慰問集団仙台てっぱ会 えれぞう団長のブログ

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復活

2011-08-21 22:13:48 | Weblog

僕の事を昔から知っている知人に言わせると、一番“えれぞうらしくない”趣味である自転車。そりゃあ、長年バイク乗りの集団の親分みたいな事をやっていた頃の俺を知っている連中からみれば相当奇異に思うんであろうが、好きなモンは好きなんだから仕方がない。まー、好きとはいってもピチピチのウェアーを着てヘルメットを被り空力抵抗の低そうなサングラスをかけてシャカシャカと猛スピードで走る方々と違って、距離はそこそこ走ってもマイペースで目的地に着いたら温泉に浸かって帰りは電車で一杯やりながら帰る…などという健康なんだか不健康なんだか本人でも判断つきかねるようなことが好きなだけなのであるので、自転車も“クロスバイク”と呼ばれるロードレーサーとマウンテンバイクの中間のような、まさに健康なのか不健康なのか判別しにくい僕のような輩が乗り回すには手ごろなモデルを2台所有している。写真の奥に写っているのが中長距離を走るのに使用しているそれなりに知られているメーカーのクロスバイク(そんなに高いモデルじゃないけど)で、手前にあるのが買い物や駅に行ったりするのに使っている某大型スポーツ用品店のオリジナルブランドの安価なクロスバイク。どちらも気に入って愛用していたのだが、手前の自転車は4ヶ月以上使えなかった。実はこの自転車、3月11日の津波で海中に没したのである。かいつまんで説明すると、震災前に職業訓練校にこの自転車で通所していたいたのだが、3月9日の夕方が土砂降り雨で、帰りはクラスメイトの車に乗せられて自宅に帰り、翌10日に自転車を積んで帰るため車で学校に行ったが自転車のワイヤーロックを自転車置き場のポールに絡めて施錠していたにもかかわらず肝心の鍵を忘れてしまい持ち帰ることができなかった。そのことを友人に話すと『じゃあ、明日の朝に家に迎えにいってあげるよ』と大変ありがたい申し出を受け、3月11日の朝は友人の車に自転車の鍵を持って乗り込んだ。そこへあの津波。全員の車が行方不明になったにも関わらず、僕の自転車は前述の通りワイヤーロックが自転車置き場のポールに絡めてあったので流されることなく残っていた訳である。当然海水に16時間以上浸かっていたのだが、なにしろ震災後は水が出なかったので洗うことも出来ずに放置。その1ヵ月後に全部のワイヤーとシフトレバーが腐ってしまいギアチェンジどころかブレーキすら動かなくなった。ところが通所していた職業訓練校の設備の被害が甚大で閉所。志半ばで路頭に迷い無収入になってしまい修理も出来ない。それ以前に購入したスポーツ洋品店も津波で被災し(現在も)休業中。でも最近、短期間ながら収入の見込みがついたので多少遠いが別の店舗に持ち込み修理を依頼。久しぶりの復活となったわけです。

まぁ、どうでもいいようなハナシです。でもなぜ、そんなどうでもいいような事を長々と書き綴ったのかと申しますと、僕の家は津波被災地域に隣接しています。でも一見は日常生活を送っているように見えることでしょう。実際、この自転車のハナシにしてもたいした事ではありませんし。でも、こんなたいしたことがないハナシの一つや二つ、この震災の被災地域に住むものであれば誰しもがあるでしょう。問題は“たいしたことがない被害の基準”です。当たり前の事ですが僕の自転車がどうなろうとニュースになるようなことはありません。言い換えればマスコミが見向きもしないようなことは“たいした事がない”と言える訳です。僕の家から近隣の駅まで徒歩25分。津波が来たエリアではありませんが、その間に倒壊しかけた家や取り壊した家が10件近くありました。これは僕の周囲に限ったことではありません。先日、3月11日に震度7を記録した内陸部に住む友人と久しぶりに電話で話しましたが『街中でたくさんの家が倒壊したけど、ボランティアの援助もないしマスコミにも取り上げられない。こっちの被害だって相当なもんなのに津波が来ないってだけで忘れ去られてる』と怒ってました。

マスコミってのは、自転車が壊れるのも家が倒壊するのも結果的に似たような扱いなんですねぇ…

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http://sendaiteppakai.jimdo.com/
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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
チャリ (きゃら)
2011-08-24 19:53:32
おぉー

お帰りなさい自転車君


お世話になった、あの自転車だね。復活して良かったぁー


わたしゃ忘れないよー
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