それにしても、どうして、サバイバーである当事者が書いた本は、かくも人の心を打つのだろうか。虐待や暴力で亡くなった人の記録には、気分を滅入らせられるだけだが、サバイバー自身による記録は、読む者の生存への意志をかきたてる不思議な力を秘めている。
ところで、文化相対主義者は、本書で生々しく描かれている「名誉の殺人」を前にしても、なおその説を曲げないのだろうか。
一九七〇年代後半、中東シスヨルダンの小さな村で、ある少女が生きながら火あぶりにされた……恋をして、性交渉を持ったために。重度の火傷を負いながら奇跡的に生き延びた彼女は、本名を明かすことも素顔をさらすこともないまま、この知られざる事実を証言することを決意した。残された命のすべてを賭けて。―これは、遠い過去の話でも、フィクションでもない。今なお虐待と死の危険にさらされている女性たちの、衝撃のノンフィクション!文庫化にあたり、書き下ろし特別原稿「日本の読者のみなさんへ」収録。
(「BOOK」データベース)
スアド氏2004年来日時のインタビュー
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