端と底を行き来するRPG

そのとき、きっと誰かの中心blog。
アーカイブにある作品は人事を尽くした盛者必衰の入れ替え制。

退魔東海伝vol.5-04

2011-10-16 00:00:00 | ワンピース
「ふるえろ」

握り込んだ拳を「横」へ。
大気がひび割れ、周囲が震える。
とっさに体を抱え込む。
その体をさらに抱え込む存在に。
なぜかひどく安心した。

退魔東海伝

「ぬぅ……」

相手は堪えきれず、思わず膝をついた。
その瞬間を逃すまいと巨体が槍をなぎ払う。
黒刀を立てて、刃を受けるがそれだけだ。
鷹の目は弾くこともままならず、目に見えて押されている。

「ゾロ、もう離れろ。大丈夫だから」
「すまん、個人的な都合で無理だ」
「アァ!?」

ニューゲートに当てられて、活発になっているようで。
ゾロの中はひどく不安定になっていた。
吐き気もあるし、体も熱い。
何より戦いたがっている。
それだけは、ゾロが断固拒否したいことだ。
サンジには申し訳ないが、少々抱き枕になってもらう。

「ゾロ、落ち着いたら加勢して」
「了解」
「ナミさん、華麗にスルーしないで!!」
「我慢よ、我慢」

しれっと言うナミに置いて行かれる。
野郎同士が密着してる状況を見ても動揺しないのは、素敵だが。
今は不都合すぎる。

「サンジ」
「…んだよ」
「フォローしろ、鷹の目を追い払う」
「どうやってだよ」
「言葉通りって奴だ、頼むぜ」

離れていく体。
見送る背中には恐れなどなく。
ああ、あの時、庇ってくれた背中だ。
痛みで見るどころじゃなかったけど。

「お前に用はない」
「俺にはある」

地面に叩きつけたニューゲートの拳を中心に衝撃が広がる。
鷹の目はそれを避けるために飛ぶ。
そこを狙ってゾロが同じように飛び追撃する。
しかし、あっさりと剣で防がれてしまう。

「ちっ!」
「ぬ、復活したか」

剣で受けてからこの反応だ。
無意識で、不意打ちに反応するのだからたまらない。
圧倒的なバトルセンス。
ゾロがニューゲートの横に並び立つ。

「お前、こっち側だったのか?」
「どっちでもない」
「あいつは人間なんだぜ、信じられるか?」
「生きてる人間は何より怖ぇよ」
「グラグラグラ、違いない」

もう一回やる、圧せ。

どちらともなく呟いた。

********************

だんだん収拾がつかなくなってきた。
でも、頑張るよ!

「ふるえろ」は「震えろ」であり「奮えろ」なのです。
鼓舞しているんですね、親父。

サンジがゾロに抱き込まれて安心しているのは。
阿修羅のパーツが揃ったことによります。
だから、安心しているのは「阿修羅」です。

忘れがちなのですが。
ゾロの持っている退魔の刀は「命あるもの」には傷一つつけられません。
よって、今使用している刀は自前のモノになります。
全然言ってなかったから、自分でも忘れてた(ぇ

コメントを投稿