世界樹5 アップルパイのお話

世界樹5の二人旅(予定)
某所でやっていたお話の続き、というわけではなく平行世界的なあれで攻略していくのです

第44話 竜

2016-09-28 20:37:49 | 日記
虹霓の晶洞 20F

「昨日は、びっくりしたよね…」

「ほんと。鎮守の樹海の1Fとか余裕でしょ
 って思ってたら、まさかリリとソロルまでいて
 撤退することになるとは思わないでしょ」


「準備とか、あんまりしてなかったけど、ね…」

「まあね。ピクニック気分だったのは確か」

「どっちにしても、『二つ名』持ちでもキツいような魔物が
 1Fにいる、ってのは問題だよね」


「うん」

「新人とか、衛兵とかが襲われたらえらいことだし
 下手したら街まで出てくるかもしれない。それは困る」


「で、でも、衛兵さんにも伝えたし、レムスさんにも、伝えたし」

「また。今のミッションが終わったら、何か声かかるかも、ね」




「と、雑談はそれくらいにして。ネサ」

「…うん。あれ、やっぱり。あの子、だね」


その先に立つ「謎の少女」


「こ、こんにち、は」

「さ。今度はどんな話をしてもらえるのかな」

謎の少女
「よくここまで来たものだ…」


「なんとか、ね」

謎の少女
「……」
二人を改めて見、言葉を続ける


謎の少女
「この先に。この階層を支配している水晶竜がいる」


「やっぱりそうなんだ」

謎の少女
「かの竜を打破せねば、これより上層へ登る事は不可能」

「だが恐るな。君たちの勇気こそが、先へ進むための力になるのだから」


謎の少女
「君たちが勝ち抜き、世界樹の頂きを目指すことを信じているぞ」


言うと、またも少女の姿は幻のように消えていく


「ま、まって!あなたは、一体…」

「無駄だよ。もう居ない」



「…あの話し方
 あの子、まるで『誰かに世界樹の頂きを踏破して欲しい』
 みたいだった…?」


「応援してるような…」

「でも、退くことを許さないような。言い方でもあった」

「…」

「臆するな?そんなのできるわけ無いでしょ。竜相手に」



「一度戻ろう。本当にここを突破するのか、しないのか
 やるとして、あたし達だけでいいのか、あたし達だけじゃなきゃいけないのか」


「…リリさんと、ソロルさん」

「ドラゴンまで来ると、生半可な腕じゃ死人が増えるだけ
 ま、共同戦線はるなら、あの2人だよね」



「さ、とりあえず一旦」

前のフロアに戻ろうと、転送水晶に触れる

「あ、まって、ふぃーあ」



「あれ?」

「転送、しない…?一方通行?」

「この部屋、水晶もう1個あるよ」

「あんなの、どうみても竜でしょ」

「ん。じゃあ、糸、だね。えっと…」



「…あ、あれ?」

「ネサ?」

「ちょ、ちょっとまってね」

「忘れた?ならあるよ?」

「や、そ、そうじゃなくて…」



「い、糸、不良品、だったかも?」

「3本持ってたよね?」

「うん」



「……やられた。やっぱあたしのもダメだ」

「え、え?」

「あの子の仕業…かどうかは分かんないけど
 ここ。転送効かないんだ。多分。そう言う、部屋」


「え…え???」



「つまり」

「つまり?」

「このまま竜に挑んで、打ち倒せ、ってさ」

「無理!むりむりむりむーりぃ!だよっ!?」

「どーしよ…ほんと
 こんな危険に飛び込む気、さらさらなかったのになぁ…」




フィーア。荷物を地面に置き、座る

「休憩しよ。時間はあるんだし。幸い、ここは安全だし」

「竜だよ!?竜、そんなの、そんなの…ぐずっ」泣き始める

「…こっちも泣きたくなってきた。はぁ」



「出発は、明日の朝ね
 それまでに、誰かここまで、たどり着いてくれないかなぁ…」





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



○ネサ  ルナリア 碧眼の兎《幻影》 LV48

・装備品 

パニアード+5  剣自体はどんどん新調。魔剣はその辺のデータを超越した何か
カラビニエール  要所の防御にのみ特化したプロテクター
ヴァンブレイス  特殊な金属を溶かし込んで作られたアームガード
ファングヘルム  という名のもちろん帽子


・スキル類
プレディクト   10 多数の敵相手にはやはりこれ
シルフィード   10 普通の剣で反撃する
カウンターブースト10 反撃は一度に2~3回
もたざるもの   10 
リベンジスラスト  5 魔剣

※捕食の針     ☆ 低命中4~6回攻撃




○フィーア アースラン 精霊魔術師《三属》 LV48

・装備品
アラートパクルス+5 振ると不思議な風切り音がする  
ファントムローブ   不気味な装飾を施した魔術師用ローブ
巨亀の甲掛      16Fの亀の甲羅を砕き、グリーブへと変えた
知恵のピアス     精霊を宿している


・初級スキル
ファイアボール  5 火の玉
アイシクルランス 5 氷の槍
ライトニング   5 雷

・上級スキル
コモンマジック  1 誰かに魔法にあわせ、精霊が力を貸す
エクスプロード  3 精霊魔術化したファイアーボール
アイスストリーム 3 精霊魔術化したアイシクルランス
サンダーブレイク 3 精霊魔術化したライトニング
コストカット  10 精霊の機嫌がいいときは魔力を消費しないらしい
マジックリーク 10 使った魔力の一部を周囲の仲間に伝播する

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


というわけで次回、竜。
これから挑むので2人だと無理って諦める可能性が

いずれにせよ、目標突破レベルは57と、あと10くらい余裕があるので
結構いけるのかなーって楽観してます



なお、雑魚戦は 全て逃げている

第43話 封印扉の向こう側

2016-09-27 19:49:10 | 日記
ジュネッタの宿 食堂

朝。まだ食堂は閑散としており
ネサとフィーアはジュネッタごはんを食べている。
向かい合い、4人掛けの机を広々と使っている。

リリ
「二人共~。おはよ~」


「あ、り、リリさん。おは、よう、ございます!」

「や。おはよ」

「ここで朝ごはん食べてるなんて、珍しいねぇ」

「休みの日はね。
 リリとソロルは、いつもここなんだ?」


ソロル
「ああ。というか、大抵の冒険者はそういうものだと思ってたが」


「自分たちで作るの、面倒だもんねぇ」


「お隣、お邪魔しまーす」
 ネサの隣に椅子を持って来きて座る


「あ、うん。詰める、ね」
 食器を寄せ、椅子を寄せ


「ソロルも。座ったら?」
 隣に視線を送り


「…なんか悪ぃな。邪魔だったら隣に移動するから言ってくれ」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「鍵、ねえ」

「覚えない?」

「私達、そのあたり行ってないんだよねぇ」

「だよな
 案外。『謎の少女』の落し物なんかじゃないのか?」


「あるかもね」



「どっちにしても、多分この街の冒険者のものじゃないってのは確かか」

「紋章の場所……行ってみる?」

「未到達エリアの発見、になるのかもしれないしね
 そうしよっか」


「今から?」

「まさか。さっきも言ったよね
 今日は『休み』なの。行くのは明後日」


「明日じゃないんだねぇ」

「今日と、明日は、お休みの曜日、なんだよ、ね?」

「へぇ。そんなの決めてるのか
 負担が増えたら休む、余裕があればいくらでも行く。そういうもんだと思ってたぜ」


「ネサは学院の生徒だからね
 その時の『休み』と同じルールにしてるの。
 あたしもそのほうが慣れてるから」


「そういうの良いなぁ。ねぇソロル、私達もそうしようよ~!」

「リリがそう言うなら。オレは構わないぜ。
 リリがいつ休もうが自由だ。オレはそれについていくだけだからな」


「やった~!ありがと~。
 じゃあ、アップルパイと同じ日にするねぇ!」
 

「ってことで、今日はお休み!一緒だね~!」
 と言って、隣のネサの手を取ってぶんぶんしてる


「あ、あ。うん。いっしょ、だね!」

「で。お休みの日って2人は何してるの!?」

「(あ、これ面倒なやつだ…)」

「え、とえと。部屋で、ゆっくりしたり
 お菓子作ったり…本読んだり…
 あと、フィーアが買い物に行く時たまについていったりとか…」


「そうなんだ~。良いなぁ~!」目キラキラ

「ネサ。今日買い物とか、セリクのところに取りに行くものあったよね」

「あ、うん。あとで、行くんだよ、ね?」

「リリと、ソロルと一緒に行ってきたら?
 …もちろん、二人がよければ、だけど」


「え?良いの!?もちろんおっけーだよー」

「ま、どうせセリクの店には行く予定だったしな
 いいんじゃないか?」


「え、え?フィーアは、どするの?」

「ちょっとね。やる事あるからパス
 ネサは、リリソロルと遊んでくるといいよ。せっかくの休みだし」


「…ん!」

「楽しみだな~!」ネサの腕ぶんぶんぶんぶん


「フィーア。すまねえな」

「何が?」

「リリが自分の事で楽しむ。
 なんての、多分初めてのことだし。
 誘ってもらえるのは、本当、有難いと思ってるよ」


「ソロルも大概でしょ」

「……確かにな。言葉もない」

「今日は、一人で部屋で静かにしたかったから
 ちょうど良かったんだよね」


「そういう事にしとくか」

「(本気でそうなんだけど)」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ネサ、リリ、ソロルの3人で大市に遊びに行きました。
遊びに行くなんてことがないリリ、ソロルと
基本的に誰とも話せないネサの3人なので買い物一つにも混迷の極み。

3人とも街での知名度は高く
最上位の冒険者でもある為、街人の反応は柔らかい

リリの提案で、市場で食べ物を色々買い込み
帰った後に宿でぷちパーティをしたとかしてないとか

ジュネッタさんは適当なので買ってきたご飯で勝手にパーティしてても気にしない
つまみ食いしに来ました

第42話 不思議な鍵

2016-09-26 23:19:12 | 日記
虹霓の晶洞 19F


「ひ、犬!こないでっ!」

「あそこまでいくと犬って言うか…
 いや、なんでもいいや!とりあえず、逃げよ!」


水晶の道を走り抜ける二人
その背後から双頭の巨大な犬が2匹、追いかけている



「く、さすがに、犬の走る速度だと追いつかれる、か」

「ふぃーあ!あれ!ワープ!」

「転送用の水晶!どこに飛ばされるかわかんないけど…
 よしっ!ネサ行くよ!」


「!」


逃げた先。18Fから散見される転送用水晶に触れ、転送する。
飛ばされた先は、狭い通路。


「…よし、逃げれた」

「世界樹の魔物は、住んでる部屋から出てこないんだよ、ね…」

「うん。だから、これでだいj」

背後から水晶の起動音

「嘘でしょ」

転送されてくるは、双頭の巨大な犬

「え、え、まだ、追いかけてくる、の!?」



「走って!!」

「ふぇ、走る、走る…!」


逃走、再開


走る


「はっ…はぁ…」

「フィーア、大丈夫?」

「犬とか、ネサとかと、一緒のペースで走らせるのは、無茶、でしょ…
 やばいもう、走れない」


「ま、まだくるよ!」

「…」


と、その時。

二人の足元から、地の底から。
「咆哮」が響いてきた。
地面が、壁が、天井が。咆哮に震える。
フロア全体にまで響くかと思う程の、咆哮


「な…!?」
 疲労に、足に力が入らない。震える大地に足を取られ、よろめく


「わ、わわ」
 それを受け止め、支え


「これは、まさか」
 ネサの手を解き、自分の足で立つ


「ふぃ、フィーア、見て。犬が…逃げてく」

「この咆哮に、怯えてる?」

「と、とりあえず、助かった、ね」

「ま、なんとかね
 …それより。今の」



「あ、あれって。やっぱり、あれだよ、ね」

「水晶竜」

「だよ、ね…」



「これさ」

「う、うん」

「ほんとに『竜』っぽい、ね。ドラゴン」

「幻獣の、だよ、ね」

「象と同じで、回避ルート見つける形になりそうだね
 初戦人間の成れの果てだったアンデッドキングとはさすがに格が」


「書物に、残るようなのだもんね…」

「ま、竜にもピンキリあるよね
 動物並の知能から、高次の存在まで。
 そのあたりまでは調べたいな。対策」


「うん。なんとか、なればいいけど」

「と。ひとまず、安全は確保したみたいだし
 セーフポイントになりそうな場所までいって野営しよっか」


「ん。そ、だね」


歩き始める。
と、フィーアのいた場所に何か、光るものが落ちている

「あ、フィーア。忘れ物」

「ん。何か落としてた?さっきよろめいたときとか、かな」

「よしょ…っと。えっと、カギ、かな」

見ると、不思議な紋章が描かれたカギが落ちている

「なにこれ。あたしのじゃないよ。ネサのじゃないの?」

「こんなの、持ってない、よ…?」

「だれかの忘れ物?」

「でも、こんなフロア」

「リリか、ソロルくらいだよね
 ここまで来てるギルド。あるとしたら」


「持って帰る?」

「うん」




「……なんか、あのカギに書いてる紋章
 どこかで、見たようなきがするんだけど
 なんだった、かな…」



1Fから稀に存在した『空かない扉』
そこには紋章が描かれている。その紋章こそがカギに描かれているものを一致している。

ネサが描いている地図にも、その旨走り書かれているのだが…。
それに気付くのはもう少し、先。


20Fへ


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○ネサ  ルナリア 碧眼の兎《幻影》 LV44

・装備品 

パニアード+5  剣自体はどんどん新調。魔剣はその辺のデータを超越した何か
カラビニエール  要所の防御にのみ特化したプロテクター
ヴァンブレイス  特殊な金属を溶かし込んで作られたアームガード
パヴィス     ヴァンブレイスと一体の小盾。強度が高く、点の攻撃に強い


・スキル類
プレディクト   10 多数の敵相手にはやはりこれ
シルフィード   10 普通の剣で反撃する
カウンターブースト10 反撃は一度に2~3回
もたざるもの   10 

※捕食の針     ☆ 低命中4~6回攻撃




○フィーア アースラン 精霊魔術師《三属》 LV44

・装備品
アラートパクルス+5 振ると不思議な風切り音がする  
ファントムローブ   不気味な装飾を施した魔術師用ローブ
巨亀の甲掛      16Fの亀の甲羅を砕き、グリーブへと変えた
知恵のピアス     精霊を宿している


・初級スキル
ファイアボール  5 火の玉
アイシクルランス 5 氷の槍
ライトニング   5 雷

・上級スキル
コモンマジック  1 リリの死霊爆発と同調させ、大爆発を起こす
エクスプロード  3 精霊魔術化したファイアーボール
アイスストリーム 3 精霊魔術化したアイシクルランス
サンダーブレイク 3 精霊魔術化したライトニング
コストカット  10 精霊の機嫌がいいときは魔力を消費しないらしい
マジックリーク 10 使った魔力の一部を周囲の仲間に伝播する

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第41話 謎の少女と水晶の竜

2016-09-24 23:30:21 | 日記
虹霓の晶洞 18F

「!?」

「え…?」



「今の、何が起こったの…?」

「見たことない水晶に触ったら、風景がいきなり変わった
 これは…幻覚?」


「で、でも、さっきまであった道、ほんとになさそう、だよ?」

「って事は…?」

「空間転移、とか?」

「いやいやいや、ネサならわかるでしょ
 空間転移とか、高位の魔術でしか出来ない事
 それも、大きな魔力と、詠唱が不可欠。
 こんな簡単に触っただけなんて…」


「そ、っか
 魔道具とか、そういうので、見た事あるから」


「使い捨てのものか、使用者の魔力を使うタイプなら、ね
 どうしたって魔力供給源に難があるし、それだって起動には短文詠唱が必要」


「……なんだけど」


「なんだけど?」

「この状況。どうやってもそれ以外考えられない、よねぇ…」

「あ、フィーア。そしたらこの、地図、どうしよっ、か」

「ああそうか。現在位置がわかればいいんだけど…」

「そ、だよね。そんなのでも、方法あるかな」

「そんな魔法あったっけ」

「ううん…」



「契約した精霊、って。主との位置関係とかわかるのかな」

「あ、魔術師だと、使い魔ならそういうの、わかるみたいだよ
 精神的にリンクしてるから、だって」


「精霊、あんまりそういうリンクみたいのないんだけど…
 やってみるかな」
 首に下げたネックレスを外し、ネサに渡す

「ネサ、ちょっとだけこれ持って。契約した精霊」


「ん、えと…どするの?」

「そのまま、水晶に触れて、転移するの
 で、ちょっとしたら戻ってくる」


「ん」

「そしたら、精霊に『さっきワープしたとき、あたしの場所わかった?』って聞いてみるからさ」

「わか、った」





「それにしてもこれ、凄いね
 この水晶持って帰ったら、ネサ学院の史上に残る発見だと思うんだけど
 ま、いいか。どうせ砕けなさそうだし」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ネサ。また、あの歌。聞こえる?」

「うん。…あっち!」歌がする方角を指差す

「よし。行ってみよ」


件の歌。確かに人間の、それも少女の歌声がする先へと進む
進む先には、少女の姿がある。

以前のように幻影のように消えるでもなく。少女はこちらへ視線を向ける。

??
「世界樹深くまで足を踏み入れし者よ
 汝らは迷い人か?
 それとも世界樹の伝説を追いここまで来た冒険者か?」



「あなたは誰?何者?なんでこんなとこにいるの?」

??
「問に答えよ」


「え、えと」

「……」思考 

硬く冷たい声でそう告げる
 そしてその目は、君たちの心を見透かすように鋭い


「うん。あなたの言う通り、あたし達は
 世界樹の伝説を解明するためにここまで来た、冒険者」


「ふ、ふぃー」
「(いいから)」

頷く


返事を聞くと、一瞬驚いた後
 嬉しそうな笑みを浮かべる


「…だとしたら、どうするの?」

??
「そうか…
 ならば気をつけて先に進むがいい。この水晶の樹海の上には
 恐ろしい水晶の竜が生息しているからな」


「あ、あのっ…ここより先に潜った冒険者なんて、まだ、いない、はずなのに」

「なんでそんなことを知ってーーーーー」

と、問い返そうとした時には、少女の姿はまたも煙のように消えてしまっている




「また消えた…」

「そ、それより。フィーア。水晶の竜、って」

「真偽はわからない、けど。居ると思ってた方が良さそうだね」


「一度。もどろ
 あの子の事もだし、竜についても。実在の調査とか
 いたとして排除するのか、回避するのかって判断もあると思う
 評議会に報告したほうが良さそうだね」


「ん」

「その前に
 ネサ、地図ちゃんとかけてる?
 かなり複雑なワープだったし、座標も精霊が適当だから
 方角くらいしかわかんなかったはずだけど」


「た、たぶん…」

「見せて」

「あ、ちょ、ちょっと、まって
 あってるか、確認、してないし、急いで描いたから、字が汚くて、その」


ネサの地図を奪い、見る
ざっくり座標を元にだが、ワープの相対関係等、つじつまはあっている
難易度が高い中、精度は高い

本人がいうように字が汚いという事はないが
地図自体が読みやすいとは言えず、注釈は必要そうだ


「……ん。ありがと。大丈夫そうだね
 結構難しい計算必要だったと思うんだけど
 そういうの流石だね
 …このままじゃ、評議会に提出は出来ないか
 帰ったら一緒に清書しよ」


「うん」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



○ネサ  ルナリア 碧眼の兎《幻影》 LV44

・装備品 

パニアード+5  剣自体はどんどん新調。魔剣はその辺のデータを超越した何か
カラビニエール  要所の防御にのみ特化したプロテクター
ヴァンブレイス  特殊な金属を溶かし込んで作られたアームガード
パヴィス     ヴァンブレイスと一体の小盾。強度が高く、点の攻撃に強い


・スキル類
プレディクト   10 多数の敵相手にはやはりこれ
シルフィード   10 普通の剣で反撃する
カウンターブースト10 反撃は一度に2~3回
もたざるもの   10 

※捕食の針     ☆ 低命中4~6回攻撃




○フィーア アースラン 精霊魔術師《三属》 LV44

・装備品
キングスロッド+5  アンデッドキングの杖を拾い、改良した
ファントムローブ   不気味な装飾を施した魔術師用ローブ
巨亀の甲掛      16Fの亀の甲羅を砕き、グリーブへと変えた
知恵のピアス     精霊を宿している


・初級スキル
ファイアボール  5 火の玉
アイシクルランス 5 氷の槍
ライトニング   5 雷

・上級スキル
コモンマジック  1 リリの死霊爆発と同調させ、大爆発を起こす
エクスプロード  3 精霊魔術化したファイアーボール
アイスストリーム 3 精霊魔術化したアイシクルランス
サンダーブレイク 3 精霊魔術化したライトニング
コストカット  10 精霊の機嫌がいいときは魔力を消費しないらしい
マジックリーク 10 使った魔力の一部を周囲の仲間に伝播する

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


第40話 4人

2016-09-22 13:58:21 | 日記
ジュネッタの宿 中庭

中庭にてアップルパイ、それにリリ、ソロルのあわせて4人が集まっている。
ネサはソロルに誘われ、模擬戦10本勝負中。
フィーアとリリはそれを眺めながら話をしている。


「・・・・・・って、事があったんだよね」

リリ
「そうなんだ。こっちは見たことないかなぁ?
 一度故郷と連絡とってたから、まだ4層もほとんど入ってないんだよねえ」


「で、あたしたちより長くここにいるリリに心当たりがないかなって思ってさ
 あ、これ。嫌いじゃなかったらどうぞ」アップルパイを切り分け、渡す


リリ
「え、いいの!?やったー!
 時々、すっごい美味しそうな匂いがするから、気になってたんだよ!」


「どうせ作りすぎちゃうから、作ってそうならいつでも顔見せてくれればお裾分けするよ。ネサが」


アップルパイをおすそ分けしている様子が視界の端に移る模擬戦組

「あ、あ、お、お口にあうか、わかんな―――ひぇっ!?」
ソロルの鎌が首筋に


ソロル
「ネサ。よそ見してんじゃねぇよ。模擬戦の真っ最中だろ!」


「ご、ごめん…なさい」

ソロル
「さ、続きだ。準備しな
 さっさと終わらせるぞ」




リリ
「頑張ってね、ソロル、ネサ~」


「と、話を戻そっか」

リリ
「4層に1人で、武装もせずに入れるような人?
 そんなのいるわけないよー
 4層に入れるギルド自体数えるくらいしかいないんだよ~?」


「そりゃそっか
 まして、普通は5人パーティくらいで潜るもの
 1人なんて、ねぇ…」


リリ
「よーっし!
 私達も、明日から4層探索しちゃおう!
 冒険者なんだもの、頑張ってお仕事しないとだよね!」



「…リリは。ソロルは、まだ冒険者のままなんだ?」

リリ
「当然だよ!」


「リリは、もう冒険者である必要はないし、故郷に帰るものだと思ってた」

リリ
「ちょっと前なら、そうだったかもしれないけど
 アンデッドキングを倒した時
 皆が私達を心配してくれて
 評議会も、私達の為にミッション発令までしてくれて
 帰ってきたら、みんな、みーんな喜んでくれて、お祭りまでしてくれて…」


「だから~。
 この街の人は私の家族みたいなものだし、
 この街はあたしの、第二の故郷なんだよ~。」



「そっか」

リリ
「ソロルが…
 『お前はもう自由なんだ。居たい場所にいて良いし、やりたいようにやればいい』
 って言ってくれなきゃ、故郷に帰ってたかも、だけどね」


「どうせ。小さい時から故郷離れてたんでしょ
 ならいいじゃない。指輪だけ返しとけばさ」


リリ
「うんうん。だからそうしたの!」





ソロル
「ふぅ…。終わったぜ」フィーア、リリのところまで歩いてくる


「~~~」地面で転がって息を整えている


「お疲れ様。アイオリスを代表するギルドは流石だね
 最初の1回だけネサ、あとは9タテでソロルの勝ち、か」


ソロル
「オレ達より到達階層深いお前らに言われてもな…
 『白銀の戦鬼』ってのが、普段の様子からじゃ想像つかなかったんでな
 挑ませてもらったんだが」


「拍子抜け?」

ソロル
「そんなんじゃねえよ。ただ…勿体無ぇ戦い方だし
 二つ名の由来がやっぱりわかんねぇんだよな…手を合わせてみても」


「ま、そうでしょ
 あの『二つ名』は、ネサが死霊かなんかに取り付かれて、人格変わってる時の話だし」


ソロル
「そうだったのか…なるほどな」


「で。どうだったの」

ソロル
「ん?ああ
 魔剣抜かれたら無理。
 有効時間が一瞬だけ、とはいえ
 防御出来ない、動きも見えない。ありゃどうしようもないな」

「ただ…
 テンパりすぎだし、素直すぎだし、魔剣に頼りすぎだ
 戦い始めると頭が真っ白になってるな
 フェイントも全部避けようとするし
 反撃も本能的に体が覚えたままに反撃してるだけ
 危なくなったら距離をとって魔法に頼ってる」

「中距離でこっちから無理に手を出さずプレッシャーかけて
 焦らせれば必ず魔法詠唱を始める。大体魔剣だな
 そこを叩けば終わり、だ」

「近距離ならオレじゃ勝てそうにないな
 詠唱が間に合う遠距離でも、同じようなもんか」


「だそうだよ、ネサ」

「で、でも、魔剣使わないと
 剣で戦ってても、絶対、負ける、から…」


「って、思い込んでるみたい
 ま、いい経験だったんじゃない
 ソロル、また一緒に練習して貰ってもいい?」


ソロル
「おう。構わないぜ。まともに斬り合えばネサが格上なんだ
 いい練習になるからな」




リリ
「よーし
 みんな、おやつにしよっか
 ソロルの分も、ネサの分も、ちゃんと切り分けてるからね~」


ソロル
「…遠慮…しても仕方ないか。遠慮するような仲でもないよな
 ありがたくいただくぜ」


「ネサも。いつまでも寝てないで。こっち来たら?」

「あ、あうん。行く。おやつにする、ね
 あ、そだ。お茶も、あるよ。そっちの、カバンだから、ちょっと、まってね」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



○ネサ  ルナリア 碧眼の兎《幻影》 LV44

・装備品 

パニアード+5  剣自体はどんどん新調。魔剣はその辺のデータを超越した何か
カラビニエール  要所の防御にのみ特化したプロテクター
ヴァンブレイス  特殊な金属を溶かし込んで作られたアームガード
パヴィス     ヴァンブレイスと一体の小盾。強度が高く、点の攻撃に強い


・スキル類
プレディクト   10 多数の敵相手にはやはりこれ
シルフィード   10 普通の剣で反撃する
カウンターブースト10 反撃は一度に2~3回
もたざるもの   10 

※捕食の針     ☆ 低命中4~6回攻撃




○フィーア アースラン 精霊魔術師《三属》 LV44

・装備品
キングスロッド+5  アンデッドキングの杖を拾い、改良した
ファントムローブ   不気味な装飾を施した魔術師用ローブ
巨亀の甲掛      16Fの亀の甲羅を砕き、グリーブへと変えた
知恵のピアス     精霊を宿している


・初級スキル
ファイアボール  5 火の玉
アイシクルランス 5 氷の槍
ライトニング   5 雷

・上級スキル
コモンマジック  1 リリの死霊爆発と同調させ、大爆発を起こす
エクスプロード  3 精霊魔術化したファイアーボール
アイスストリーム 3 精霊魔術化したアイシクルランス
サンダーブレイク 3 精霊魔術化したライトニング
コストカット  10 精霊の機嫌がいいときは魔力を消費しないらしい
マジックリーク 10 使った魔力の一部を周囲の仲間に伝播する

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


というわけでただの装備変更回
ネサの武器が、先日の残響蟲のFOE素材剣であり、非常に、非常に強い。

4層突破どころか5層中盤までは頼れそうな気配。
今回バスタードソードあるのかどうか
あっても下手したらそれのが弱いのでは説が不安なところ