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けだしよしなし

作品の感想

かまいたちの夜×3 三日月島事件の真相

2006-08-10 22:11:51 | ゲーム
かまいたちの夜×3 三日月島事件の真相
ハード:PlayStation2、ジャンル:サウンドノベル、メーカー:SEGA

面白い推理モノといえば、挑戦状のように大風呂敷を広げた奇抜な事件と、
それをシンプルなトリックに収斂させていく過程が醍醐味と個人的に考えています。
さらに、犯人が事件を起こした事情、起こさざるを得なかったと
共感してしまうような背景があれば、なお印象に残ります。

ただこの"事情"は曲者で、感情移入度が増す代わりに、救われない、
すっきりしないという負の遺産を心に残します。
そういう意味で前作「かまいたちの夜2 監獄島のわらべ唄」※は
恐ろしくも哀しい物語で、クリアしたという達成感と同時に犯人が
救われないな、というもやもやが残ったのが本音です。
※メインストーリーとなる"わらべ唄篇"のエピソード

当作「かまいたちの夜×3 三日月島事件の真相」では、そのサブタイトルと
キャッチコピー「戻ろう、すべてを終わらせるために」で予感させるとおり、
前作の物語の構造を大きく覆し、ある種救いのある物語へと変質させています。
そのため、前作をプレイした人には是非手に取っていただきたい作品です。
※前2作の探偵編がついているので、未プレイの人でも楽しめます

かまいたちシリーズでは、メインとなる推理物語のクリア後、再度プレイすると
選択肢によって同じ舞台、人物が登場するホラーやコメディーなどバラエティーに
富んだ物語が楽しめます。
「×3」では、そうしたパラレルワールド的ストーリーはないものの、物語の変質の
ためにあるどんでん返しが用意されており(これを許容できない人も中にはいると思いますが)、
プレイ中感じていた物足りなさを見事に解消しています。

また、今回は複数の登場人物を操作することにより、ある人物で選択した内容の結果
バッドエンドとなったり、逆に物語が進んだりしていきます。はじめは同じ事件を
登場人物分見ていかないといけないかとげんなりしていたのですが、これもまた
そのシステムを逆手に取った展開が用意されており、プレイヤーの心理・反応を
よく考慮していると感心してしまいました。

すべてのエンドを見たため、再プレイすることはないように思いますが、
「×3」の複数主人公システムのさきがけとなっているタイトル「」が、
廉価版で発売されています。根強いファンが支持し続ける「街」は、興味があったものの
面倒そうで敬遠していました。今回「×3」でシステムの面白さがわかったので、
近いうちに「街」を手にとることになるでしょう。


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