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ケーキの切れない非行少年たち、どうしても頑張れない人たち

 「ケーキの切れない」とはどういうことか、読んでみたらなんだそんなことかと拍子抜けしたが、考えてみたら、本書で指摘されるまで、「ケーキの切れない」の意味がわからなかったわたし(たち)もヤバい。
 山本譲司さんの『累犯障害者』で、適切な支援を受けられないまま、犯罪を重ね、刑務所に服役する知的障がい者の問題は知っていたが、少年非行を繰り返す者たちも同様の境遇におかれていることを、『ケーキの切れない非行少年たち』は、具体的な事例にもとづき教えてくれる。
 『どうしても頑張れない人たち』は、そうした知的障がいをもつ少年非行当事者をはじめとして、外界や他者を認知し理解することが困難な人々と、どう向き合えば良いのか、これまた豊富な事例ともども教示してくれている。


宮口幸治,2019,ケーキの切れない非行少年たち,新潮社.(9.18.2021)

児童精神科医である筆者は、多くの非行少年たちと出会う中で、「反省以前の子ども」が沢山いるという事実に気づく。少年院には、認知力が弱く、「ケーキを等分に切る」ことすら出来ない非行少年が大勢いたが、問題の根深さは普通の学校でも同じなのだ。人口の十数%いるとされる「境界知能」の人々に焦点を当て、困っている彼らを学校・社会生活で困らないように導く超実践的なメソッドを公開する。

目次
第1章 「反省以前」の子どもたち
第2章 「僕はやさしい人間です」と答える殺人少年
第3章 非行少年に共通する特徴
第4章 気づかれない子どもたち
第5章 忘れられた人々
第6章 褒める教育だけでは問題は解決しない
第7章 ではどうすれば?1日5分で日本を変える


宮口幸治,2021,どうしても頑張れない人たち──ケーキの切れない非行少年たち2,新潮社.(9.18.2021)

「頑張る人を応援します」。世間ではそんなメッセージがよく流されるが、実は「どうしても頑張れない人たち」が一定数存在していることは、あまり知られていない。彼らはサボっているわけではない。頑張り方がわからず、苦しんでいるのだ。大ベストセラー『ケーキの切れない非行少年たち』に続き、困っている人たちを適切な支援につなげるための知識とメソッドを、児童精神科医が説く。

目次
第1章 「頑張ったら支援する」の恐ろしさ
第2章 「頑張らなくていい」は本当か?
第3章 頑張ってもできない人たち
第4章 やる気を奪う言葉と間違った方法
第5章 それでも認められたい
第6章 支援者は何をどうすればいいのか
第7章 支援する人を支援せよ
第8章 “笑顔”と“ホスピタリティ”

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