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本と音楽とねこと

私たちにはことばが必要だ

イ・ミンギョン(すんみ・小山内園子訳),2018,私たちにはことばが必要だ──フェミニストは黙らない,タバブックス.(11.11.2021)

 ミソジニー(女性嫌悪)やセクシズムに対抗すべく書かれた、実践の書。
 殴られる側、暴行される側、殺される側、いつそうした立場におかれるかわからない恐怖に怯える者への想像力がはたらかない者に、これ以上消耗されなくていい、そんな思いが全編から伝わってくる内容だ。

あなたには、自分を守る義務がある。自分を守ることは、口をひらき、声を上げることからはじまる-
2016年にソウル・江南駅で起きた女性刺殺事件をきっかけに、韓国社会で可視化され始めた女性嫌悪、性差別の問題。本書は差別問題を語る時、女性にこれ以上の苦痛や我慢を強いることを防ぐべく企画された日常会話のマニュアル書です。
著者は外国語大学で通訳・翻訳を学ぶ、韓国のフェミニスト。江南駅殺人事件を風化させないために9日間で書き上げ、SNSで仲間を集い、出版社を立ち上げて本書を発行、韓国フェミニズムムーブメントの勢いを表す話題の本です。日本でもジェンダー関連のニュースが絶えないなか、フェミニズムテーマの小説、翻訳書の刊行が続いており、これまでになく女性問題への関心が高まっている今、お隣の国、韓国の状況にもぜひご注目ください。

目次
日本の読者のみなさんへ イ・ミンギョン
はじめに
I. セクシストに出会ったら 基礎編
0.あなたには答える義務がない―話すのを決めるのはあなた
1.心をしっかり持とう―差別は存在している
2.「私のスタンス」からはっきりさせよう―フェミニストか、セクシストか
3.「相手のスタンス」を理解しよう―セクシストか、フェミニストか
4.断固たる態度は必要だ―あなたを侵害するものにNOを
5.あなたのために用意した答え―何もかも「女性嫌悪」!
6.効果がいまひとつの言い返し―セクシストに逆効果な対応とは
II. セクシストにダメ出しする 実践編
7.あなたには答える義務がない、再び―きっぱり会話を終わらせる方法
8.それでも会話をつづけるのなら―誤解している相手との会話法
9.いよいよ対話をはじめるなら―あなたを尊重しはじめた相手との会話法
10.話してこそ言葉は増える―練習コーナー
11.ここまでイヤイヤ読んできた人のためのFAQ

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