端と底を行き来するRPG

そのとき、きっと誰かの中心blog。
アーカイブにある作品は人事を尽くした盛者必衰の入れ替え制。

師匠(ヴァン)

2007-02-06 10:19:52 | 自己終結
「…相変わらず、花いじりかよ、ペール」
「おぉ…、ルーク様。いい天気ですね」
「まぁな、いつもいつもいつも同じだけどな」
「あまり変わらないように見えるでしょうが、よいものですよ。
 ルーク様を癒すことが出来ればいいと思います」

使用人ペール。
いつも花いじりしている老人だ。
ペールに話しかけると、父上はいい顔をしない。
”付き合う人間を選びなさい”の一点張り。
はいはい、分かったよ。

屋敷をふらふらと目的もなく歩く。
歩き慣れた廊下で、メイドに声を掛けられた。
客人が来ているという。
げ、ナタリアだったら今日はパスだな。
玄関まで行くと、その客人はいなかった。
不思議に思っているとラムダスが歩み寄ってきた。
ラムダスは、父上付きの執事で、俺をいつまで経っても「おぼっちゃま」と呼ぶ。

「おぼっちゃま、ヴァン・グランツ謡将がお見えになっております」
「師匠が?今日は稽古の日じゃないぜ?」
「何やら急ぎの用とかで、今、旦那様と話しておいでです。
 お部屋でお待ち下さい」

んだよ、客が来てるって言うから、わざわざ来てみりゃ待ってろ?
うっぜぇー。
外に出たくても、白光騎士団が邪魔しやがるしラムダスも見ている。
大人しく部屋に戻ることにした。

しっかし、ヴァン師匠が来るなんて!
何の用かは知んねぇーけど、稽古つけてくれんのかな!
ああ!もう楽しみでしょうがねぇ!
「おーい、百面相!そろそろ気付いてくんねぇか」
「ガイ…か」
私室の窓からガイは入室していた。
いつものことだが。
「大丈夫か、また例の頭痛か?」
「さっききた。けど、今の違うぞ」
「なおさらに心配だよ。…最近頻繁だな」
「ああ!ヴァン師匠が頻繁に来てくれるようになって嬉しいったらねぇ!」
「それじゃない!頭痛の方だ」
「ああ…」
「ものすごくつまらなそうだな」
ぜんっぜん、面白いことじゃねぇからな。
マルクトの野郎を思い出さなきゃいけないし。
あー、また腹立ってきた。
「そろそろ旦那様のところへ行け。その緩みきった顔、直してから行けよ」
「はいはい」
部屋をもの凄い勢いで出ていったルークをガイは静かに見送る。
そして、小さい声で言った。
誰にも聞こえない、本当に小さな独り言。

「ヴァンが絶対に善人だなんて…保証はないだろうに…」

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あれ…、ヴァンのことに全然触れてないぞ?
というか、お題もここに来てスピードアップ。
このお題のあとセブンスフォニムだって!
いきなりか!
剣術稽古とか続かないの!?
ゲーム本編に絡んだ瞬間字数が倍以上に…。
正直者め!!
本編を交えつつ、オリジナルを加えるのが楽しいので。
ルークの微量過ぎる優しさを付け加えられたらと思っています。

1 コメント

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華麗なるガイ様。 (黒兎)
2007-02-21 00:26:37
手を加えるオリジナル万歳!

ペールとか超懐かしかー!
ダブルルークの悪夢を思い出すね!(何

ルークの部屋の窓はガイ様専用出入り口!(何
ちょっと色々勘繰ってそうなガイ様萌え。
目の笑ってない笑顔で呟いてそうだと思った・・・v

をを、本当に速いね!
ファイトだぜ!
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