「まずは、メンバーわけをしましょう」
「お前が仕切るな、お前が!」
シーモアはごく当たり前と言った風で、仕切り始めた。
こういう気質なのだろうか、心なしかウキウキとしている。
そして、告げる。
「私にはユウナ殿を守る義務があります。
ついでに、アーロン殿もね。
ですからここは、私とユウナど―――」
「シーモアが露払いし、俺たちがそれに続く。
俺の警護は、ティーダにワッカにリュックだ。
万一のことを考え、キマリとルールー、ユウナは別働隊とする。
質問は?」
「「「なーい」」」」
「ちょっと、待ってくれ!」
「では、出発しよう。
これには、和平がかかっている。
特に、ティーダ。 お前の行動次第で世界の転び方が変わるぞ」
「お、脅かすなよ!」
「本当の話だ」
「アーロン殿!!」
強引に会話に割り込んで、シーモアは必死にアプローチをかける。
自分には強力な魔法が使えるだとか、接近戦では使い物にならないだとか。
とにかく説得を試みた。
だが、答えは。
「お前は、主席総長だろう? それだけの実力があるならば、問題はない」
崩れ落ちるシーモアを放っておいて、一行はアクゼリュスを目指す。
と、そこに黒い影が躍り出た。
「ぐおっ!」とアーロンが呻き、一瞬のうちに連れ去れてしまった。
「アーロン!!」
叫んだときには、もう、遅い。
アーロンはすたこらと待ち合わせポイントα(以下α)に移動してしまった。
なんてこったい。
「あんだけ強かったら、逃げ出せそうだよね…」
「そうは言ってられないんだろ? ルー、お前、ちったぁ動揺しろよ」
「必ずしも”アニス”である必要はないわ。
それに、アーロン様なら絶対に大丈夫」
「連れ去られかたに無理あったもんな…」
「みんな! 助けに行こうよ!」
鶴の一言とはこのこと。
ユウナの願いとあらば、行こうではありませんか。
キマリはじっと後ろに視線を送って警戒しているようで。
話には参加しなかったが、異論はないとのことだった。
αは、バチカルのちょうど裏側。
行き先としては、少し遠回りだが行くしかない。
アーロンはそこで待っている。
ダラダラと移動しつつも、敵を沈めていき。
最後の番人にも魔法の連発で勝ってしまった。
開発者が聞いたら泣きそうだ。
そして、出入り口をくぐるといた。
アーロンである。
「アーロン!!」
いの一番に駆け寄ろうとティーダが走り出す。
メンバーの誰もがその反応に付いていけず、出遅れた。
だが、異変に気付く。
アーロンのそばに、誰かいる…!!
「ティーダ!!」
叫んだのは、誰だったのか。
その声を聞いたか聞かないかのその刹那。
目の前が煌めき、びゅっと風の切れる音。
無意識に体をひねり、ソレを避ける。
体勢を崩して、思わず地面に手を付きそうになるのをグッとこらえる。
すると、上から「へぇ…」と声がする。
何だ?と確かめようとすると、第二撃。
溜まらず、自分も剣を抜き払い、応戦する。
そして、相手の顔を見た。
「え…」
「ふっ!」
ティーダの剣を払い飛ばし、のど元に剣を突きつけた。
動けない。
アーロンのそばにいたもう一人の眼帯をした男が叫ぶ。
「そこまでにしとけって! 行くぞ、おら!」
「ティーダ!」
ユウナの声だ。
だが、なぜか遠く感じる。
目の前の顔が信じられない。
これは…俺?
「おい、いい加減にしろ!」
「…俺の名はシューイン、こいつはギップル。
また、会うこともあるだろう。 覚えておけ」
「ま、待てよ…」
声が震える。
待てよ、こいつ、誰だよ…。
「アーロンは返さん、俺たちにも都合がある」
離れていくシューインを追いかけることが出来ない。
衝撃が自分を動かすことを許さなかった。
「ぐ…」
吐き気が襲ってきた。
ぐるぐる視界が回る、世界が回る。
呆然と立ち尽くし、アーロンを乗せた敵の船が出港しても反応できなかった。
仲間が、特にリュックが必死に彼を覚醒させようとアイテムを取り出す。
むー、っと頬を膨らませて最後にヒザかっくん。
「うおっ」という声と共に、ようやく我に返らせることが出来た。
「…取り逃がした。 追う」
「俺に…考えさせてくれよ」
「大丈夫?」
「うん、たぶん…」
「あの方向だから、砂漠のほうだよね?」
「行きましょう、アーロン様がいないと戦闘に差し支えるわ。
あ、ティーダが決めるんだったわね」
ルールーの皮肉なんだか、天然なんだか微妙な台詞を機に。
みなの注目がティーダに集まる。
吐き気をこらえ、言葉をひねり出す。
「追うぞ…、アーロンがいなきゃ、和平も何もないからな…」
一方、その頃のシーモア。
「団体行動がしたかっただけなのに、この仕打ち!
キノック! 何か妙案を出せ!」
「それでしたらば、ごにょごにょごにょ」
「!!! 面白そうじゃないか」
「シナリオにもありますし、ご存分にどうぞ」
このシーモア。
かなり活き活きしてるのは、たぶん、気のせいじゃないな。
「お前が仕切るな、お前が!」
シーモアはごく当たり前と言った風で、仕切り始めた。
こういう気質なのだろうか、心なしかウキウキとしている。
そして、告げる。
「私にはユウナ殿を守る義務があります。
ついでに、アーロン殿もね。
ですからここは、私とユウナど―――」
「シーモアが露払いし、俺たちがそれに続く。
俺の警護は、ティーダにワッカにリュックだ。
万一のことを考え、キマリとルールー、ユウナは別働隊とする。
質問は?」
「「「なーい」」」」
「ちょっと、待ってくれ!」
「では、出発しよう。
これには、和平がかかっている。
特に、ティーダ。 お前の行動次第で世界の転び方が変わるぞ」
「お、脅かすなよ!」
「本当の話だ」
「アーロン殿!!」
強引に会話に割り込んで、シーモアは必死にアプローチをかける。
自分には強力な魔法が使えるだとか、接近戦では使い物にならないだとか。
とにかく説得を試みた。
だが、答えは。
「お前は、主席総長だろう? それだけの実力があるならば、問題はない」
崩れ落ちるシーモアを放っておいて、一行はアクゼリュスを目指す。
と、そこに黒い影が躍り出た。
「ぐおっ!」とアーロンが呻き、一瞬のうちに連れ去れてしまった。
「アーロン!!」
叫んだときには、もう、遅い。
アーロンはすたこらと待ち合わせポイントα(以下α)に移動してしまった。
なんてこったい。
「あんだけ強かったら、逃げ出せそうだよね…」
「そうは言ってられないんだろ? ルー、お前、ちったぁ動揺しろよ」
「必ずしも”アニス”である必要はないわ。
それに、アーロン様なら絶対に大丈夫」
「連れ去られかたに無理あったもんな…」
「みんな! 助けに行こうよ!」
鶴の一言とはこのこと。
ユウナの願いとあらば、行こうではありませんか。
キマリはじっと後ろに視線を送って警戒しているようで。
話には参加しなかったが、異論はないとのことだった。
αは、バチカルのちょうど裏側。
行き先としては、少し遠回りだが行くしかない。
アーロンはそこで待っている。
ダラダラと移動しつつも、敵を沈めていき。
最後の番人にも魔法の連発で勝ってしまった。
開発者が聞いたら泣きそうだ。
そして、出入り口をくぐるといた。
アーロンである。
「アーロン!!」
いの一番に駆け寄ろうとティーダが走り出す。
メンバーの誰もがその反応に付いていけず、出遅れた。
だが、異変に気付く。
アーロンのそばに、誰かいる…!!
「ティーダ!!」
叫んだのは、誰だったのか。
その声を聞いたか聞かないかのその刹那。
目の前が煌めき、びゅっと風の切れる音。
無意識に体をひねり、ソレを避ける。
体勢を崩して、思わず地面に手を付きそうになるのをグッとこらえる。
すると、上から「へぇ…」と声がする。
何だ?と確かめようとすると、第二撃。
溜まらず、自分も剣を抜き払い、応戦する。
そして、相手の顔を見た。
「え…」
「ふっ!」
ティーダの剣を払い飛ばし、のど元に剣を突きつけた。
動けない。
アーロンのそばにいたもう一人の眼帯をした男が叫ぶ。
「そこまでにしとけって! 行くぞ、おら!」
「ティーダ!」
ユウナの声だ。
だが、なぜか遠く感じる。
目の前の顔が信じられない。
これは…俺?
「おい、いい加減にしろ!」
「…俺の名はシューイン、こいつはギップル。
また、会うこともあるだろう。 覚えておけ」
「ま、待てよ…」
声が震える。
待てよ、こいつ、誰だよ…。
「アーロンは返さん、俺たちにも都合がある」
離れていくシューインを追いかけることが出来ない。
衝撃が自分を動かすことを許さなかった。
「ぐ…」
吐き気が襲ってきた。
ぐるぐる視界が回る、世界が回る。
呆然と立ち尽くし、アーロンを乗せた敵の船が出港しても反応できなかった。
仲間が、特にリュックが必死に彼を覚醒させようとアイテムを取り出す。
むー、っと頬を膨らませて最後にヒザかっくん。
「うおっ」という声と共に、ようやく我に返らせることが出来た。
「…取り逃がした。 追う」
「俺に…考えさせてくれよ」
「大丈夫?」
「うん、たぶん…」
「あの方向だから、砂漠のほうだよね?」
「行きましょう、アーロン様がいないと戦闘に差し支えるわ。
あ、ティーダが決めるんだったわね」
ルールーの皮肉なんだか、天然なんだか微妙な台詞を機に。
みなの注目がティーダに集まる。
吐き気をこらえ、言葉をひねり出す。
「追うぞ…、アーロンがいなきゃ、和平も何もないからな…」
一方、その頃のシーモア。
「団体行動がしたかっただけなのに、この仕打ち!
キノック! 何か妙案を出せ!」
「それでしたらば、ごにょごにょごにょ」
「!!! 面白そうじゃないか」
「シナリオにもありますし、ご存分にどうぞ」
このシーモア。
かなり活き活きしてるのは、たぶん、気のせいじゃないな。
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