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クローバー 匍匐(ほふく) 福福

末梢神経鞘腫瘍で右前足と肩甲骨を切断したココのことや身の回りの出来事など日々感じたことを発信します。

5.私と双極性障害②

2022-01-06 10:51:14 | 精神疾患

2004年に退職してすぐ、非常勤の仕事に就きました。

2011年、また、辛くなりました。人生2番目の大きな落ち込みです。転勤しようとした先での勤務内容の行き違いがきっかけでした。元の職場に戻りましたが、そこで管理職から「自分がうつになったら仕事を辞める。」と言われました。(組合を通じて抗議しました。)



「うつ」と診断され、長い間「うつ病」の治療を受けていましたが一向によくならず、どんどん酷くなっていきました。

2013年、別の病院に行き、初めて「双極性障害II型かも知れない。」といわれました。『双極性障害』という言葉をこの時初めて聞きました。



2014年、車に追突されて鞭打ち症になりました。軽い追突だったのに、日を追うごとに痛みが増して行きました。全身がビ〰と唸るような痛みでした。

近畿大学病院の整形外科に行き、そこで慢性疼痛と診断されました。しばらく通院しましたが整形外科の担当医から「慢性疼痛は精神的なことが影響していることが多い。」と神経内科を紹介されましたが、そこで精神科に行くように言われました。

2015年、精神科に行くと「入院して様子を見ましょう。」と言われ、1ヶ月入院しました。



光トポグラフィー検査を受けました。光トポグラフィー検査は脳の前頭葉、側頭葉の血中ヘモグロビンの変化を測定するもののようです。解析したパターンによって、うつ病、双極性障害、統合失調症に違いが見られ、「診断の補助」として扱われます。
検査と問診の結果、双極性障害II型と診断されました。

退院して職場に戻りましたが、まだ、精神状態が不安定で、人間関係もうまくいかず、仕事を辞めました。(うつに見えなかったことが原因だったと思っています。)

薬が効いて症状が軽くなってくる中で慢性疼痛も収まって来ました。
今も近畿大学病院に5週間に1度くらいの割合で通院しています。



その後も小さなうつの波は何度かあります。

昨年も辛くなったことがありました。真夜中に友人に電話しても言葉が出ず「ヒーッ」「ヒーッ…」。しばらくすると落ち着いてきましたが、友人は「救急車を呼ぼうかと思った。」と言っていました。



双極性障害I型の人で3分の1、双極性障害II型の人で約半分の期間をうつで過ごしているとの報告もあります。

長いですが、関心のある方はお読みください。

私はそこまではないですが、冬は調子が悪くなることが多いです。また、気圧の変化などで不快な気分になることがあります。年末からの寒波は堪えます。

対人関係で気になることがあると突然気分が不安定になることはよくあります。
  


諸説ありますが、「人付き合いがよい、気だてがよい、親切、気さく」な人、「秩序への執着、几帳面、熱中しやすい」な人は気分障害になりやすいといわれています。

私は明るく元気で前向きな方だと思います。症状が出ている時もです。(家では寝ていることが多いですが、人の前では元気が出ます。)

それは症状が軽いからだと思いますが、逆に言えば、そんなに元気そうに見えるのに「なぜ、しんどい、辛いというの?」と思われやすいのだと思います。このことは後で触れたいと思います。



私の躁は自分でもほとんど目立たないと思っていますが、「今、テンション高いな。」と思うことやたまに自分でもビックリするくらい積極的になることはあります。



小さな訴訟(少額訴訟)を起こしたことがあります。弁護士を通して交渉しましたが埒があかなかった事案です。

期日を過ぎて届いた相手からの膨大な量の答弁書。

読んでいると「ここは違うよ!」「ここは矛盾しているよ!」次々、天から声が降ってくるかのようなことがありました。

勝訴しました。これは躁状態だったのかなと思いますが、よく分かりません。
(すごく熱中することはあります。今も・・・😅




4.医学の進歩に貢献

2022-01-04 07:13:42 | 精神疾患

今年もよろしくお願いいたします。

新年早々、重い話では気が引けますので
やや、希望の持てる話からスタートしたいと思います。

私は今、近畿大学病院で検査を受けています。 
検査といっても臨床研究のようなものかと思っています。

精神疾患・精神症状を鑑別するのに脳波を活用できないかというものです。

研究中なので、詳しいことは書けませんが、
どのようなことをしているのか少し紹介したいと思います。



精神疾患は心の病気ではなく、脳の病気です。

脳の反応は、脳波計を用いると非常な微弱な電気信号として
捉えることができるということです。

脳波の出方は統合失調症、うつ病、双極性障害によって違うそうです。

はじめに、私がこの検査を受ける対象になるかを調べました。
脳波の反応を見た結果、この検査の対象になることが分かりました。

上記のような内容で検査を受けてくれないかといわれた時、
喜んでお引き受けしました。

私は好奇心が旺盛なので、とても興味を持ちました。
もちろん、少しでも医学の進歩に貢献できるのは嬉しいことです。
  


そして、検査がはじまりました。
1回30分程度を週3回、2ヶ月間です。
毎回、同じ内容です。

頭に電極をつけ、パソコンの画面の指定された場所を
見るように指示されます。

初めはただボーッと画面を見ているだけでしたが
結構、雑念が湧いてきます。

途中で画面上の線の広がりを出来るだけ狭くできないかと言われました。

この検査は視線が反映されるものではなく、
脳波の動きを見るというものなのでどうしていいか分かりません。
  


画面上の一点を見つめ、
気を入れるというか念力をかけるような気持ちでしてみても、
なかなか集約できるものではありません。

いつの間にか、頭の中で数字を数えたり、あいうえおやABC…を順に唱えたり、
好きな景色を思い浮かべたり、体の部位を順にたどったりしていました。

線が集約されることが増えて来たように思いますが、
やはり、今できたからと同じようにしても集約できません。

本当に不思議です。



それでも、回数を重ねるに従って、
それほど意識しないでも脳波の動きが集約されることが
少しづつ増えて来ています。

線が集約できるようになってきたことを褒めていただいた時は、
アカデミックなことで褒めてもらったので、
とても嬉しく思いました。

検査の目的や内容とは違いますが、
脳波を自分の力でほんの少しでも
コントロールが出来ることを知って
辛くなった時にこの力を活かせないかなと
思うようになりました。



このような研究の積み重ねが医学を進歩させているのだなと思います。
この検査が精神疾患・精神症状の改善のために活かされることを願います。



3.私と双極性障害①

2021-12-29 09:49:26 | 精神疾患
私は多分、中学3年生の頃にはその兆候があったのではないかと思っています。
双極性障害は10代から20代の初めに発症する事が多いそうです。

その後、たびたび症状が出て、20代前半から精神科に行っていました。
でも、長い間、診断名は聞いていませんでした。こちらから聞かなかったこともあると思います。



初めて、はっきり告げられたのは2011年の「うつ病」でした。後で遡って過去にかかった病院で診断書をもらってみると1997年からうつ病となっていました。



私は父親によく怒鳴られました。叩かれたこともあります。
母親からは「こんな成績、 取ったことがない。クラスで○番以下になったことはない。」とよく言われました。悪い成績を取った時、学校からの帰り道の情景を今でも覚えています。

激しい夫婦喧嘩も頻繁でした。父は母を殴ったり、服を引きちぎったりしました。何度か母から「お父ちゃんとお母ちゃんが別れたら、どっちにいく?」と聞かれたことがあります。


また、子どもの頃、今でも引きずるような心の傷を受けたことがあります。

双極性障害の原因にはいろいろな説がありますが、私の場合、子どもの頃のこのような体験ももしかしたら影響しているのかもしれません。




父がよく仕事を辞めるので、母は働きながら3人の子どもを育てるのに苦労しました。
私は働きながら、夜学(短大-3年間)に行きました。

1992年頃に人生で一番酷いうつ状態になりました。
乳癌により左側の全摘手術。その治療に伴う女性ホルモン(エストロゲン)の減少、仕事上の困難、そして、離婚が重なりました。


乳癌を克服し、仕事を頑張ろうと思っているのに憂うつで力が出なく困りました。

判断力が鈍くなり、仕事にも支障が出て来ました。職場の人が見かねて、精神科に連れて行ってくださいました。

その頃、歩いていると、どんどん地面にのめり込んでいくという感覚を味わいました。
身体が鉛のように重く感じました。自分の心を振り返るたびに暗くて憂うつで哀しい気分でした。



女性ホルモンは精神を安定させる働きがあります。急激な女性ホルモンの減少は更年期障害のような症状を引き起こしました。

私は39歳の時の手術だったので、女盛りに急ブレーキがかかったようだと思っています。

当時のことを人に話す時、「職場でも地獄、家でも地獄、体も地獄、頭(脳)も地獄だった。」と言っています。


何年かたって落ち着いて来ました。自分の心を振り返ると明るく軽やかになっていました。その頃、友人が「声が以前と全く違う。」と言っていました。

仕事を休まず、何とか乗り切りましたが、その時は更年期障害休暇がほしいと強く思ったことを覚えています。

職場の人たちからの支えがあったので、乗り切れたと思っています。足を向けて寝れない人が何人もいます。



でも、元々、自分の実践に自信がなかった上に、このこともあって、自分にはこの仕事は向かないとの思いがどんどん強くなりました。

辞めることが頭から離れなくなり、50歳で早期退職をしました。

トルコ

2.双極性障害 I型とII型

2021-12-27 19:57:35 | 精神疾患
双極性障害は気分が高まる躁状態と気分が落ち込むうつ状態を繰り返す「脳」の病気です。

躁状態では、何でもできる気分になったり、眠らないで活動を続けたりします。


一方、うつ状態では、一日中うっとおしい気分で眠れなくなったり、または逆に眠りすぎたりします。

好きなことに関心が持てなくなり、食欲が低下し、おっくうで体を動かすことができないといった症状も見られます。



混合状態では、躁状態、うつ状態の両方の症状が同時に起こります。 
  

1970年頃から躁の目立たないタイプがあることから、目立つタイプをⅠ型、目立たないタイプをⅡ型というようになりました。 


私は双極性障害II型です。



双極性障害II型は躁が目立たないので単極性のうつ病と診断されることが多く、間違った薬を処方され症状が悪化してしまうこともあります。
 

単極性のうつ病は一度治ると再発のリスクは比較的少ないのですが、双極性障害に伴ううつ状態は再発率が高いため、長期にわたる治療が必要だと言われています。




Ⅰ型は典型的な躁とうつを繰り返す病気で、躁うつ病といわれていました。

仕事や暮らしに大きな支障が出たり、良好な人間関係を保てなくなって、入院が必要となることもあります。
  


Ⅱ型は躁が目立たず入院する必要もほとんどないので、Ⅰ型より軽い病気と思う方もおられるかもしれませんが、

軽躁状態そのものは特に治療が必要でなくてもうつ状態の期間はⅠ型より長く、自殺のリスクも高いとされています。

アイスランド




精神疾患5人に1人

2021-12-25 20:05:59 | 精神疾患
<これはブログを開設した当初から書こうと思っていたものです。>

厚生労働省
知ることからはじめよう
みんなのメンタルヘルス 総合サイト
心の健康や病気、支援やサービスに関するウェブサイト

精神疾患を患っている方がこんなに多いのだと知って驚いています。

精神疾患で通院や入院している人は国内で約420万人(平成29年)

生涯を通じて5人に1人がかかるともいわれています。

外からは元気そうに見えても精神的に辛い状態を抱えている人が多いのですね。


また、厚生労働省は自殺者の4分の3は何らかの精神疾患を抱え、

そのうち4人に3人は病院での治療を受けていないと報告しています。


                 厚生労働省 我が国の自殺の現状より


医療機関に行かないのは

・症状が出ても、病院に行くのを億劫に感じる。

・精神科に行くのは敷居が高い。

・不調を感じても、精神疾患ではなく体の病気だと思う。

・周りの人に自分の不調を知られたくない。

・自分の問題を他人に相談しても何の解決にはならないと思う。

と「戸惑い」や「恥ずかしさ」から躊躇して対処が遅れがちになるとの指摘があります。

また、精神疾患の辛さを「甘え」とみなす風潮が一般社会に根付いていることなどから、医療機関での受診率が低いとの見解もあります。


うつ病やうつ状態の人の割合は新型コロナが流行する前と比べると2倍以上になってると

経済協力開発機構(OECD)のメンタルヘルスに関する国際調査が報告しています。

特に、若い世代や失業者、経済的に不安定な人の間で深刻化しているといいます。



皆さんは双極性障害って聞いたことがあるでしょうか?

 双極性障害は、以前、躁うつ病と呼ばれていた疾患です。

うつ病はうつだけですが双極性障害は躁とうつを合わせ持つということです。

「躁」状態をともなう双極性障害Ⅰ型と、「軽躁」状態をともなう双極性障害II型に区分されます。

うつ病だと診断された人の20%は最終的に双極性障害に診断が変わるといわれています。

躁の時は気分がいいので病院に行かず、うつの症状が出て辛くなった時に病院に行くからです。


実は私も双極性障害です。

およそ100人に1人ぐらいがかかる病気とされています。

正しい診断がされるまで、平均で4~10年かかっているといわれています。

私は40年くらいかかりました。

少しでも、双極性障害について知っていただければと思い、

これから、何回かに分けて書かせていただこうと思います。


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