端と底を行き来するRPG

そのとき、きっと誰かの中心blog。
アーカイブにある作品は人事を尽くした盛者必衰の入れ替え制。

決定的な出来事6

2007-05-16 11:21:02 | ポケモン系
「だーかーらー、うまくやれって言ってるだろ!?」
「うっせ、火を抑えるのって大変なんだぞ!
 これでも、調整してるの!」
「これがか!? 爆発して、木、吹き飛んでるじゃんか!」

デューイとチェットの関係は相変わらずだった。
いや、崩壊しかけたのを、彼らは修復したのである。
お互いのことをよく知るきっかけとなったあの出来事は。
彼らをより深いところで結びつける結果となった。
そして、もうひとつ得たものがあった。

「やってるな、カミツキ。
 なんだ、あの攻撃はまぐれだったのか?」
「大きい炎以外だったら制御できるよ!!
 あんたこそ、剣の鍛錬したら?」
「早朝にやるのが常でな! とっくに終わってんだよ!
 お前と一緒にするな」
「おやつの時間が気になって、勝負に集中できなかったくせに!」
「ザングス、言われてますねぇ」
「お前、なんでいつもトドメさすんだ!!」

あれ以来、なぜか、ザングス、「アラン」と仲良くなった。
アラン、ていうのはザングスのそばで鋭いツッコミを入れていた白い人だ。
名前を初めて聞いたのは、ザングス一派との抗争から一夜明けたとき。
居所がなんとなく悪くて、一人で森へ出かけると。
やあ、と声をかけられたのだ。
びくっ、と本当に足が地面から浮いて、思わずデューイを呼びそうになった。
今日は話に来たんだ、という言葉を聴いてやっと声の方向を見た。
そこには、ザングスと一緒にいた、あの白い人が立っていた。

『昨日はどうも。 僕らの負けだよ、戦意喪失ってやつだ。
 それで、僕がここにきたのはね、個人的興味だから。
 ザングスは関係ないよ、今はおやつを食べて、意識は遠くへ飛んでる』
『え、えと・・・』
『本題へ行こう。
 君、あの時、「すなかけ」をしたろう?
 僕の見込み違いでなければ、「風」を待っていたね?』
『ええ、そうです・・・』
『やはり、そうか。
 見方によっては間合いを詰めたザングスにまぐれ当たりしたとも考えられたのでね』
『相手が何をしてくるかは全く分からなかったし、 実力差ははっきりしていた。
 一刻も早く逃げるのが得策だと思いました。
 あの時の位置はすなかけの効果範囲ギリギリで。
 けれど、このあたりはよく風が北に向かって吹きます。
 それと併せて、すなかけをすれば当たると考えたんです。』
『素晴らしい、その知識はどこで?』
『本、です』
『本だけで? へぇ、度胸は潜在していたものってわけか』
『???』
『君の名前、聞いていいかい?』
『チェットです』
『チェット、君が戦う理由はなんだい?』
『・・・デューイと一緒に逃げるためです』
『なら、もっと経験を積むといい。
 今度は無傷で逃げられるようにするためにもね』
『あの!』
『なにかな?』
『あなたのことも教えてください、まず、名前から』
『あぁ、そうか。すまない。
 僕は、アラン。
 チームのポジションは参謀といったところかな。
 僕は、ザングスを傷つける輩は容赦なく排除する。
 君たちには殺気がなかったから動かなかったけど・・・ね』
『!!!??』
『また、会おう。
 今度は、四人でゆっくりとね』

あの据わった目は、それっきり見ていない。
けれど、この人も、僕と同じ。

「おやつ用意したから、食べようよー」
「やった!!」
「真っ先に反応するやつがありますか、ザングス」
「年考えろよなー」

きっと、今のこの時間を護りたいんだろうなと思う。

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な、長かった・・・。
おかしいなぁ、こんなに長くなる予定はなかったぞ。
擬人化するにあたり、結構気を使いました。

まず、参照ポケモンから。
チェット ・・・ ポチエナ
デューイ ・・・ ガーディ
タネ坊 ・・・ タネボー
ニドリィナ ・・・ ニドリーナ
ザングス ・・・ ザングース
アラン ・・・ アブソル

技は「ポケモンの不思議なダンジョン」を参照しています。
チェットは頻繁に技を使っていたのですが、分かりましたか?
分からなくてもいいです、自己満足なんで。
「アラン」の名前が出てこなくて、本当に困りました。
きっと彼は、チーム内で呼ばれていないんじゃないかと思いました。
いやぁ、和月先生ではありませんが。
「話に入れる隙がなかった」といいますか。
え、アランのポジション、斗貴子さん!?
そのうち「君と私は一心同体!!」とか言い出すんですか。(落ち着け

えー、ここまでお付き合いくださいましてありがとうございました。
擬人化でシナリオ書くのは無謀だと悟ったこの作品。
少しでも、「こいつら、青いな!!」と思っていただければ幸いです。

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