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イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

レンブラントの家に寄り道ーオランダ最終日

2015年09月18日 11時17分45秒 | 他の国

残暑が厳しいフィレンツェです。
特に昨日南の方では40度になったところも有ったとか。
今週いっぱい、とは聞いてはいますがね…ホント夏が長い!

さて、今週はちょっと出かけていたことも有り、またあいてしまいましたね。
しばらくは論文も落ち着いているので、気候が良い時期にイタリア国内で見逃しているところを回ろうと思っていて、色々調べているのですが…
いやいや感心しますよ。
私はイタリアに住んでいて、イタリア語もわかるからある程度の情報収集ができるのは当然ですが、
イタリア語もできず、英語も少々という方がどうしてこんな情報分かったんだ…というケースが多々。
そして日本人の皆さんはその情報を詳細に残してくださるので非常に助かるし、私も見習わねば、と思うんですけどね。
これがなかなかしんどい。
昨日もここには公共交通手段ではいけないのかとイタリア語のサイトばかりを必死で探していたら、日本語で簡単に情報が手に入りました。
ありがたや、ありがたや
私も出来る限りの努力はしようと思うのですが… 食べ物ばかり載せてる場合じゃないですね。

え~前回はエルミタージュ美術館を出たところで雨に降られて…というところでしたね。 
とりあえず次の目的地に向かうべく、最寄りのトラム乗り場に向かっています。

途中ユダヤ教の博物館が有りました。

雨はほとんど止みました。
良かった良かった。
ふと見ると

レンブラントの家の前でした。
ここは本当はパスしようと思ったのですが、ポスターを見て…時計をちらり。
30分位でなんとか…ということで入館しました。
ここもミュージアムパスで行けちゃいます。
なんだかんだで完全にパスの元は取れましたね~

なぜ急きょ入ることに決めたかというと、”レンブラントと越前和紙”というのを見たから。
ここは前の日見たライデンからレンブラントが移ってきて住んでいた家で、中は当時の模様を再現しています。
版画の体験が出来たりするようです。
入場料にオーディオガイドが含まれているようなので、入り口で忘れずにもらった方が良いですよ。
階段が狭くて、忘れても取りに戻れないんです…
ということで忘れました。
まぁ時間もなかったので、良いんですけどね。

住居の方には大して興味もなく、あれ?和紙はどこに?と思っていたら有りました。

ユネスコ無形文化遺産に登録されたばかりの手すき和紙ですが、実はレンブラントが越前和紙を使っていたそうです。
まぁ当時日本が唯一貿易を行っていたのはオランダ。
そう考えれば何の疑問も有りませんが…

”長崎平戸のオランダ商館にあった会計帳簿に雁皮でつくられた高級和紙「鳥の子」の文字が確認されたことから、17世紀には和紙がヨーロッパに渡っていたことが判明している。
オランダ黄金時代を生きたレンブラントは、平戸から運ばれてきた異国の紙に目をとめ好んで用いたのだろうか。
越前和紙が使われた可能性が高いとされる「病人たちを癒やすキリスト」について、国立西洋美術館の解説は、ドラマチックな光の効果と柔らかく深みのある絵画的な空間演出を和紙が引き立てているとしているが、その国立西洋美術館で行われた越前和紙に関する事前調査では、版画紙の繊維などから日本の雁皮紙に間違いなく、当時の技術水準から考えると越前和紙の可能性が高いとされた。”(こちらから引用)


そんなことを聞いてしまうとなんか作品に愛着がわくというもの。
ただ越前和紙に関してはユネスコ登録はかなわなかったようです。

”今回、ユネスコ無形文化遺産に登録された和紙は、埼玉の「細川紙」、岐阜の「本美濃紙」。
2009年に登録済みの島根の「石州(せきしゅう)半紙」と併せ、「和紙」としての登録となった。
いずれも国の重要無形文化財(重文)に指定されている一級品だが、重文指定の和紙はほかにもある。
福井の『越前奉書紙』、高知の『土佐典具帖紙(てんぐじょうし)』、兵庫の『名塩雁皮紙(なじおがんぴし)』だ。違いは何か?
「登録されなかった越前奉書紙などの3つは、和紙作りの技術を持つ個人が『人間国宝』として重文指定されています。
対して登録がかなった3つは、保存団体が重文指定を受けているのが違う点。
ユネスコ登録の最大の目的は“次世代への文化の伝承”なので、保存団体を作り、技術継承に努める和紙が選ばれたのです。
手漉き和紙の技術を個人が継承していくのは、経済的にも負担がかかる。組織として継承する流れに弾みがつくことを期待しています」”
こちら日経新聞2015年9月18日の記事より引用 )


こんな面白い話知ってたらこれを卒論にしても良かったかも…なんてね。
ここにだけは日本語の表示がありました。
決して多い人がこの部屋にいたわけではありませんが、見ている人たちはすごく興味深そうでした。

これは3種類の違う紙を使って版画をしたもの。
確か和紙は温かみがある感じに仕上がっていた…と思うんだけど、記憶が定かでない。
日本語の説明が有ったにもかかわらず…

なんだ?
たぶん気に入って撮ったんだと思うんだけど…お恥ずかしい。

パンフレットがあれば、これは買って帰りたい!
と思ったのになかったんですよねぇ…
調査の方は越前市とアムステルダム国立美術館が協力して行われているそうです。
結果報告を楽しみに待ちたいものですね。

と、今回はここまで~
久々に友人とランチの約束出かけま~す。
あと一回でオランダは終了できるかな…
明日から連休ですね。
皆さんよいお休みをお過ごしください。 



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