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【古典】オリエンタリズム【再読】

エドワード・W・サイード(今沢紀子訳),1993,オリエンタリズム 上・下,平凡社.

 西洋人により、自己を内省する能力、資質をもたず、野蛮で、性欲だけは旺盛な「他者」として描かれ続けてきた東洋の人びと。
 サイードの批判は、あらゆる人種、民族差別への批判的省察に開かれている。
 20世紀前半期、日本は、台湾、朝鮮、中国を、啓蒙すべき「オリエント」としてみなし、実際に植民地化した。
 「オリエンタリズム」の視点から近現代史をふりかえると、新たな気付きが生まれてくるだろう。

ヨーロッパのオリエントに対するものの見方・考え方に連綿と受け継がれてきた思考様式――その構造と機能を分析するとともに、厳しく批判した問題提起の書。解説=杉田英明


目次
第1章 オリエンタリズムの領域
東洋人を知る
心象地理とその諸表象―オリエントのオリエント化
プロジェクト
危機
第2章 オリエンタリズムの構成と再構成
再設定された境界線・再定義された問題・世俗化された宗教
シルヴェストル・ド・サシとエルネスト・ルナン―合理主義的人類学と文献学実験室
オリエント存住とオリエントに関する学識―語彙記述と想像力とが必要とするもの
巡礼者と巡礼行―イギリス人とフランス人


目次
第3章 今日のオリエンタリズム
潜在的オリエンタリズムと顕在的オリエンタリズム
様式、専門知識、ヴィジョン―オリエンタリズムの世俗性
現代英仏オリエンタリズムの最盛期
最新の局面
オリエンタリズム再考

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