アメリカ合衆国、ボストンのイタリア人コミュニティ、「コーナーヴィル」をフィールドとした、優れたエスノグラフィーの古典として読みつがれてきた本書であるが、スラムが、すぐれてオーガナイズされた、社会解体とはほど遠いコミュニティであることを実証した点でも重要な作品である。
社会解体論の主論者、ルイ・ワースとホワイトとの確執も詳しく知ることができて、その点も興味深い。
著者の手により1993年に出された増補改訂第4版の完訳。都市エスノグラフィーの古典として揺るぎない評価を得、50年にわたって読みつがれてきた「本編」はもとより、大幅に増補改訂された「アペンディクス」は、社会調査・参与観察の方法論ノートとして、大いなる示唆に富む。社会学・都市人類学を学ぶ人びとすべての必読の書。
目次
序 論 コーナーヴィルとその住民
第1部 小物たち:街かどのコーナー・ボーイズとカレッジ・ボーイズ
第1章 ドックとその子分たち
第2章 チックとイタリア・コミュニティ・クラブ
第3章 社会構造と社会移動
第2部 大物たち:ヤクザの顔役たちと政治家たち
第4章 ヤクザの活動の社会構造
第5章 コーナーヴィルS&Aクラブにおけるヤクザの顔役
第6章 政治と社会構造
第3部 むすび
アペンディクス
A 『ストリート・コーナー・ソサエティ』のその後の展開過程
B ホワイトが一匹の負け犬に与えた衝撃力
C 参考文献一覧
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