)

2.各年金制度の加入者数;

個人型確定拠出年金加入可能者数は第1号被保険者約1,900万人及び第2号厚生年金被保険者約1,700万人合計3,600万人になります。

一方、個人型確定拠出年金加入者数は11万人で加入可能者数の0.3%に過ぎません。

2015年3月現在、個人型確定拠出年金加入数は、約21万人です。5年前に比べると約10万人増加し約2倍になっていますが、まだ全体の加入可能者数の0.6%に過ぎません。

三大税制優遇を備え「じぶん年金」を作り上げる最上の投資手法として挙げられる個人型確定拠出年金の認知度が低く、加入者が非常に少ないのは、通常の投資信託の高い販売手数料・信託報酬や個人年金保険の高い販売手数料を優先する金融機関の対応によるものです。

金融機関の窓口で、個人型確定拠出年金を勧められたという話は聞いたことがありません。 

しかしながら、金融機関が勧めない運用商品は、本当は個人にとって非常に有利な運用商品です。

通常年末調整で源泉徴収を終え確定申告の必要がない日本のサラリーマンの方々は所得控除の効果について敏感ではないと言われています。

運用における税制優遇は非常に重要なポイントで、次回個人型確定拠出年金が提供する三大税制優遇について説明する予定です。             

個人型確定拠出年金加入者推移

2016年02月20日 | 確定拠出年金
過去2年間の加入者推移をグラフに纏めました。

特に2014年11月~2015年11月の加入者数は著しく上昇しており、2013年11月~2014年11月増加加入者数と比較して第1号被保険者で20%、第2号被保険者で40%増加しています。

やはり、ファイナンシャル・ジャーナリストの竹川美奈子女史や経済コラムニストの大江英樹氏が著書やメディアで発信を続けておられる効果が確実に表れてきています。

これで、確定拠出年金法の改正が国会で承認されれば、一気に個人型確定拠出年金の夜明けが訪れますし、未だ運営管理機関として参入していないネット証券の進出が待たれます。

個人型確定拠出年金(2)

2016年02月14日 | 確定拠出年金
1.老後の生活費用と公的年金

まずは個人型確定拠出年金の様な公的年金に上乗せする「じぶん年金」が本当に
必要なのかどうかを考察する際には、長い退職後の人生(長生きのリスク)を配慮しつつ、老後の生活費用がどれくらい掛かるのかを知っておく必要があります。

退職後の生活を60歳から90歳までの30年間と想定し、夫婦二人の生活費は月27万円程度(金融広報中央委員会:家計の金融行動に関する世論調査―平成26年―より)必要とされていますので、30年間で必要資金は9,720万円になります。なお、27万円は老後も現状維持出来るレベルでの金額ですので、ゆとりのある生活を望むとなればあと5万円プラスの月32万円が必要で必要資金は1億1,520万円になります。

一方、厚生労働省が毎年発表しているモデル世帯における夫婦二人の年金額は1ヶ月当たり22万円程度ですので、30年間で7,920万円になり、必要資金との差額1,800万円または3,600万円(ゆとりのある生活の場合)を退職金及び自己資金で用意する必要があります。

従って、公的年金だけでは老後の生活資金を完全にカバーできません。

それでは、次に老後の主要な収入源となる公的年金制度及び支給開始年齢について詳しく説明致します。

2.現在の公的年金制度

上記の図から分かります様に、自営業者等の第1号被保険者は公的年金としては国民年金しか受給しませんし、国民年金の受給者が死亡した場合、厚生年金と違い遺族国民年金は支払われませんので、第2号被保険者と比較して公的年金以外にじぶん年金を充分に準備しておく必要があります。

3.公的年金の受給開始年齢

国民年金(基礎年金):現在、受給開始年齢は65歳です。

厚生年金:平成12年の法律改正により、2013年度から、厚生年金(報酬比例部分)の段階的な支給開始年齢引き上げが始まり2025年度には完了し、定額部分も含めて、厚生年金のすべてが、65歳での支給開始となります。この60歳から65歳への引き上げは、空白の5年間を生むと言われています。

また、欧米の国々では年金支給開始年齢を引き上げるケースが多々見られ、日本においても将来的には、65歳の支給開始年齢が引き上げれる可能性は否定できませんし、実際に検討事項とされています

4.じぶん年金の必要性

老後の生活費用及び公的年金制度の現状と見通しを鑑みますと、公的年金以外の「じぶん年金」を築いていく必要性を理解して頂けたと思います。

その「じぶん年金」を築いていく投資手段として、4大税制優遇(掛金全額所得控除・運用益非課税・公的年金等控除・退職金控除)を備え、時間的分散が可能な積立投資のできる個人型確定拠出年金を是非お勧めしたいと思います。

個人型確定拠出年金について(1)

2016年02月07日 | 確定拠出年金
1.制度の特徴

2001年10月から「確定拠出年金法」の施行によって始められた私的年金の一つで、その特徴は、加入者が毎月掛金を支払い、加入者が自己の責任において運用の指図を行い、その結果の損益に応じて年金額が決定されることにあります。対象者が各個人で掛金を支払う「個人型確定拠出年金」と、企業が掛金を支払う「企業型確定拠出年金」の2通りがあります

2.個人型確定拠出年金

平成27年11月末現在の加入者数は約24.2万人。

国民年金基金連合会(連合会)(管掌機関)が運営管理機関を通じて、60歳未満の自営業者等(第1号被保険者)や、企業年金(企業型確定拠出年金・確定給付年金・厚生年金基金)を実施しない企業の60歳未満の従業員(厚生年金の被保険者)を加入対象者として実施しています。現在公務員と、第3号被保険者(専業主婦等)は加入できません。

連合会は、個人型年金に係る規約を作成し、厚生労働大臣承認を受けており、また連合会が資産管理機関を兼ねていますが、実際には連合会から金融機関等に資産管理業務が委託されています。加えて運営管理業務は運営管理機関に委託しなければなりません。

3.運営管理機関

現在、厚生労働者に登録されている運営管理機関は197社あり、主に銀行、証券会社、保険会社が挙げられます。

4.掛金の上限

掛金(月額)は5,000円以上1,000円単位で自由に決められますが、上限が定められています。

第1号被保険者:掛金の上限は月額68,000円まで。ただし国民年金基金の加入・付加保険料の納付があればそれと合算された金額が上限となります。なお、第1号被保険者の場合は 国民年金の保険料を納付していない月については掛金を拠出できません。

第2号被保険者(企業年金を実施していない企業の従業員):掛金の上限は月額23,000円。

5.給付

―老齢給付金:60歳以なお、遅くとも70歳までには支給開始しなければなりません。

―障害給付金:加入者が一定の障害状態となった場合に年金支給されます。全部又は一部の一時金支給も可能です。

死亡一時金:加入者が死亡した場合に、一定の遺族に対して支給されます。この場合、みなし相続財産として、死亡退職金と同じように法定相続人の数×500万円の控除が認められています。

6.掛金に対する税制

非常に優遇された税制になっており、個人型確定拠出年金制度における最大のメリットです。

―掛金拠出時掛金全額が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象で、所得税及び住民税が軽減されます。

―運用時運用益は非課税。

通常積立金に対して特別法人税が課税されますが、2016年度まで課税凍結中。今まで何度か年限を制限して凍結されてきましたが、その年限が来ると再度延長して凍結されてきています。

ー給付時

受け取り条件によって、課税される科目が異なります。

老齢給付金を受け取る場合、年金払いの場合は雑所得となり、公的年金等控除の対象。一時金払いの場合は退職所得となり、退職所得控除の対象。その際は掛金拠出期間が勤続年数と見なされます。

障害給付金を受け取る場合、所得税、住民税ともに非課税。

死亡一時金を受け取る場合、みなし相続財産として相続税の課税対象。法定相続人一人当たり500万円まで非課税。

脱退一時金を受け取る場合、一時所得として課税されます。

7.運用及び運用商品

加入者は運営管理機関を通じて運用指図を行い、資産を運用し、各運営管理機関がそれぞれの運用商品を以下の様に提供しています。

―元本確保型:定期預金及び年金保険

―投資信託

なお、今回は掲載の第1回目でもあり個人型確定拠出年金の概要を纏めましたが、次回からは個々の事柄について詳細に説明を加えていく予定です。