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FolksSoul~失われた伝承 (フォークスソウル) シナリオ解説

PS3アドベンチャー『FolksSoul~失われた伝承』のシナリオライターによる追記。PCやiPhone用ゲームの話など

FolksSoul世界観設定3

2011-08-10 22:27:34 | FolksSoul
引き続き、ゲームリパブリックの開発ブログより
シナリオ関係の記事を転載します。

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フォークスソウル用語集 その3
用語説明も第三回となりました。
今回もシナリオ編集担当より、本作に出てくる用語についてご紹介します。


《ニモニク》
ニモニクとは作中で登場する記憶を食ったフォークスのこと。
さまざまな人間の記憶を再生し、エレンやキーツに見せてくれます。

ニモニク(mnemonic)とはもともと、
古代ギリシアで発達したという記憶術のこと。
記憶というのは人を構成する要素として非常に重要です。
人をその人としているのは、生まれ持ったものよりも、
それまでの経験と記憶の蓄積によるものの方が大きいと言われています。

作中の登場人物…エレンやシュゼットなどが、異なる人生を歩んでいたら、
まったく違った性格の人間として成長を遂げていたかも知れません。


《フォークロア》
特別な力を持った強大なフォークス、
それがフォークロアです。

フォークロア(Folklore)とは、民俗学の事でしたが、
それが転じて都市伝説などの意味も含むようになっています。

都市伝説とは、言わば現代版のおとぎ話。
このごろはインターネットなどを通じて、凄まじい速さで
広がり、一人歩きしていきます。
そう、まるで生き物のように。

「レムリック村に行けば死者に会える」
「妖精が見える女の子がいる」

こんな噂もフォークロアの一種と言えるでしょう。


《こぼれ話》
オープニングのムービーでエレンが持っている
母親からの手紙、これにあて先が書いてあるのが
読めたでしょうか?(まず読めませんね)

このあて先の住所はこう書かれています。

Ellen Reid
 48B St John's Street
  Dublin 25
(ダブリン〒25 聖ジョン通り48番地下宿人)

日本とは表記の仕方が違いますね。
そして、実際には書かれていませんが、
差出人はこうです。

Your Mother

3 Sea-Front Road
Lemrick,Co.Kerry
(ケリー州 レムリック 海岸通り3番地)

もちろん、どちらも架空の住所。
差出人に関しては、日本と違って書かない場合が
多いということだったため、省略しました。

実は、キーツの雑誌「アンノウンレルム」誌の
バーコードの番号などにも設定があります。
そう、バーコードを見ただけで、どこの国のものかが
わかるんです。

住所もバーコードも、も画面では確認することが
できませんが、もし写った場合不自然に見えないよう、
きちんと考えておく必要が出てきます。
そんなこぼれ話でした。

さて、長くなりましたが、今回はこのあたりで。

FolksSoul用語説明2

2011-07-27 20:27:26 | FolksSoul

これも転載です。
この文書を書いてくれた方はフォークスソウルの後は
ディレクターとして「魔人と失われた王国」を制作されています。
魔人にはフォークスのスタッフも多く参画していますので
ぜひお手にとってみてください。

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FolksSoul用語説明 その2
こんにちは。シナリオ編集担当です。
今回は、一回目で紹介した用語を
さらに掘り下げて解説したいと思います。


《異界・その2》
キーツとエレンが旅立つ先。
いわゆる「あの世」の事です。

作中でもベルガエが「異界は星の数ほど~」と
言う場面がありますが、それらは人間の持つ
「死後の世界」のイメージによって作られています。

異なる文化や時代に暮らした人間は、それぞれ異なる
死生観を持っているため、死後も別々な世界に旅立って
行くのだ…という事です。

本当に死後の世界があるのかどうか?
実在したら人はどのように生きるのか?

尽きることのない疑問の答えは人がそれぞれ見つけて
いくものですが、エレンやキーツがどのような意見を
持つのかは、作中でお楽しみください。


《フォークス・その2》
物語のタイトルにもなっているフォークス(Folks)は
「人々」「民族」などの意味を持っています。
前述のように異界とはそもそも、人々の死生観によって
作られるものですので、同じ異界へたどり着いた人々は
皆、近い死生観を持っていたということになります。

それぞれの異界には妖精などの住人が住んでいますが、
彼らは異界に生まれた生き物、フォークスは死んだ人々の
魂が変化したものなので、まったく異なる存在です。


《イド・その2》
フォークスの魂のエネルギーと説明されている
「ID(イド)」は、固体識別、身分証明などの意味合いの
ID(アイディー)と、精神分析学上の用語である
id(イド)をかけた造語です。

英語では造語であることを強調するため「Id」と
表記しています。
人の魂が異界へと行き、徐々に自我を失い、
フォークスとなったとき、最後に残った根本の力が
ID(イド)です。
エレンやキーツはそれを吸収し、力としていきます。
異界での強さというのは、精神や肉体の強さではなく、
ゆるぎない魂の力によって決まるのです。


《こぼれ話》
レムリックの村には公衆電話ボックスがあります。
ここに「Telefon」と書かれているのに気づいた方も
いらっしゃると思います。
英語では「Telephone」ですので、あれ? と思われたかも
知れませんが、決して誤字ではありません。

舞台となるレムリックはアイルランドの村。
アイルランドでは英語とアイルランド語(ゲール語)の2言語が
公用語として使われており、随所にゲール語での表記が
見られるそうです。

お店(shop)はsiopa、郵便局(post office)はPhoistと
いった調子です。


さて、今回はこのあたりで失礼いたします。
続きをお楽しみに!

フォークスソウル用語集1

2011-07-27 20:24:37 | FolksSoul
ゲームリパブリックの開発ブログからの転載です。

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フォークスソウル用語集 その1
ブログをチェックしていただき有難う御座います。

さて、そろそろ世間の眼に触れる機会も多くなってきた
「folkssoul(フォークスソウル)」ですが、新作タイトル、
かつファンタジー系のテーマという事で、
耳慣れない用語などが多数存在します。
そこで今回はシナリオ編集担当より
「folkssoul(フォークスソウル)用語説明(第一回)」
をお送りさせていただきます。


《レムリック村》
キーツとエレンを招きいれた不思議な村です。
具体的な場所は不明ですが周囲に広がる海や断崖等を見る限り
イギリスのアイルランド辺りでしょうか。
死者にあえるという伝説を残す、と言われていますが・・・


《異界》
キーツとエレンが旅立つ先。明確な定義は不可能ですが『妖精界』だとか
『戦争界』と言われる様々な種類の異界があるそうです。
現世を去った人々の向かう『死後の世界』であると言われています。
我々の世界とはまた別の法則で成り立っている
パラレルワールドなのかもしれません。


《フォークス》
作品のタイトルにも使用されている『フォークス』は、
もともとは「民族」とか「一族」といった意味の英語ですが、
本作では異界の住人の総称として使っています。
エレンとキーツは彼らと戦い、或いは使役しながら冒険していくことになります。
彼らがなぜ『フォークス』と呼ばれるのか、それは今のところ不明です。


《イド》
フォークスの魂の事を本作ではこう呼びます。
ダウンしたときにフォークスの体から出てくる物が『イド』です。
心理学で「無意識の衝動、欲求」といったようなものを指しますが
なにか関係あるのでしょうか?


…今回は第一回という事もあるのでこのあたりしておきたいと思います。
続きをお楽しみに。

ゲームリパブリック

2011-07-25 21:46:02 | FolksSoul
FolksSoulの開発元であり、私も以前お世話になっていたゲームリパブリック社の
サイトはドメインごと消えてしまっており、各ゲームの紹介ページや開発ブログ等も
無くなってしまったのは制作者としては思い出が消えたようで残念です。
こんなこともあろうかとシナリオ系の内容のみ保存しておいたので
私自身が書いたのは前稿のみですが、他のものも差し支えなさそうなものは
転載したいと思います。

ゲームリパブリック社は私も近年のことは知りませんが、
基本的に社員を大切にしている印象を持っていました。
ネット上では評判悪いですがw、一部にはデマと思われる話もありそうで
鵜呑みにしない方がよさそうです。

FolksSoul(フォークスソウル) シナリオについて

2011-07-25 21:24:17 | FolksSoul
以下は開発元のゲームリパブリック社の開発ブログに寄稿したものです。
現在は見られないのでこちらに転載しておきます。


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まずはFolksSoul(フォークスソウル)を手に取って、
あるいは興味を持っていただき、ありがとうございます。

FolksSoul(フォークスソウル)はアクションメインのゲームですが、
シナリオ面でも皆さんに楽しんでいただけるよう心がけました。
シナリオライターの私からその一端をご紹介しますね。


《シナリオ構成の二面性》
本シナリオの一番の特色はミステリーとファンタジーの二面性です。
サイトやCMなどで映像をご覧になると
「一体これはどんな話なのだろう?」と不思議に思われるでしょう。

物語の起点はアイルランドの片田舎の村、
そこを訪ねるエレンは現代の我々と同じ世界に生きる女性です。
一方で現実のものとは思えない色とりどりの美しい異界も舞台となります。
これが二面性であり、この物語は現実の事件を起点とした物語と
異界におけるファンタジー的な物語が並列して進行してゆきます。

そして、それらに更に異なる男女の主人公視点が加わります。
生き別れた母親との再会のために村に向かったエレン、
事件を客観的な立場で追う雑誌記者キーツ、
現実で別個に事件の謎を追う二人は、
迷い込んだ異界でも別々の立場を取ります。

現実と異界の物語、それを二人の視点で見るという2*2の4面構造が
本シナリオ構成の特長です。


《根底にあるテーマ》
物語面以外では、世界観にも絡む根本テーマは「死後世界とは何か?」です。
エレンとキーツが誘われた異界。それが夢なのか? そうではない何かなのか?
異界伝承を古代人の夢だと、我々現代人は一笑しますが、
誰が死後について詳らかに知っているのでしょうか?

かつて暗く深い海の彼方に異界を思い描いた古代人同様、
このゲームを遊んでいただいた方も日常の喧騒を離れ、
この世のどこかから地続きにあるという異界へと
想いを馳せていただければと思っています。

また、メインシナリオ以外にも外伝や短編が楽しめるクエスト、
発売後に配信されるダウンロードクエストや
人々との会話などもぜひお楽しみください。