男性失業者、無業者、非正規勤労者の問題が深刻化するにつれ、やっと長らく放置されてきた女性の労働問題が注目されるようになったことは、この社会の性差別の根深さを表していると思うが、主婦パートの「劣等処遇」がもたらす弊害にはもっと関心が払われてしかるべきだ。ワークライフバランスおよび同一価値労働同一賃金の実現へ向けた労働政策、その提言の書としても評価できる。
目次
第1章 主婦パートを誤解するな
第2章 主婦パート職場は「アリ地獄」
第3章 「アリ地獄」型雇用は官民合作
第4章 正社員なみの働きを求める「基幹化」時代
第5章 負担増加の家事・育児
第6章 「主婦パート・ショック」が家庭を襲う
第7章 「つけ込み」の代償を払う企業
第8章 「パートタイム社員」創設を
日本最大の非正規雇用、800万人の主婦パートタイマーが壊れる!「サラリーマンの夫に扶養されている、お気楽な短時間ワーカー」という像は過去のもの。企業から正社員なみの貢献を求められているにもかかわらず、歪んだ社会保障制度の作り上げた低賃金・低待遇は放置され、彼女たちは疲弊していくばかりだ。日本の企業と家庭を下支えしている主婦パートの苦境を無視したときに起きる、この社会の危機とは?その危機を避けるための処方箋とはなにか?主婦パートという「見えざる存在」に初めて光を当てる警告の書。
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