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イタリアの泉

今は日本にいますが、在イタリア10年の経験を生かして、イタリア美術を中心に更新中。

ミラノでもレオナルド・ダ・ヴィンチーMuseo Poldi Pezzoli

2019年11月14日 15時14分24秒 | Mostra(展覧会)in Italia

NHKに先こされた~
今朝ニュースを見ていたら「世界のメディアザッピング」というコーナーで取り上げられていました。

「没後500年を記念してミラノで開催されているレオナルド・ダ・ヴィンチの展覧会に、ロシアのエルミタージュ美術館所蔵の『リッタの聖母(Madonna Litta)』が出展されている」と。
これはチェックしてなかった~

「2011年から2012年にかけて、レオナルドが最初にミラノに滞在していたときに制作した作品の大規模な展覧会がロンドンで開かれた。この展覧会を主催したのはナショナル・ギャラリーで、『リッタの聖母』はレオナルドの真作として展示された。しかしながら、ある美術史家は「おそらくは(レオナルドの真作として展示することが)貸与の条件だった」と指摘している。」とwikipediaにも有ったが、エルミタージュはレオナルド・ダ・ヴィンチの真作と言っていますが、未だ決着せずの「リッタの聖母(Madonna Litta)」。
この辺の事情からパリには行かなかったのでは?
「リッタの聖母」も模写が沢山残っていて、レオナルドの100%確実、誰が見ても真作という作品はない。

1490年ミラノで描かれたこの作品は、確実な来歴が残っているのは、1784年アルベリコ12世・ディ・ベルジョイオーゾ公子が、ジュゼッペ・ローなる人物からこの作品を購入したという記録。
1813年にそのベルジョイオーゾが死去し、ミラノ貴族のリッタ家の所有となった。これがこの絵画の名前の由来。
その後1865年にロシア皇帝アレクサンドル2世が、「リッタの聖母」をアントーニオ・リッタ侯から買い取り、これ以来エルミタージュ美術館で展示されている。
アレクサンドル2世が購入した当時の「リッタの聖母」は木板に油彩で描かれた板絵だったが、エルミタージュ美術館でキャンバスに移植された。(Wikipedia参照)

実は以前一度ミラノの王宮(Palazzo Reale)で行われた展覧会の時に戻っているのだが、それも30年前。
ということで久々の”里帰り”となったことも話題になっている。
今回作品が貸与されたのは、ミラノのMuseo Poldi Pezzori(ポルディ・ペッツォーリ美術館)
スカラ座から程近いこの邸宅美術館は、ジャン・ジャコモ・ポルディ・ペッツォーリ(Gian Giacomo Poldi Pezzoli)の遺言で、邸宅と共に彼が集めた美術品をミラノ市に寄付したもので、1881年から一般公開されている。
須賀敦子氏はこの美術館とポルディ・ペッツォーリ家について「チェデルナのミラノ、私のミラノ」というエッセイを書いている。(「ミラノ霧の風景」収録)
知名度としては決して高いとは言えないが、コレクションにはボッティチェリ(Botticelli)の「聖母子」を始め、マンテーニャ(Mantegna)や私の大好きなジョバンニ・ベッリーニ(Giovanni Bellini)やカルロ・クリヴェッリ(Carlo Crivelli)も有る。また、邸宅美術館ならではの邸宅そのものの美しさも見どころである。

展覧会の目玉は、「リッタの聖母」の作者の1人とも言われているジョヴァンニ・アントーニオ・ボルトラッフィオ(Giovanni Antonio Boltraffio)のペッツォーリ美術館所蔵の「聖母子」との比較展示。

この「聖母子」ももとはリッタ家のコレクションで、今回半世紀ぶりの”再会”となるそうだ。
これはどう見ても同じ作者とは思えないのだが…「リッタの聖母」をジョヴァンニ・アントーニオ・ボルトラッフィオとする説も根強い。

この他レオナルドが描いたデッサンやレオナルドに非常に近い弟子たちの絵画などが世界中の公立・私立のコレクションの中から20点あまりがここに集められている。

また、この展覧会のために、ブラッコ財団 (Fondazione Bracco)の協力で、レオナルドがルドヴィーコ・モーロ(Ludovico il Moro)の宮廷に出入りし、ミラノにいた1482年から1499年のレオナルドの工房で制作された作品を科学調査することが出来た。
「リッタの聖母」を他の作品と並べることによって、作品がいかに誕生し、どのように原作者の特定が行われているかを見る人に理解してもらえるような展示になっていて、科学的調査の結果も映像で見られるようになっている。

ということで来月見ましょ。
やばいな、ミラノ時間ない!!

Leonardo e la Madonna Litta
Milano, Museo Poldi Pezzoli
開催期間:2019年11月7日ー2020年2月10日
開館時間:月ー日 10.00 – 18.00 (火曜日休館)
     11月16日より土曜日の開館時間を21時まで延長。更に無料のガイドツアーを開催。
     入館は閉館30分前まで
     12月25日、1月1日休館
入場料:大人 14€(各種割引あり)
https://museopoldipezzoli.it/


参考:https://milano.repubblica.it/



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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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ミラノ (山科)
2019-11-16 06:54:41
よいミラノ旅行を。。

これはルーブルよりミラノのほうが良いかもしれませんね。
返信する
ありがとうございます。 (fontana)
2019-11-16 14:52:01
山科様
ありがとうございます。
また実物を見てからご報告します。
返信する

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