健康診断の予定をすっかり忘れていた私は、いつものようにとてつもなく大きなパンツを身につけたままです。体重測定で服を脱ぎなさいと言われるかとひやひやしていたのですが、それを乗り越えることができたので、かなり油断していたのです。実際に健康になったのかというと、実感はないのですが、しめつけがない状態というのは、非常にストレスの軽減にもなり、快適に毎日を過ごしていました。そんなある日、職場で健康診断がありました。あまり身だしなみや服装などに気をつけるタイプではないのですが、さすがにこのデカパンはないぞ、と非常に焦りました。
まあ、そんなにたいした問題でもないな、と思ってトイレに立った時に、大変なことに気付きました。健康診断は午前と午後のふたつのグループに分かれて行われることになっていましたので、お昼休みをはさむ午後のグループになれば、コンビニででもましなパンツを買って、急場をしのげる!と一縷の望みをたくしていたのですが、あいにく望みは叶わず、きっちり午前のグループに加えられてしまいました。その昔、何かの健康番組で、「パンツをはかない方が健康にいい」という健康法が放映されていて、しばらく私も実行していたことがあります。健康診断は、服を脱ぐ必要がある、ということです。私もばか正直に、その健康法をうのみにして、「これも女性の健康の知恵だ」とばかりに妊婦さんがはくような大きなパンツを身につけていました。
幸か不幸か、私はパートのおばちゃんに挟まれて検査を受けることになり、周りのひともみなデカパンという状況に加わることができ、いくらか恥ずかしさを半減させることができました。健康維持のための健康診断であやうく健康を阻害されるところだったのです。その番組では、下着をつけないという健康法の他にも、下着をつけるならおへそがすっぽり入る大きなパンツを履きましょうということも提唱されていました。いまでもあの日の恥ずかしかった健康診断での気持ちを忘れることができず、デカパン健康法を続けることは不可能となったのでした。
健康診査が始まり、身長、体重、視力検査、聴力測定と衣服をきたままでも大丈夫な検査が次々とおわっていきました。しかし、あまりにどきどきしたせいか、健康診断の結果はあまり思わしくありませんでした。あまり予定をきちんと確認しないタイプの私は、もちろんそんな大切なことをすっかり忘れていました。ところが、心電図、胸のレントゲンの順番がやってきて、ついにデカパンが周囲の目にさらされることになってしまいました。
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