著者の村上さんは、貧困、虐待、ネグレクト、きょうだいのケア等で追いつめられる子どもたちに、安全であるだけでなく、安心して過ごせる「居場所」を提供し続ける人々に、寄り添い、彼ら、彼女たちの発する言葉を、発せられたままに忠実に再現し、「SOSのケイパビリティ」が保障された生活世界のありようを立体的に再構成して描き出す。
読みすすめるほどに深く考えさせられる内容の書物であるが、対人援助の不可能性と、それでも諦めずに苦悩する人々に立ち入っていくことに存する可能性に気づかせてくれる作品でもある。
「日雇い労働者の町」と呼ばれる大阪・西成。生活保護受給率は23%にのぼる(2019年)。でも、しんどくたって、今日も元気に子どもは遊ぶ。この町の個性的な支援者5人へのインタビューが描く、誰も取り残さない支援の地図!
目次
序章 生活困難地域での子ども支援
第1章 子どもたちがつくる場所―「こどもの里」の荘保共子さん
第2章 すき間を見つける視線―「わかくさ保育園」の西野伸一さん
第3章 見守りの同心円―「にしなり☆こども食堂」の川辺康子さん
第4章 はざまに入って一緒に行動する―アウトリーチと居場所をつなぐスッチさん
第5章 SOSのケイパビリティ―助産師ひろえさんの母子訪問
終章 社会を小さなすき間からつくる
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