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「医療崩壊」という言葉の本質は

2020-12-07 21:46:00 | COVID-19
 COVID-19の感染拡大にともなって、「医療崩壊」という言葉を耳にすることが多くなりました。これは、患者の立場に立つと、「安心して必要な診療を受けられない」ということでしょう。
 ワクチン接種の政策は異様な速さで推進されています。しかし、患者、特に重症者向けの医療体制の整備はあまりにも遅れていないでしょうか。そもそもコロナウイルスは普通の風邪のウイルスですので、冬季に流行するのは当然予想できたことです。「命を守る」ために優先的に考えるべきことを怠っていたのではと思います。
 この問題の背景には医療費抑制政策とその理由づけに使われている財政難の問題もあると考えられます。この点についてはまた考察するつもりです。
 もうひとつ気になるのは、「医療崩壊」を防ぐためと称して、感染者を増やさないようにしようとする発想です。医師会や行政機関は「うつらない、うつさない」をスローガンにしています。しかし、このスローガンは「病気になるのは悪いこと」であるかのようなメッセージを伝えてしまわないでしょうか。感染者への非難や差別の背景要因になるおそれもあります。
 個々人が自覚的に感染対策をするのは確かに大切でしょう。しかしそれも、「もし感染しても安心して診療を受けられる」という医療体制が前提としてあるべきではと思います。


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