端と底を行き来するRPG

そのとき、きっと誰かの中心blog。
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退魔東海伝vol.3-01

2010-10-10 10:10:10 | ワンピース
厄介なことにそれは空を飛んでいた。

退魔東海伝

ナミがとってきた曰く「とびっきり厄介な依頼」。
厄介すぎてイライラするしかなかった。
まず第一に、相手は空を飛ぶ。
空を飛ぶ輩は、総じて身軽なため回避率がべらぼうに高い。
攻撃が当たらない、即ちストレスだ。
第二に、こちら側に空を飛ぶ手段がない。
退魔するためには相手を斬らねばならないが、それをするためには屋根を登るしかない。
だが、相手は自由が利き回避率が高い、ちくしょうめ。
第三に、これが面倒なこの上ない。
相手の領域がニューゲート邸を巻き込んでいること。
『ニューゲート』はこちらが自由に出入りしていい場所ではないため、お目付け役が同伴となる。
建物破壊はもちろんNG。
行動がある程度制限される、即ちプレッシャーだ。

「きちんと作戦立てねぇと無理だ、これ…」
「目付けはエースだっけ?頼めば協力してくれるな」
「エースかぁ…、う~ん」

ウソップが頭を捻ってプランを組み立てる。
厄介なことが多いこの案件だが、実行日は任意というのがせめてもの救いだ。
報酬もかなり破格。
依頼は、超極秘VIPということで以外分からない。
おそらくは『政府』絡みであろうとウソップは踏んでいる。

「ゾロ」
「……ん」

サンジが聞こえるか聞こえないかという声で話しかける。
ゾロの様子を不審に思ったからだ。
眉間の皺はいつものことだが。
ずっと片目を閉じたままなのはおかしい。

「目、どうした、左目だ」
「…視力が急激に落ちた、失明、かもしれねぇ」
「おいっ!」
「代償だ、仕方ねぇ」

ゾロとサンジには秘密があった。
ゾロには武神阿修羅の本体、サンジには阿修羅の左目が入っている。
そのおかげで、ゾロにはずば抜けた起動力、サンジには見えないものを具現化する能力が与えられている。
だが、ゾロから離れすぎたらサンジは死ぬ。
もちろん、本体であるゾロが死んでも死ぬ。
そしてサンジが『左目』を使えば、ゾロに何かしらの形で代償がくる。
今回のツケは、ベヒーモスのときのアレだ。

「だが、おかげでまたリミッター外れたぞ」
「…素直に喜べねぇなぁ」
「そう言うな、力をコントロール出来るにこしたことはねぇだろう?」
「まぁな」
「ひとり寂しいんだけど、戻ってきてくれるかなぁ~?」

ウソップがいじけている。
やれやれとサンジが腰をあげる。
茶ぁ飲むだろ、と聞くと。
飲む!あったり前だろう!と元気のいい返事が響いた。
現金な奴と思ったゾロも、くれ、と言うのだから。
事務所はある程度、平和である。

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ほいきた、「厄介な依頼」の話。
ストックがあまりないので、少々のろのろ更新になります。
ちなみに日付偽証。
もったいないじゃないか!!
11月11日だけは何が何でもあげるぞ!!
それが心意気。

力の解放。
モデルは幻想水滸伝の紋章あたりから。
サンジのリスクがあまりないかなぁとは思うけど。
ゾロが死ねば彼も死ぬので。
後々自分に返ってくると思うとリスクあるよね。
(2010/10某日)

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