酵素生活~リバースエイジングの秘訣~

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『「食」を変えるだけで病気が逃げ出す!~「ミネラルバランス」がキーワード~』

2018-05-07 08:17:16 | 「病気になりたくない人」はこうしなさい!
第1章 「食」を変えるだけで病気が逃げ出す!
「ミネラルバランス」がキーワード

【わずかな量の欠乏で生命の危機を招く】

ここまで、私たちの健康、ひいては楽しく安心して生活するために、食事がいかに重要かをお話ししてきました。
そして、見落としがちなビタミンやミネラルの大切さも十分にご理解いただけたと思います。

では、ビタミンはまだ何となくなじみがあるとしても、「ミネラル」とはどういうものなのでしょうか。
健康な生活を考えるうえで非常に重要な物質ですので、ここでもう少し詳しく説明しましょう。

人間の体のあらゆるものを作る基本の単位を「元素」といいます。
五大栄養素のうち「炭水化物」「脂肪」「たんぱく質」「ビタミン」は「酸素」「炭素」「水素」「窒素」という4つの元素からできています。
一方、「ミネラル」はそれ自体で単独の元素です。

なんと、人間の体の96%はこの4つの元素からできていて、残りのたった4%が「ミネラル」なのです。
そんなわずかな量にもかかわらず、ミネラルの働きは多岐にわたり、食物の消化、吸収、老廃物の排出、エネルギー生産のほか、体内の体液量や酸・アルカリ度の調整、筋肉や神経機能の調節、さまざまな物質の合成など、ありとあらゆる代謝に深くかかわっています。

ですから、ミネラルはわずかな量でも不足すると体の機能を維持したり、調節したりできなくなってしまうのです。

たとえば「マグネシウム」というミネラルがあります。
筋肉の弛緩を促したり、体温や血圧を調整する働きをする重要なミネラルです。
このマグネシウムが不足すると、震えや虚脱感、けいれんなど、心身にさまざまなトラブルをもたらします。
さらに、不足した状態が続くと、慢性の疲労や高血圧、動脈硬化が生じ、突然死のような取り返しのつかない事態までも招いてしまいます。

このように、私たちの体に4%しかないミネラルは、残りの96%が正常であるために不可欠なものです。
毎日の食事でせっせとビタミンやたんぱく質を摂っていても、ミネラルが不足したままでは、それらが無駄になってしまうということです。

では、そもそも、このミネラルにはどのような種類があるのでしょうか。

私たちの体で欠かすことのできないミネラルを「必須ミネラル」と呼びます。
この必須ミネラルには、カルシウム、リン、カリウム、硫黄、ナトリウム、マグネシウム、亜鉛、銅、ヨウ素、セレンなど約20種類あります。
これらのミネラルのなかには、1日に必要な量がμg(100万分の1g)という非常に小さな単位にもかかわらず、不足すると生命活動に支障をきたすものもあります。

【私たちの健康に不可欠な「4つの働き」とは】

では次に、このミネラルがどういった働きをするのか見てみましょう。
大きく分けるとミネラルには4つの働きがあります。
ここで、それぞれの働きについて簡単に説明します。

第1は「体の組織の成分になる」という働きです。

たんぱく質は骨や筋肉、酵素や神経伝達物質などの成分になり、脂肪はホルモンや細胞膜などの材料として必要ですが、ミネラルもまた、体のさまざまな組織や物質の成分として欠くことのできないものなのです。

たとえば、「カルシウム」や「リン」は骨や歯の主な構成成分です。
「鉄」は赤血球(ヘモグロビン)の材料になります。
発育や代謝の調節に欠かせないホルモンである甲状腺ホルモンは、コンブなどの海藻類に多く含まれる「ヨウ素」が材料になっています。

このように、私たちの体のさまざまな組織の構成成分として、ミネラルは大事な材料となっているのです。

第2の働きは「体液の浸透圧の保持」です。

私たちの体は約60兆個の細胞で構成されています。
この細胞の内側と外側には体液があり、それぞれ細胞内液と細胞外液といいます。

細胞は血液や血漿などを含んだ細胞外液に浸っている状態にあります。
この細胞外液と細胞内液を隔てる細胞膜は、血液を通して送られてきた栄養を吸収したり、細胞内でいらなくなった老廃物などを排出したりする働きを担っています。

ミネラルの働きを説明するうえでキーワードのひとつとなるのが「浸透圧」です。
あまり聞きなれない言葉ですが、浸透圧とは細胞膜で隔てられた濃度の異なる2種類の液体の間で、濃度の低い方から高い方へ水が移動する力のことをいいます。

浸透圧のバランスがうまくとれていないと、細胞内の体液が増えてしまったり、あるいは減ってしまったりします。
そうすると、血圧が上昇したり、むくみが起きるなどの原因になります。
ミネラルは、そのバランスが崩れてしまわないように、浸透圧の調整に大切な役割を担っているのです。

細胞外液と細胞内液の浸透圧を主に調整するのは、細胞外液に多く含まれる「ナトリウム」と細胞内液に多く含まれる「カリウム」の濃度です。
ナトリウムを摂りすぎて細胞外液の濃度が高くなると、血液が増えて血管に圧力がかかり、血圧の上昇などが起こりやすくなります。
逆にカリウムの量が増えれば細胞内液が増え、血圧が安定するように働きます。

このようにミネラルは、体液が細胞の内側と外側で適切な量を保つために必要なものなのです。

【生命力のカギとなる酵素を助ける】

第3にミネラルは「酵素の働きに必要なもの」ということです。

私たちの体は、生命を維持していくためのエネルギーを作ったり、体の材料や成分を合成したりと、さまざまな化学反応を繰り返しています。
「酵素」とは、この化学反応の一連のプロセス、つまり「代謝」を行うために欠かせないものです。
その酵素の合成や活性になくてはならない物質がミネラルなのです。
ミネラルと酵素の関係がどれほど重要であるか、いくつかの例を紹介しましょう。

体内で行われる約300種類もの酵素反応にかかわっているのが「マグネシウム」です。
「亜鉛」もまた、200種類以上もの酵素反応に必要なミネラルです。
なかでも重要なのは、「たんぱく質の合成」にかかわっているということです。
たんぱく質の合成は全身の細胞で行われている最も基本的な作業であり、亜鉛が不足すると肌の状態が悪くなったり、傷の治りが悪くなったりします。
このほか「銅」や「セレン」も酵素の働きに深くかかわっています。
銅を必要とする酵素は15種類ほどあり、造血や骨、血管の代謝などを担っています。
鉄をヘモグロビンに組み込むためにも銅が必要です。
また、銅は皮膚や血管の弾力性を保つために必要なコラーゲンやエラスチンを合成する働きもあります。

このように、生命を維持するための化学反応に酵素はなくてはならないものです。
酵素がどれだけ正常に働いているかが、生命力や体力を決定付けるといっても過言ではありません。
そして、酵素がもつ力を十分に発揮するための鍵となるのが、ミネラルなのです。

最後の4番目の働きが「ビタミンの働きを助ける」というものです。
たとえば「亜鉛」はビタミンA、「リン」はナイアシンの吸収を助けます。
ビタミンB群の多くは、マグネシウムがないと働くことができません。

このほかにも、ミネラルなしではうまく機能しないものもたくさんあります。
むしろ、ミネラルがかかわらない生命活動など存在しません。
ここであげるのは一部ですが、白血球の働きを助ける、体液や血液を弱アルカリ性に保つ、消化液の分泌を助ける、筋肉の収縮弛緩を円滑にする、体内の老廃物の除去を助ける、神経の刺激伝達をよくするといった働きの中核を担っているのです。

ミネラルがどんなに大切なものか、おわかりいただけたでしょうか。
私たちの体を構成する元素のたった4%しかありませんが、私たちが健康に生きていくためには欠かすことができないものなのです。

さらに強調しておきたいことは、ミネラルはビタミン同様、体内で合成できないということです。
私たちは毎日の食事でミネラルをちゃんと補わなければならないのです。
また、ただ補うだけでは不十分です。
ミネラルはビタミンよりも相互の関係性が強く、体内で正しく働くためには摂取する時点で適切なバランス(比率)が保たれている必要があります。

あなた自身、そしてあなたの大切な家族の食事を、もう一度振り返ってみてください。
私たちの体にとって重要なこのミネラルが、ほとんど含まれないものばかり食べていませんか。
もしそんな食生活をしているのでしたら、あなた自身、ひいてはあなたの大切な人たちの健康を徐々に蝕んでしまうことになります。

ミネラルごとに、その働きや摂取の目安もわかるように、図表にして巻末にまとめています。
(※山田式・主な必須ミネラル早見表)
ぜひ、毎日の食事に活用してください。

【※山田式・主な必須ミネラル早見表】

【摂取目安の記号説明】
◎=特に摂るように心がける
○=不足しがちなので、摂るように心がける
△=不足してはいけないが、過剰になりやすいので摂りすぎには注意する

★主な含有食材
★摂取目安
★主な機能
★注意点・備考

《カルシウム》
★豆類・豆製品、海藻類、緑黄色野菜、小魚
★〇
★*骨や歯の成分になる
 *筋肉の収縮を促す
 *細胞の情報伝達に関与する
 *精神を安定させる
★*マグネシウムとのバランスが大切
 *一般的に牛乳・乳製品に多く含まれるとされているが、牛乳・乳製品からの摂取は避ける

《マグネシウム》
★豆類・豆製品、海藻類、玄米、青菜類
★◎
★*体温や血圧を調節する
 *筋肉の収縮をゆるめる
 *細胞のエネルギー蓄積・消費を助ける
★*カルシウムとのバランスが大切
 *甘いものの食べすぎ、発汗、ストレスで消耗しやすい

《ナトリウム》
★味噌、しょうゆ、塩
★△
★*細胞外液の量と浸透圧を調節する
 *体液のアルカリ性を保つ
★*カリウムとのバランスが大切
 *過剰摂取に注意
 *精製塩ではなく、ミネラルたっぷりの天然塩がおすすめ

《カリウム》
★キノコ類、海藻類、野菜類・イモ類、豆類・豆製品、玄米・穀類
★〇
★*細胞内液の量と浸透圧を調節する
 *エネルギー代謝を助ける
 *脳卒中予防
 *血圧値の低下
★*ナトリウムとのバランスが大切
 *あらゆる食品(特に新鮮な野菜、果物、イモ類、肉類)に含まれているが、肉類からの摂取は控える
 *不足すると筋力が低下する

《銅》
★豆類・豆製品、カキ(貝)、エビ
★〇
★*血管の代謝・造血を助ける
 *コレステロール・糖の代謝を助ける
 *骨強度を高める
★*亜鉛とのバランスが大切
 *鉄の働きを助け、鉄の吸収を促す
 *レバーに多く含まれているが、利用する場合は安全に飼育されたものに限る

《亜鉛》
★豆類・豆製品、海藻類、カキ(貝)
★◎
★*解毒作用
 *たんぱく質の合成を助ける
 *脳の機能を助ける
 *性機能を助ける
★*銅とのバランスが大切
 *砂糖やアルコールの摂りすぎで消耗しやすい
 *不足すると味覚障害になることもある

《鉄》
★シジミ・アサリ、プルーン(乾燥したもの)、青菜類、ヒジキ
★〇
★*酸素を運搬する
 *赤血球を生成する
★*特に女性は鉄欠乏性貧血になる場合があるので、不足しないように
 *レバーに多く含まれているが、利用する場合は安全に飼育されたものに限る
 *過剰摂取は活性酸素を生み出す原因となるので注意

《マンガン》
★玄米、豆類、サツマイモ
★〇
★*骨や歯の成分になる
 *炭水化物、脂質の代謝を助ける
★一般的に肉類に多く含まれるとされているが、肉類からの摂取は控える

《クロム》
★野菜類、玄米、魚類
★〇
★正常な糖代謝、脂質代謝を保持する
★*肥満予防・糖尿病予防には大切
 *一般的に肉類に多く含まれるとされているが、肉類からの摂取は控える

《バナジウム》
★海藻類、ゴマ、アサリ、ホタテ
★〇
★*脂質、コレステロールの代謝を助ける
 *血糖値を下げる
★糖尿病予防が期待される

《モリブデン》
★豆類・豆製品、玄米
★〇
★*尿酸の代謝を助け、痛風予防
 *鉄の利用を高める
★レバーに多く含まれているが、利用する場合は安全に飼育されたものに限る

《ヨウ素》
★海藻類、貝類
★〇
★発育や新陳代謝に欠かせない甲状腺ホルモンの成分となる
★*海藻類を滅多に摂らない人は特に気をつける
 *海藻の健康食品などによる過剰摂取にも注意

《リン》
★魚、豆類、玄米
★△
★*骨や歯の成分になる
 *エネルギー代謝を助ける
★*食品添加物に広く使われているため、摂取過多になる場合がある
 *肉や卵に多く含まれているが、これらの食品からの摂取は控える

《セレン》
★ワカサギ、イワシ、タマネギ、ニンニク、玄米
★◎
★*抗酸化作用で細胞の酸化を防ぐ
 *解毒作用
 *がん予防
★老化を抑制する

※ここで紹介するミネラルの多くは、欠乏症、過剰症を引き起こす可能性があるため、極端な不足、摂取は避けるようにしてください。
また、サプリメント等の補助食品からの摂取は、過剰になる場合があります。
ラベルに表示されている摂取量を参考にしましょう。
※あくまでも目安なので、治療中の方、持病のある方、乳幼児、妊婦の方などは医師や薬剤師と相談のうえ、摂取するようにしてください。


山田豊文先生 著
『「病気になりたくない人」はこうしなさい!』 より抜粋
*杏林予防医学研究所所長
各界の一流アスリートも実践!
体と脳を蘇らせる「予防医学」の専門家