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処感

日々、想うままに綴る言の葉の置き場
My dear Life!

*…六月『見えない配達夫』…*

2005-06-13 05:08:23 | エッセイ

 

 

 

*…六月『見えない配達夫』…*


どこかに美しい村はないか

一日の仕事の終わりには一杯の黒麦酒

鍬をたてかけ 籠を置き

男も女も大きなジョッキを傾ける


どこかに美しい街はないか

食べられる実をつけた街路樹が

どこまでも続き すみれいろした夕暮れは

若者のやさしいさざめきで満ち満ちる


どこかに美しい人と人との力はないか

同じ時代をともに生きる

したしさとおかしさとそうして怒りが

鋭い力となって たちあらわれる

 〔茨木のりこ〕

 

今年も6月がやって来た。

この詩を処感に書かずには居られない。

美しくしみじみとした情景が

この詩を読む度

心の中に広がり迫って来る。

本物の詩人が編み出した

傑作はこのように語り継がれ

世代を超えておそらく

心ある人が居る限り

何度も取り出され

思い出され

人の心を励まし、そして、打つことだろう。

 


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