世界樹5 アップルパイのお話

世界樹5の二人旅(予定)
某所でやっていたお話の続き、というわけではなく平行世界的なあれで攻略していくのです

第51話 ヴァーノン昆虫記

2017-01-03 17:20:24 | 日記
「…あ、あの」

ヴァーノン
「やあ、アップルパイ!
 久しぶりだね。今日は一人かい?」

「ん、と。今日は、依頼を探しに来ただけ、だから…
 そ、それで。その」


ヴァーノン
「その依頼書を持ってきた、ということは
 僕の依頼を受けてくれたんだね!ありがとう!」

「あ、うん。そう、なんですけど」
「早速依頼の内容について話させてくれ!」
 君たちの話によると、白黒模様のパンダアントという蟻が五階層にいるんだよね?
 で、君たちにお願いしたいのは
 そのパンダアントがどういった味の物を
 好むのかの調査なんだ!」

「え、えと…?」剣幕に押され後ずさる

「それを調べるために必要な物を渡しておこう」

2つのパンを受け取る。
一つはひどく甘そうなパン
一つは見るからに辛いパン

「これを、パンダアントに食べさせる、て事、ですか?」


「そう。それ調査に使うために僕が作った特製のパンさ!
調査の為に作ったものでね。
味付けはかなり極端だけど、味覚を試すにはこれくらいで丁度いいのさ」

「喜んで食べるのか、食べて拒否感を示すのか
それとも食べないのか、どういった反応を返すのか観察してきてほしいのさ」


「はぁ……なんか、どっちも凄い匂いしてる、よね」

「置くべき場所はそうだね…アリの巣なんかがあれば、そこに置くのが間違いないだろうね
 じゃあ、頼んだよ」





「戦わなくていいし、楽そうだし。お金も良いし
 フィーア喜んでくれるかな…?」





ジュネッタの宿


「楽そうなら、ネサ一人で行けそうだね」満面の笑顔

「え………いや、その、一人、はちょっと…あのあたり魔物」

「大丈夫大丈夫。虫に餌上げるだけでしょ。平気だって」

「………い、一緒に」

「…………」

「…………」

「…………仕方ないなぁ。もう
 自分で依頼探しに行けば良かった」






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円環ノ原生林 22F



「あった。あったよ、アリの巣!あれだよね!」

「かな。じゃ、このあたり見張っとくから。巣の方はネサ任せたよ」

「ん。うん」

「観察と報告書もね」

「が、がんばる」

「うん。出来るって知ってるから。頑張ってね」




パンダアントの巣前


「…巣の穴、おっきいな…。蟻っていっても、魔物だし、体も大きいもんね…」


「え、と。これを置けばいいんだよね。どっちがいいんだろ」




バックパックから2つのパンを取り出し、悩む。

「とりあえず、こっちから…」

見るからに甘いパンを設置し、離脱

「よし、これで。隠れて様子見、だね」


近くの茂みの中に身を隠し、できる限り気配を絶つことに専念する



すると、1匹のパンダアントが樹海の通路を歩いてくるのが確認できた
そしてそのパンダアントは巣の入り口の前に置かれたパンの存在に気が付き
立ち止まった


「……」

パンダアントは見慣れない物体の周囲をぐるぐると歩き回り、様子を伺う

「……!」


突然パンダアントはパンへとかぶりついたかと思うと一心不乱に食べ進めていく
気が付けば、パンはきれいに食べられてパンダアントの体の中へ消えてしまった

「……食べちゃった
 甘いものは好きなのかな?」







「よし。次はこの赤い方だね」


見るからに辛そうなパンを
バックパックから取り出し、巣の入り口近くへと置く

「今度はどう…かな?」


そして近くの茂みの中に身を隠し
できる限り気配を絶つ事に専念した


「……来たっ」


すると、一匹のパンダアントが樹海の通路を歩いてくるのが確認できた
そしてそのパンダアントは巣の入り口の前に置かれたパンの存在に気が付き
立ち止まった

「………」


パンダアントは見慣れない物体の周囲を
ぐるぐると歩き回り、様子を伺う。
興味はあるようだが、真っ赤に染まるそのパンをすぐに口にいれようとする気配はない
しばらくたっても、まだパンダアントは用意されたパンを食べようとはしない

「食べない、のかな…?
 んっと。もうちょっと見てたほうがいいよね。まだぐるぐる回ってるし
 いなくなるか、食べるかするまで観察してないと」




そうして観察を続けることしばらく

「食べた…!!」

ついにパンダアントが辛そうなパンを
口に含んだ
先ほどと同様、黙々と食べ進めていく

「辛いものでも食べる…と」めもめも

と、突然パンダアントの動きが止まる

「?」

かと思うと
その場で苦しむようにのたうちまわり始めた!

ジタバタともがき続け…
最終的には慌ててどこかへ行ってしまった

「いっちゃった。苦手なのかな、辛いの」






「って、感じだったよ」

「へー。そうなんだ。味覚はあるんだね」

「うん。好き嫌いもあるみたいだね
 辛いものが苦手なのか、このパンがすっごい辛いからダメなのか
 そのあたりはあるかもだけど」



「食べてみたら?」

「…?」

「まだあるよ。食べてみたらわかるんじゃないの?
 実感の伴った調査。って奴」


「……そ、そっか。そうかも。調査、だよね」

「ちょっと味見るくらいならそんな酷いことはないでしょ」

とはいうものの、その表面はまるで絵の具で塗ったかのように真っ赤な色をしている

「………実感の伴った調査。うん」




「ちょ、っとだけ」

パンの一部を千切り、ネサは大きく息を吸って吐いてをしばらくの間繰り返す


「っ!」

そして、深呼吸を一つしてから、赤すぎるパンを口の中へと放り込んだ

もぐもぐもぐ

「……どう?」

「ん、と。別に、そんな特……――!!??」

「ネサ?」

ネサの体の動きがぴたりと止まる
やがてネサから表情が消え
目の輝きがどこかへと失われていく

「―――――――――――――っ」

気付けばネサの顔は耳の先まで、口にしたパンのように真っ赤になっており
体中が汗まみれになってしまっていた

「ちょ、ちょっと。大丈夫?
 辛かったら面白いなとは思ったけどこれちょっと…」


ネサはうめき声を上げながら横になる
舌の上は剣山でも刺したかのように痛む
体の表面は熱いハズなのに
パンを食べてしまった胃の中は
冷えてきた錯覚すら覚えている

「仕方ない、ひとまず宿に戻って休ませよ。調査は終わってるみたいだし…
 ほら、ネサ手を握って
 …うわ、痙攣してる、急ご」





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ヴァーノン
「え!?まさか、アレを食べたのかい!?」


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○ネサ  ルナリア 碧眼の兎《幻影》 LV62

・装備品 

バスタードソード+5 母から貰った大切な剣。取り戻した
ポルカ        厚手の外套。金属鎧は最近使っていない
ヴァンブレイス    特殊な金属を溶かし込んで作られたアームガード
ファングヘルム    筋力増強魔術のかかった帽子。耳が隠れる(大事)


・スキル類
プレディクト   10 多数の敵相手にはやはりこれ
シルフィード   10 普通の剣で反撃する
カウンターブースト10 反撃は一度に2~3回
もたざるもの   10 
リベンジスラスト 10 魔剣



○フィーア アースラン 精霊魔術師《三属》 LV62

・装備品
ルーンワンド+5   魔法文字を描き、魔力効率を高めた
ナインティスリー   精霊によるオートガード
巨亀の甲掛      16Fの亀の甲羅を砕き、グリーブへと変えた
知恵のピアス     精霊を宿している


・初級スキル
ファイアボール  5 火の玉
アイシクルランス 5 氷の槍
ライトニング   5 雷
高速詠唱     5 下のと合わせて
圧縮術式    10 精霊魔術の広域攻撃をコントロールし、点に集約する

・上級スキル
コモンマジック  1 誰かに魔法にあわせ、精霊が力を貸す
エクスプロード  5 精霊魔術化したファイアーボール
アイスストリーム 5 精霊魔術化したアイシクルランス
サンダーブレイク 5 精霊魔術化したライトニング
コストカット  10 精霊の機嫌がいいときは魔力を消費しないらしい


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3ヶ月ぶりですけど更新。
のんびりだけどちゃんと終わらせるよ
5層に来てからストーリー感が減ってやや話に困るんだよねーってのはあるらしい

こういう面白いイベントがあると素敵よね

第50話 1話の忘れ物

2016-11-05 15:45:38 | 日記
アイオリスの大市 セリクの店

セリク
「やあ、お二人さん!」

ぺこり

「こんにちは。いつもの消耗品補充に来たよ」
 メモを出す


セリク
「はいよ!
 だいたい準備できてるよ!」メモを見ながら、品を揃えていく


「セリク、今日は機嫌良さそうだね」

セリク
「もちろんさ!
 店の様子を見てもらえれば分かるだろ?」


「……そういえば、今日は、お客さん、いっぱいいるね」


「それに、視線を感じる」

セリク
「君たちのおかげで、最近商売の調子がいいんだよね
 なにせ第五階層に到達した冒険者が通う店だからねえ。
 そりゃ、景気もよくなるってもんさ!」

「こっちとしては、あまりジロジロ見られてるとやりにくいんだけど…
 ほら、ネサが萎縮してるし」



誰かと目が合って、慌てて目を反らすと別の客と目があって困っている


セリク
「まぁまぁ、こっちもいっぱいサービスしとくからさ!そのあたりは我慢してくれると助かるな!」


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魔女の黄昏亭

メリーナ
「あら、いらっしゃい」

「こんにちは。いつも通り依頼を探しに来たんだけど………」


「ここも、いつもより一杯冒険者さんが、いるね…」


メリーナ
「新発見で盛り上がってるところだから、冒険者になりたいって子も多いのよね
 はい、アップルパイご指名の依頼リスト」依頼書の束、どさっ

「多くない?……ネサ。仕分け」


「ん」






「えっと……普通の魔物退治と…
 採取とか…」

「誰に頼んでもいいような依頼が殆どだし、そういうのはアウトかなぁ」



「訓練してください?とか」

「保留」



「オリファント討伐…」

無言で破り捨てる



「PTにいれてください」

無言で破り捨てる



「サインください」

無言で破り捨てる


「デートしてください…」
「あたし?ネサ?」
「どっち、も」
自分の分だけ破り捨てる



「なんなのこれロクなのないんだけど」


メリーナ
「依頼といえば、あなたたちが出した依頼、随分人気みたいよ?」

「…何か出したっけ?」

「ううん、やってない、と思う、けど…」

メリーナ
「ええと、あった。これね」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

《魔女の黄昏亭 依頼掲示板》

鎮守の樹海 1Fで魔物に襲われた。
なんとか命からがら逃げたものの、荷物を全て失ってしまった
その中には大切な『剣』も含まれている。
どうしてもその『剣』だけは取り戻したい。

依頼主:アップルパイ
報酬 :要相談

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「え…?え?なにこれ」

「(そういえばこんなの書いてた…)」

「これ、ふぃーあの字…だよ、ね?」目キラキラ

「いや、全然覚えてないし、ネサが自分で書いてたんじゃない?」目そらし

メリーナ
「貴女達、人気者でしょ?1Fの探索依頼ってこともあって、新人がみんなこれ受けていくのよね」

「そっか。でもま、確かに…ネサにとってアレは大切なものみたいだから。ありがたいよね」

うんうんうん


メリーナ
「新人だけじゃないのよ
 この間なんて、リリが冒険者達に声かけて、捜索隊組んでたわよ?」

「そ、そうなんだ?」

「何してんのあの子」

メリーナ
「随分はりきってたみたい。衛兵や死霊も一杯引き連れて、ちょっとした百鬼夜行だったわね
 一週間くらいかけて1Fをローラー作戦するらしいわよ」

「コストパフォーマンス全然見合ってない…」

「ど、どうしよう、報酬、そんなお金、あるかな」

「…リリだからなぁ。下手したら無報酬で剣探しに行きそう」

「でも」

「それもなんだか、だよね」



「ま、いいか。今の話は聞かなかったことにしよ」



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数日後。結局バスタードソードは見つかった。
流石にボロボロで錆び、使い物にならなかったが
セリクの手により無事復活。ネサの手に渡った。


案の定リリは「ネサのためだから当然だよね~!」で済ませ
頑なに報酬を受け取らなかったため

結局リリソロルを美味しい御飯に誘うことで妥協した

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○ネサ  ルナリア 碧眼の兎《幻影》 LV60

・装備品 

バスタードソード+5 母から貰った大切な剣。取り戻した
ポルカ        厚手の外套。金属鎧は最近使っていない
ヴァンブレイス    特殊な金属を溶かし込んで作られたアームガード
ファングヘルム    筋力増強魔術のかかった帽子。耳が隠れる(大事)


・スキル類
プレディクト   10 多数の敵相手にはやはりこれ
シルフィード   10 普通の剣で反撃する
カウンターブースト10 反撃は一度に2~3回
もたざるもの   10 
リベンジスラスト 10 魔剣



○フィーア アースラン 精霊魔術師《三属》 LV60

・装備品
ルーンワンド+5   魔法文字を描き、魔力効率を高めた
ナインティスリー   精霊によるオートガード
巨亀の甲掛      16Fの亀の甲羅を砕き、グリーブへと変えた
知恵のピアス     精霊を宿している


・初級スキル
ファイアボール  5 火の玉
アイシクルランス 5 氷の槍
ライトニング   5 雷
高速詠唱     5 下のと合わせて
圧縮術式    10 精霊魔術の広域攻撃をコントロールし、点に集約する

・上級スキル
コモンマジック  1 誰かに魔法にあわせ、精霊が力を貸す
エクスプロード  5 精霊魔術化したファイアーボール
アイスストリーム 5 精霊魔術化したアイシクルランス
サンダーブレイク 5 精霊魔術化したライトニング
コストカット  10 精霊の機嫌がいいときは魔力を消費しないらしい


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


というわけで定番の最終装備候補、バスタードソード
毎作5層序盤に出てくるので、そろそろだろうとは思っていた。


あまり強くなく、4層FOEドロップクラスの性能でしかないが
なんとかこれで最後までいきたい。いけるかな…。

第49話 いくら食べたい

2016-10-24 20:06:49 | 日記
円環ノ原生林 21F

「ふぁ……美味しかった」

「海鮮…いや、海じゃないから海の幸ではないけど。
 とにかく、そういうのも悪くないよね」


「そ、だね。普段、あんまり食べられないし」

「この、未知の植物、動物ばっかの原生林も
 美味しい食べ物はいっぱいあるんだろうなぁ」


「…食べてみる?」

「まさか。未知なんだから何が起こるかわかんないでしょ
 そういうのは安全確認できてから、だよ」


「ん」

「ただ、何も現地調達できないのは良くないし
 色々持って帰って、料理人とか、ギルドとか
 評議会とかに調理法とか見つけてもらったほうがいいかもね」






「今のところ
 このフロアはそんなに危なそうな魔物は見当たらないね」


「……え?」

「まだ入ったところだから、こういうのもなんだけど
 これまでに比べると随分余裕があるっていうか」


「いや、えと、危ない、危ない、よ?」全力で首を振る

「でもネサ、このフロアで何も食らってないよね」

「でも、だいぶ、こわ」

「大丈夫だと思うんだけどなぁ…」



「……あれ。ネサ」

「?」

「その地図。あってる?」

「え、あう、うん。大丈夫のはず、だよ?」

「何か…変じゃない?」

「え、と?」

「今までに比べて、大きいというか、広すぎるし
 それに地図の左の方、右のあたりと全く同じ地形が…」


「あ、ほんと、だ。間違ってた、かな?」

「もしかして。この階層、地図の左と右が繋がってる?」


「………」見直す

「……」隣で見直す




「…ほんと、だ。でも、どこで、どうやって」

「分からない、けどこれまでの事を考えれば、何があっても不思議はないでしょ」

「そ、だね。書き直し、かな」




「あ。あとフィーア。あの。アレって、何かな?」

「?」

「あそこに、針がいっぱい生えた、鳥?みたいのが」

「………あれはちょっと面倒そうだね」

「避けてく?」

「善処。かな
 万が一戦闘になっても、流石にドラゴンに比べれば大したことはない、と思うんだけどね」





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○ネサ  ルナリア 碧眼の兎《幻影》 LV55

・装備品 

パニアード+5  剣自体はどんどん新調。魔剣はその辺のデータを超越した何か
ポルカ      やや気温が低い為、厚手の外套を被っている
ヴァンブレイス  特殊な金属を溶かし込んで作られたアームガード
ファングヘルム  という名のもちろん帽子


・スキル類
プレディクト   10 多数の敵相手にはやはりこれ
シルフィード   10 普通の剣で反撃する
カウンターブースト10 反撃は一度に2~3回
もたざるもの   10 
リベンジスラスト  5 魔剣

※捕食の針     ☆ 低命中4~6回攻撃




○フィーア アースラン 精霊魔術師《三属》 LV55

・装備品
アラートパクルス+5 振ると不思議な風切り音がする  
ナインティスリー   精霊によるオートガード
巨亀の甲掛      16Fの亀の甲羅を砕き、グリーブへと変えた
知恵のピアス     精霊を宿している


・初級スキル
ファイアボール  5 火の玉
アイシクルランス 5 氷の槍
ライトニング   5 雷
高速詠唱     5 下のと合わせて
圧縮術式     8 精霊魔術の広域攻撃をコントロールし、点に集約する

・上級スキル
コモンマジック  1 誰かに魔法にあわせ、精霊が力を貸す
エクスプロード  5 精霊魔術化したファイアーボール
アイスストリーム 5 精霊魔術化したアイシクルランス
サンダーブレイク 5 精霊魔術化したライトニング
コストカット  10 精霊の機嫌がいいときは魔力を消費しないらしい


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とみせかけてドラゴンより強い雀。なんやねん
これあれなんだね。人工衛星みたいな設定だから
地図の左右が繋がってるってことでいいのかな。球体の周りを回っている、みたいな

第48話 円環ノ原生林

2016-10-19 18:17:11 | 日記



かつて

赤く荒れ果てた大地に私が訪れた時

この森は生まれた



世界を構成する全ての緑は

この小さな原生林から生まれたといったら

大地に住む者達は信じるだろうか?



多くの者は笑うだろうが

どこかに信じる者もいると

私は思っている



幾多の困難を乗り越え

幾多の想いを受け継ぎ

ここに来た彼らこそ そうであって欲しい




第五階層

円環ノ原生林




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第四階層のその奥
そこには、これまでのような『階段』は無く
あったのは金属製の扉のみ

ネサがその扉に触れると、扉は開き
そこは金属製の部屋となっていた

壁も地面も天井も水晶であった第四階層において
あまりに異質なその部屋に、なにかあるのではないか

そう考え、探索をしていた
その。筈だった




「何が、あったの?
 突然部屋が揺れて、周りの景色が、落ちて…」


「この部屋…真上に飛んでる?」

「飛ぶ?」

「うん。その、空高くに、飛行魔法を使ったみたいな…
 そんな、感覚だった、から」


「……ここは世界樹の中のはず…とすると」

「部屋が、動いた?」

「この部屋、高い場所と低い場所を移動する為のものなのかもしれない」

「って事は、ここは」

「雲よりもはるかに高い、世界樹の高層、ってことになるね」


「…問題は」

部屋から降り、周囲を見渡す


「なに、ここ」


どんな山よりも高くに運ばれてきた二人の前に見たこともない景色が広がっている



「…ネサ。今って、間違いなく朝だよね」

「うん。その、はずだけど」

空がまるで夜のように暗く



「四階層に比べると、森…は森、なんだけどね」

「でも…この植物、どれも、見たことも、読んだこともないよ?」

見覚えのない植物



「で、一番気持ち悪いのが…アレ。
 アレ、なんだと思う?」
天を仰ぐ


「空一杯に、ガラスの天井?」

「ガラスかどうかは、わかんないけどね、ただ…
 明らかに、自然に出来る物、って感じじゃ、ないよね」


「でも。誰かが作った…なんて」

「さっきの、動く部屋もそう。誰かが利便性の為に作った
 あんな金属製の部屋、扉なんて人の手じゃなきゃ出来るワケないんだから」



「えっと…えっと、ってことは…」

「はるか昔に、誰かが世界樹に手を加えてた、とか
 古代文明。みたいなの」



??
「君たちが世界樹へ進み、ここまで来たことに感謝している」


「…とすると」

「フィーア、あの子…!あの子!」

「分かってるって」

4層にて幾度も姿を見せた謎の少女が、再び現れ
言葉を続ける

??
「願わくば…、世界樹の頂きまで到達し、私の願いを叶えて欲しい」


「さしずめ、古代人ってところなのかな」

「…願い?」


その言葉だけを残し、少女はまたも姿を消してしまう



「また、消えた
 古代人だとして、ここが作られたものだとして
 あの子、何がしたいんだろ」


「願い…って、何なんだろ」

「さあ?」








「ま、あっちにもなにか目的があるんだろうけど
 どうでもいいか。ネサ。探索行こ」


「う、うん…
 リリさんと、ソロルさんも、ここまで来た、のかな?」


「どうかな。あの2人なら、この部屋くらいは見つけてそうだけど
 とりあえず、探索してみないことには、ね」





第47話 余韻

2016-10-12 12:24:00 | 日記
ジュネッタの宿

「はぁ…やっと帰って来れた…」

「ん」

「もう、なんでこんなこの街の人はお祭り好きなのかなぁ。面倒臭い」

「で、でも。良かったの?みんな、フィーアをお祝いしてくれてたみたいだった、けど…」

「いいのいいの。大体、目が覚めたばっかりでお祭り騒ぎってのが無茶なんだから」




リリ
「みんな~。こんばんは~!」アップルパイの部屋の前


「…あ、リリさんだ。なんだろ?」

布団で倒れてる。任せた。っていうハンドサイン

「は、はい、なに、かな?」ガチャ。控えめに扉を開き

ソロル
「よぉ。悪いな。大したことじゃねえよ」


リリ
「黄昏亭のお祭りから、ご馳走一杯、もって帰ってきたんだよ~」


「え、あ、えと…」

ソロル
「まだ回復してないだろうし、部屋から出たくないだろ
 楽する時は楽しとけって事さ」


「あ、あ、そうだ、えっと、とりあえず、中に入って貰って」

ソロル
「いや、別に良いよ。疲れてるだろ。気を遣わせる気はねえよ」


「だいじょうぶ!元気だから!だいじょぶうだよ!」





「ご、ごめんね、今、何も、出せるようなものはないんだけど…」
 紅茶を人数分


リリ
「本当に良かったのに…」


「ふぃ、フィーアも、いる?」


「そだね。もらおうかな。…よいしょっと」
 布団から起き上がり。机に




お土産の中から燻製肉のキッシュを切り分け、もぐもぐ


「…ソロル。リリ。昨日はありがと」

ソロル
「何言ってんだよ。オレ達がいかなくても、一眠りしてから帰ってきてただろ」


「どうかな。あそこから街まで戻れる体力があったか、っていうと…」


「お前らならなんとかしてたと思うぜ?」


「だと、いいけど」


リリ
「このキッシュ、美味しいね~
 ネサも食べて食べて。ほら、あーん」


「ふぁ!だ、いじょぶ!じぶ、自分で食べるから」

「え~。残念。じゃあソロル、はい」口元に持っていく

「ああ。悪いな、さんきゅ、リリ」がぶり




「今日は、外も随分騒がしいね
 まだどんちゃんやってるのかな」


ソロル
「なんてったって、4層攻略記念だからな
 皆大喜びだぜ。アップルパイが偉業を成し遂げた!って」


リリ
「そうそう!
 さっきなんて、吟遊詩人さんが
 アップルパイをテーマに英雄譚歌ってたんだよ~!」


「…マジで?」

「そ、そうなんだ…?ちょっと、聞いてみたい、ような」

ソロル
「覚えてる範囲で歌ってみせようか?」


「…絶対聞きたくない」

「だろうな」

リリ
「新人さん達が、目を輝かせながら聞いてたんだよね」


「うわぁ…」

「そいえば、リリさん達も歌われてたの、聞いたことあるかも」

「そうなんだよ~!すごいよね~!」

「自分のはあんまり聞きたくないな
 ま、一応ここでの最上位の冒険者だったしな、そういうのは仕方ねえよ」





「さてと
 そろそろお暇させてもらおうかな」


「そうだね~」

「はいはい。お疲れ。楽しかったよ」

「あ、お土産、ありが、と…ね」

「いいのいいの!」

「…次は5層、か」

「そうなるかな。数日休んでから、だけどね」

「じゃあ、こっちが先に探索する事になるね~
 一足お先、です!」


「ゆっくり来ればいいさ
 来た時には、拠点の一つや二つ作っておいてやるさ」


「気を、つけてね…?」

「えへへ。大丈夫だよ~」

「んじゃ、またな」

「ん。またね」



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――ー


装備についてなどはまだ更新なし
次から5層となりますよ