端と底を行き来するRPG

そのとき、きっと誰かの中心blog。
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退魔東海伝vol.5-03

2011-10-15 00:00:00 | ワンピース
助けてくれ。
目が焼ける、苦しい。
誰か、誰か。

「ナミさ…ん…」

退魔東海伝

「ぐ……っ」

視界に黒刀が入った。
受ける体勢がとれなかったので、膝を折ってそれをかわす。
息が苦しい。
阿修羅が暴れているのか。
こんなにも即効でくるとは思わなかった。

「足掻くな」
「は……っ、冗談」
「人間でないことは明白、貴様を滅すのもまた必然」

誰が決めた。
あぁ、そういえば自分も同じことしてたっけな……。
何という勝手な判断をしていたのだろうか。

「そこまで!」

凛とした声が響く。
声の方に何とか意識を向ける。
その場に仁王立ちして、両手を腰に当てている。
表情が無意識に緩む。
何、偉そうにしてるんだよ……。

「あたしの仲間に何してくれてんのよ!」
「妖魔は滅する、それが私の生業でな」
「『そいつ』があんたとの『約束』!!
 斬ったら、あんたが破ることになるんだからね!」

約束、の言葉に鷹の目が目を見張るのがわかった。
改めて俺の顔を見る。
俺の刀を認めると、また目を見張った。

「確かに……私が渡したものだな……」
「あ?」
「『約束を違える』の?」

ナミは勝ち誇った顔をした。
鷹の目も苦虫を潰したような顔をした。
雰囲気は逆転した。

「まさか、妖魔を使役するとは……」
「それは違う!」

また違う声が響く。
すっと、胸騒ぎが治まる。
サンジか……。

「そいつは人間で『ソレ』は俺のせいだ。
 取り込まれそうになった俺をかばったんだ」
「言ったわよね、この刀で人助けをしてみろって。
 ご希望通り、退魔の刀で封じてみせたわ」

おつりで力を使って退魔業やってるけどね、とあっさりと言う。
そういう刀だったのか。
ますます渋い顔をする鷹の目をナミは睨みつける。

「ここはニューゲートの縄張りよ。彼に任せたらいいじゃない」
「そうはいかん、麦わらが入り込んだのだ。
 滅さねば、この街が滅ぶ」
「聞きづてならねぇなぁ、おい……」

通路が一気に暗くなる。
どしんと重い振動。
傍にはエースが見えた。
この男がもしや……。

「俺の息子を滅すたぁ、どういう了見だ?
 このニューゲートに張り合おうってぇなら、真正面からきやがれ」
「親父っ!これはルフィの問題だから!」
「やかましい、息子のてめぇの弟だ。
 つまり、俺の身内だ、手出しはさせねぇ」

ニューゲートが凄みを効かせた。
『親父は怖い』
なかなかに不吉な言葉を思い出した。

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登場ニューゲート&ナミさん。
お前ら、いつ来た…。
一気に来いよ、なんで段階踏んでくるんだ…!!
そういう演出だからです、すみません(ぇ

ニューゲートが出張ってきたのは。
そわそわとこの間からエースが落ち着かなかったからです。
で、問い詰められて白状してしまったのです。
敬愛する親父を誤魔化すために嘘つくのは嫌だったんでしょう。

ナミさん。
以前言ってた約束は「人助けをする」って単純なものです。
手始めに「退魔の刀やるから助けてみろ」とでも言ったのでしょう。
鷹の目、ナミを侮ってたんですねー。
まだ退魔の刀を使ってないと思ってた。
だけど、とっくに使ってて、ついでに退魔業なんてやってた。
苦虫潰すよねー。

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