顔に負った腫瘍、アザ、火傷、あるいは「無毛」は、究極のスティグマと言えるだろうが、当事者たちがそれとどう立ち向かっていったのか、たいへん興味深かった。
本書の出版前に自殺した、「脱毛症」当事者の阿部更織さんの話は、けっこう胸に刺さった。
この本に登場する9人は、顔に手術や治療で治すことのできない、アザや病気、ヤケドを負っている。彼らは、ただ見た目が“普通と違う”というだけで、人から好奇な視線を向けられてしまう。彼らを取りまく環境は、とても厳しいものだ。学校での生活、就職、恋愛など。私たちが、当たり前のように経験するさまざまな出来事でも、彼らはイジメに遭ったり差別を受けている。そんな辛い現実に苦しみ、考えながら、必死に向き合ってきた彼ら。彼らが進んできた道には、力強く前を向かせてくれた、光のような存在があった。
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