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FIELD MUSEUM REVIEW

FM162_S3 出るも出ないも木の葉石◇植物化石さがし 2023年08月12日

木の葉石をわって植物化石がでてきたら、なんとわくわくすることであろう。
ならば、やってみるがよろしい。

いま塩原温泉郷のあるところ、かつて火山の噴火が箒川をせきとめてできた古塩原湖の底につもった堆積岩に、木の葉の化石がふくまれている。きれいに降りつもった地層のあいだに、はさまっているのである。年代は後期チバニアン。<千葉の時代>はおよそ77万4千年前から12万9千年前までの約65万年間をさし、後期はそのあたらしいほう。
(古塩原湖の化石 ⇒ FM162「ほりだしもの◇塩原 木の葉化石園」2023年05月22日 へ)

木の葉化石園で手にいれた化石(ほりだしたもの)の原石は、てのひらサイズの石のそこここに葉のかげが顔をだしている。層序にそってノミをあてれば、はがれるように割れる。

こまかい粘土の層にまじって、ややあらい粒の砂の層があらわれることがある。これはハズレ。

でてくる植物はほとんど現生の種におなじ、というわけで、宅の近所の公園でみかける落ち葉とたいしてかわらない。正確には、見わけがつかない、というべきであろう。

ひらいた袋のなかの5個セットは、砂岩層がたくさんまじっているようだ。

砂のなかに葉がかくれていることもある。これを葉がくれという。

どうしても断片になってしまう。

粘土層がうすくハガレル性質を利用して、針先で土をどけてゆく。

どうやらこの袋はハズレだなあ。

完形品をほりあてれば、掘りだしもの。

木の葉化石園に「世界各地の珍しい化石や鉱物をたくさんならべて観せ、かつ別途に商品として売っている」ことを紹介した。
(化石園 ⇒ FM162「ほりだしもの◇塩原 木の葉化石園」2023年05月22日 へ)

その「ショップコーナー」で木の葉石の原石をわって化石をさがす体験ができる。また学校団体を対象として化石クリーニング体験を提供している。
さらに原石を各地に発送する業務をおこなっている。学校、博物館、公民館など教育的な施設や団体に限定すると強調するいっぽう、一般個人むけにも提供する。それぞれ数量や価格についての条件が、化石園のウェブサイトに明記されている。

現地で頒布される原石がこれ。同サイトより画像をかりる。
1袋に5個はいって650円。持帰りは、現地での体験におなじく、ひとり2袋までにかぎられる。

わりかたは附属のパンフレットにしるされた通りにしたがう。注意すべきは
「割ってみるまでは化石が出るかわかりませんのであらかじめご了承ください」
である。なにせ原石でございます、かならずしも化石が首尾よく出るとはかぎりませんよ。

きれいに出ますように。
(大井 剛)

【写 真】 木の葉石をわってみたのが2023年8月4日、畏友 FA氏との共同作業であった。出ものの写真は、横浜市港北区にて2023年8月14日撮影。
最後の画像3点は、本文にことわったように、木の葉化石園Ⓡウェブサイト掲載のものである。
「畏友」ということばをいっぺんつかってみたかった。

(更新記録: 2023年8月12日起稿、8月14日公開、8月16日、8月19日修訂)

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