本日は12月3日です。
今日は小さい窓です。
中からは…
ロバが出て来ました。
さて、今日はクリスマスのお菓子の続き。
前回はValle d'Aosta(ヴァッレ・ダオスタ州)、Piemonte(ピエモンテ州)、Liguria(リグーリア州)の北伊3州で終わってしまいましたが、今日はどこまでいけるかな?
はじまり、はじまり~
Lombardia(ロンバルディア州)
ファッショの街Milano(ミラノ)を州都に抱くロンバルディア州と言えばやはりPanettone(パネットーネ)!!
でも実はロンバルディア州にはクリスマスのお菓子は他にも色々あるんです。(知らなかったけど)
Brescia(ブレシャ)にはBossolà(ボッソラ)
写真:https://www.lacucinaitaliana.it/storie/piatti-tipici/bossola-bresciano/
あれ?これは甘食?(名前が出て来なくて苦労した…)
写真:Wikipedia
近いものはある気がするけど、Bossolàは真ん中に穴があいてるようです。
以前話したciambella(ドーナツ形のケーキ)に近いみたいだけど、それより柔らかいみたいだけど。
名前はケルトの“bés ‘mbesolàt”(読めない!)からきていて、意味は「とぐろを巻いた蛇」
吉兆のシンボルで力と再生を表し、ブレシャの街々に多くの伝説や昔話が残っている。
Mantova(マントヴァ)のbisulan、Cremona(クレモナ)のbussolanoと似たようなお菓子は多数ある。
今では一年中販売しているお菓子屋さんも多数あるみたいだけど、見た目に反して結構時間のかかるお菓子らしい。
Trentino Alto Adige(トレンティーノ・アルト・アディジェ州)
オーストリア、ドイツ文化を色濃く伝えるトレンティーノ・アルト・アディジェ州のクリスマスのお菓子と言えば Zelten(ゼルテン)
写真:https://www.ricettedalmondo.it/zelten.html
Sud Tirolo(北チロル)の典型的なクリスマスのお菓子で、ドライフルーツ、シナモン、干しぶどう、砂糖漬けの果物などで出来たタルト。
名前はドイツ語の “selten” から来ていて「珍しい」「レアな」という意味。
なぜならこのお菓子は年に1回クリスマスの時期にしか作られないから。
う~ん、クリスマス時期にこっちの方行ったこと何度かあるけど、いつも目につくのはこっちだな。
シュトゥルーデル(独: Strudel 伊:ストゥルーデル)
真ん中のがシュトゥルーデル
中のリンゴとクリームが絶妙な味わいで、どの店で食べてもおいしい。
「Strudel」というドイツ語の名前は、中世ドイツ語で「渦」や「渦巻き」を意味する語の派生なんだそうだ。
巻き巻きしているから?
屋台でも食べる。
このフォークの刺し方…日本人的にはちょっと嫌なんですけどね。
これ、写真を見て驚いたけどこれKrapfenだった。
こういうアップルパイみたいなのもKrapfenなのねぇ…
ついでに少々Bolzano(ボルツァーノ)の12月のお菓子屋さんの様子。
最近イタリアでもこういうケーキを出すお菓子屋さん増えたけど、最初に行った時は感動した。
さすがオーストリアに近いだけある!!
中央はザッハトルテ
胃袋1個じゃん足りましぇん。
屋台のお菓子屋さんもおいしそう。
ただ、これだけ見て来てもZelten(ゼルテン)は見当たらない。
もっと北に行かないとないのかな?と思ったら
かろうじて・・・
多分この左下のではないかなぁ???
1年に一度、更に地域限定なのでなかなか見つからないものです。
ちなみにこれ去年のボルツァーノ
クリスマスマーケット。
プレゼピオも出てました。
クリスマス前なのでキリストはいません。
そして欠かせないのがホットワイン(Glühwein)
もう1つこの季節クリスマスマーケットなどで売られているのがFrittelle tirolesi(チロルのフリッテッレッ)のStrauben(ストラウベン)というお菓子で、ドイツ語では「くねくれした」とか「チリチリ」という意味らしい。
これですから
太麺のラーメンではないです。甘いです。
Frittelliですから揚げ物です。こんな風に揚げてます。
写真:https://blog.giallozafferano.it/allacciateilgrembiule/frittelle-tirolesi/
やはり寒い時期はカロリーが高い揚げ物が多い気がします。
Friuli Venezia Giulia(フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州)
スロベニアとの境に当たるCollio friulano(フリウリのコッリオ。Gorizia、Cividale、Aquileiaなど)地区には特別なクリスマスのお菓子があります。
Gubana(グバーナ)
写真:https://www.italianfoodexperience.it/itinerari/collio-friulano/#
あんぱん!?なわけはないか。
グバーナはUdine(ウーディネ県)にあるNatisone(ナティゾーネ)の谷の伝統的なお菓子です。
ナティゾーネはスロベニアとイタリアの間の境界川。
Cividale(チビダーレ)の街にこの名前によく似た名前の街があるのは、1409年教皇Gregorio XII(グレゴリウス12世)がCividale del Friuli(チビダーレ・デル・フリウーリ)を訪れたときに開かれた祝宴でこのグバーナが出され、その名前が街の名前になったとか。
形はかたつむり型で、クリスマスだけでなくPasqua(復活祭)や大きなお祝いごと、例えば結婚式やお祭りの時に食べられる。
生地は甘く、中身は胡桃、干しぶどう、松の実、砂糖、グラッパ、レモンの皮。
勿論あんこは入っていない。
あとはオーブンに入れるだけ。
簡単そうだけど、本物の”Gubana”は、ミラノの職人のパネットーネ同様1990年から ”Consorzio per la protezione del marchio gubana(グバーナブランドを守るための組合)”によって、製法や材料は厳密に守られている。
と、ここまで来てある疑問が。
ヘビって、キリスト教では邪悪な存在ではなかったのか?
それなのにクリスマスにはヘビ型のお菓子が多いのはなぜ?
ちょっとフライングですが、Umbria(ウンブリア州)のクリスマスのお菓子Torciglione umbro(ウンブリアのトルチリオーネ)はまさにヘビ
写真:https://www.lacucinaitaliana.it/news/in-primo-piano/torciglione-umbro-un-serpente-sotto-lalbero/
これは脱皮を繰り返すへびが死と再生の象徴と考えられているから、なのだとか。
お菓子は元々”特別なパン”でした。
この”特別なパン”は毎日食べるパンとは違います。
お菓子は少しずつセレモニー、お祭りなどの特別なイベントの象徴としての地位を獲得していきます。
後にカレンダーに合わせ、その土地土地の特徴的なものが出来てきました。
そのお菓子の形には特別な意味を持つものもあります。
そのへんはまた後日。
結局今日も3州で終わり。
残り14州でござい。
参考:https://www.italianfoodexperience.it/notizie/dolci-tipici-natalizi/#
おまけ
先日出て来た"Bûche de Noël”について、ちゃんと調べている記事が有りました。
https://blog.goo.ne.jp/fontana24/e/9ea59b55610bdbba48f2d8659a14464a
またPanettone(パネットーネ)誕生に話はこちら
https://blog.goo.ne.jp/fontana24/e/77bdce143919b85e6cbfb14b463c7367
書いたらすぐに忘れてしまうんですよねぇ…
食べる方が専門です。(笑)
私もウィーン美術史美術館のカフェでザッハトルテを食べました。あそこは落ち着いていてとても良かった記憶があります。
今日図書館に行ったら、障害者施設の方が作ったシュトレンが出ていたので、思わず買ってしまいました。味比べをしてみようと思います。
「くるみ割り人形」を観に行かれたんですね。クリスマスと言えばこれですよね。私も大好きです。