ホット・コールドドリンク 陽

「38℃、完璧風邪」
「えぇ～？」
「今日は寝てろ。テオ様が帰ってくるまでには治せよ？」
「無理言うなよ…」
「あと3日ある。大丈夫だって」
「テッド…、今日、厳しくない？」
「いつもの通りさ」
「そう…？」


「…グレミオ？」
「ああ、起こしてしまいましたか。寝てていいですよ」
「僕…何だかんだで寝てたんだ」
「そのようですね。　坊ちゃん、本当はいけないんですけどね」
「？？？」
「風邪のときは暖かくしなきゃいけないのは分かってるんですけど。
　けど、ちょっとは冷たいものがほしいだろうと思って」
「…りんごジュース？」
「お好きでしたよね？」
「うん…」

「ああ、やっと笑ってくれた」
「グレミオ…？」
「坊ちゃんの笑顔がないと、この家は調子が出ないんです。
　みんなそわそわしちゃって。
　かくいう私もシチュー失敗しちゃいました」

「だから、風邪、治しちゃいましょう」

「うん」



グレミオからもらったりんごジュース。
冷たかったけど、とても暖かかった。