著者の遺作となった一冊だが、「あまり消費しない」、「自宅と周辺で暮らす」、「近代的な価値観よりもいにしえの文化を重視する」といった若者世代の特徴が、調査データにもとづいてわかりやすく明示されている。
若年男性の「草食化」傾向がはっきりと消費パターンや価値意識にみてとれる、この点も興味深かった。
若者たちが、「ブランド品の消費による差異化」(笑)、「科学技術の発展による経済成長」、「憲法遵守による平和の維持」といった近代の価値からすでに離反しており、カネのかからないコミュニケーションによる充足を志向していることは、注目すべき動向だろう。
目次
第1章 車離れに見る若者たちの価値観
第2章 若年男子は酒よりスイーツへ
第3章 後退する「ハレの消費」と「巣ごもり」傾向
第4章 増えていくのは貯金だけ
第5章 恋愛市場の危機
第6章 縮小する性差―男前オンナvsオトメン
第7章 「平成成人」はクールな調整型
第8章 個の溶解と、浮上する共振型の喜び
第9章 近代からの離脱と伝統文化への回帰
終章 社会と経済の変化にどう対応するか
現代の若者は車やお酒を必要とせず、ブランド品やハイテク家電もいらない「欲しがらない」世代だ。各種統計調査やアンケート、ディープインタビューを通じて、既存の価値観・消費観を持たない若者の実像を徹底解剖する。
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n_akemi
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