人間の性愛の多様性はどこまで許容されうるのか、その問いについての思考実験の小説と思えば、興味深く読めるだろう。
「水の動き」に性的興奮をおぼえる主人公たちは、児童ポルノの所持の疑いで誤認逮捕されるのだけれども、異性愛者でないのはもちろん、同性愛者でもない彼、彼女らは、多様性の枠外にある自らのセクシュアリティをもてあます。
公園の水道の水を噴出させるくらいなら、まだ実害は小さいが、これが「放火」だとしたら、とうてい許容できないだろう。
本小説の価値は、「ダイバーシティ尊重」の欺瞞をあぶりだした点にある。
難解な表現を用いて、読み返さないといけない箇所が散見されたのは、少し残念だった。
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