端と底を行き来するRPG

そのとき、きっと誰かの中心blog。
アーカイブにある作品は人事を尽くした盛者必衰の入れ替え制。

幸せなんて迷信だ

2011-12-15 00:00:00 | テキスト(よろず)
やっと勤務が終わって。
首のストレッチやら手首のクールダウンやら。
コンビニの肉まんやらコーヒーやらの購入に忙しい頃。
決まって21時付近。
あいつは。
『女』と駅改札口の柱に寄りかかっている。

リア充爆発してしまえ

今日はあんぱんが入ったビニールを片手に改札付近を通過。
あいつは『白い女』と一緒にいた。
服装から肌の色まで全てが白い。
微笑む顔は奴を好いていることを表現している。
こっちは毎日毎日「相棒」が違うというのに。
これを不平等だと訴えず、何を訴えようか。
奴はと言うと目が死んだままだ。
爆発してしまえ。

別の日の21時。
奴は相変わらず『白い女』と向かい合っている。
俺はと言うと、焼き鳥が入ったビニールを持っていた。
これにビールでも飲んでさっさと寝てしまおう。
戯れに集めたワインはまた違うときに飲もう。
荒んだ気持ちで飲むには惜しい。

「君は帰れ」
「でも……」
「いいから!」

飲もう、高級なのを片っ端から。

別の日の21時。
上司から注意を受けた。
『生気を持った目をしろ』だと?
元からこの目だ。
他にも生気のない目をした奴はいるじゃないか。
死んだ目で恋人を見るやつは、俺と同等なはずだ。
何であいつに彼女がいるんだ、俺にはいないのに。
そうだ、俺にいないのにあいつにいるなんてあり得ない。
あってはいけない。
今日も奴は駅改札口の柱に寄りかかっていた。
いつもの『白い女』も一緒だ。
ゆっくりと近付く。

「やぁ」
「?」
「今日は違う女の子なんですね」

さぁ、修羅場になってしまえ。
ビンタか?蔑むか?
どちらにせよ、お前は終わりだ。

「ああ、今日はプライベートだからね」
「昨日は舞弥さんと食事だったのよね?」
「打ち合わせを兼ねてね」

あれ?
肯定しちゃうの?
え、公認なの?

「そうそう、セイバーが怒っていたわ。
 ボディーガードしづらいから別れないで欲しいって」
「またそういうことを…」
「あ、あの……」
「僕の警護と君の警護を同時にする必要はないんだよ。
 あくまで、君の警護として雇ったんだ」
「でも…!!」
「アイリスフィール!こちらでしたか!」

乱入してきたのは、黒スーツの金髪女。
髪を後ろで一本に結んで男装のようにしている。
まさかとは思うが、彼女がボディーガード?
待て待て、なんだかこんがらがってきたぞ。

「セイバーか」
「マスターも。ケータイの電源は入れておいていただきたい」
「あら、入ってない?」

もしもーし。
あ、やべ、泣きたくなってきた。
なんで、お前、この状況で死んだ目してんだよ!
いつ輝くんだよ!!

「……わかった、こうしよう。
 舞弥と合流して食事をしながら打ち合わせ、でどうだ?」
「まぁ嬉しい!」
「警護しやすくて助かりますよ」

あー、ここで野郎を足払いかけて腰を踏みつけて。
白い女に鳩尾パンチ入れたら、気持ちいいんだろうなぁ。
悔しくなんかない、悔しく…なん…か…。
滅びろ、マジで。

「『彼女』と会うのも久しぶりだわ」

うわあああああああああ!!!

男、衛宮切嗣は走り去っていく男を見送った。
走り去っていく男は背筋をぴん、と伸ばして両手は握り拳で横に。
完璧な駆け足のスタイルである。
なにやら泣いていたようだが、初対面であるはずの彼が泣く理由がわからない。

「知り合いですか?」
「あんな目の死んだ奴、知り合いにいない」

なんだ、その目は。
……鏡でもみたらいかがですか、目の前にいますよ。

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アニメ8話の綺礼の走り方と。
アイリスフィールと舞弥に対するあまりにも非道な振る舞いに。
これは書かねばなるまいな!と。

実話をもとに書き起こしたものです。(ぇ

改札前でほぼ毎日18時にいちゃついてる高校生カップルがおりましてね。
「あ、今日、違う子なんだ?」とか言えたらなぁ、とすれ違っております。


綺礼の「相棒」とは、夕飯もしくは酒のつまみのことです。
酒にはこだわってて、英雄王が認めるくらいいい趣味しているのは公式です。

白い女、ボディーガード女、同僚も女のハーレム状態に泣ける。
修羅場になると思ったのに、しれっとしていて、しかも本当のことで。
このあと合流するという。
切嗣にしてみれば「どうして知ってる?」って感じです。
嘘から出たまことですわ。

>野郎を足払いかけて腰を踏みつけて。
>白い女に鳩尾パンチ

原作で本当にやったことです。
野郎は「舞弥」に、鳩尾パンチは「腹貫通の刺傷」ですけどね。
ひどいね!

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