端と底を行き来するRPG

そのとき、きっと誰かの中心blog。
アーカイブにある作品は人事を尽くした盛者必衰の入れ替え制。

MUSIC HOUR12

2010-04-03 10:00:00 | ワンピース
海を一緒に見るようになった。
俺が好きな昼間と彼が好きな夜と。
その中間の明け方に。

ミュージック・アワー

「なぁ、どうして俺だったんだ?」
「えー?」
「夜の海に行くのは一人じゃなかったのか?」
「あー、それはな。
 お前が俺を『歌手サンジ』じゃなくて。
 『人間サンジ』として接してくれたから。
 だから誘ったんだよ」
「ただ単に知らなかっただけだぞ」
「それでも、俺の歌、好きだって言ってくれた。
 俺には十分すぎる理由だね」
「ふぅん?」
「そっちこそ、どうして俺の誘いに乗ったんだ?」
「…寂しそうにしてたから」
「寂しそう?」
「周りが盛り上がると、お前、寂しそうにしてたから。
 放っておけなかったんだ」
「お優しいこって」
「お前、ロビンに感謝しろよ。
 定着しそうになったマイナスイメージを払拭したのは彼女だぞ」
「分かってるって。
 自殺未遂したアーティストなんてイメージがついたら。
 もう、俺が歌えなくなっちゃうもんな」
「歌えなくなったら悲しむ人間がいること忘れんなよ」
「うん、もう、大丈夫だ」
「おぅ」

砂浜から腰を上げて、砂を払う。
出勤の時間まで時間がない。
移動しようとしてサンジが俺の方を振り向く。

「海の家、そろそろ終わるだろ?
 仕事どうすんの?」
「さぁなぁ、しばらく土方か、運送屋か」
「…なぁ」
「あー?」
「今、ライブスタッフ募集してんだけど」


「うん、いいよ、採用」
「おいっ」
「よろしくなー」

いい加減としか言いようのない人事。
いいのか?と頭がクラクラしていると、サンジが肩を叩いてきた。

「ルフィは気に入った奴しかああいう態度しないよ。
 相当のお気に入りだぞ」
「そりゃ、どうも」
「よっしゃ、俺も張り切りますかぁ!」

その夏、例年より騒々しい日々が続き。

「ゾロ!」
「おぅ」

名前を呼ぶようになったサンジを。
決して離さない、そう決めた。

***********************

やっと終わりました。
中身があるような、ないような。
何が書きたかったんだっけ?


・書き出したタイミングがタイミングだったために。
 FFⅩの要素が混ざってます。

・ゾロは何もないって言ったけど、こんないい仲間がいるじゃないって話。

・サンジが物足らないと思っていたのは、普通の人間関係。
 実際はルフィもロビンもサンジを支えていた。

・サンジが夜の海に行くのは、一人になりたかったから。

・ゾロが昼間の海に行くのは、解放感が得られるから。

・そんな二人が「自分の」海に人を呼ぶ。

以上が概要でござる。
これくらいしか決めておらず。
しかも当初サンジの周りには「本当の友人」がいない予定だった。
それじゃあ、あまりにも可哀想ということでルフィ参上。
この男が冷たいわけないものな!!

お付き合いありがとうございました。
また、時間のあるときにお会いしましょう。
(2010.04)

コメントを投稿