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本と音楽とねこと

完本 春の城

石牟礼道子,2017,完本 春の城,藤原書店.(12.31.2021)

 読む者のこころを震わせる、珠玉の長編小説。
 自然と一体となって生きる、純朴で、優しく、また剛毅な天草、島原の人々。幼子、年寄りも含めて、原城にて虐殺された人々、それぞれの人物造形がすばらしい。
 天草、島原の風土、人々の生活、そして信仰のありようが、あたかも自らの眼で見てきたかのように、美しい言葉で綴られている。
 「原城跡」には一度行ったことがあるが、再び訪れる機会があれば、本書で描かれた人々の、覚悟の死と、つかの間に成立していたであろうコミューンを偲びつつ、散策してみたい。

天草生まれの著者が、十数年かけた徹底した取材調査ののち完成させた、天草・島原の乱を描いた最高傑作「春の城」。取材紀行文「草の道」、多彩な執筆陣による解説、地図、年表、登場人物紹介、系図、関係図を附した完全版!

目次
草の道
「草の道」関連地図
遠き声
天草・東向寺
春の城
早崎の瀬戸
赤い舟
丘の上の樹
召命
菜種雲
御影
神笛
狼火
夕光の桜
炎上
解説
私たちの春の城はどこにあるのか?
驚くべき、ふつうの人たちの話
犬も人もそれ以外もみんな悲しかったけれども
『春の城』のコスモロジー

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