私の網膜(フィルム)に写るもの

そこに印象を添えて写し表わすのが写真?...音は好きなイメージで貴方が

想い

2007年03月28日 | 音楽

 ♪ 時はうつろえど 想いは いまだに ままならず ♪

でもきっと通ずるときがくることを信じて...


以下、kawolさんsongbook(2003/1/12イギリス館)より
 泉鏡花作 「春昼後刻」 より
「この春の日の日の日中の心持ちを申しますのは、夢をお話しするようで、何とも口へ出しては言えませんのね。どうでしょうこのしんとして寂しいことは。やっぱり、夢に賑やかな処を見るようではござんすまいか。二歳か三歳ぐらいの時に、乳母の背中から見ました、祭礼の町のようにも思われます。
 何為か、秋の暮れより今、この方が心細いんですもの。それでいて汗が出ます、汗じゃなくってこう、あの、暖かさで、心を絞り出されるようですわ。苦しくもなく切なくもなく、血を絞られるようですわ。柔らかな木の葉の尖で、骨を抜かれますようではございませんか。こんな時には肌が蕩けるのだって言いますが、私は何だか、水になって、その溶けるのが消えて行きそうで涙が出ます、涙だって、悲しいんじゃありません、そうかと言って嬉しいんでもありません。
 あの貴下、叱られて出る涙と慰められて出る涙とござんすのね。この春の日にでますのは、その慰められて泣くんです。やっぱり悲しいんでしょうかねえ。おなじ寂しさでも、秋の暮のは自然が寂しいので、春の日の寂しいのは、人が寂しいのではありませんか。
 ああ遣って、田圃にちらほら見えます人も、秋のだと、しっかりして、てんでんが景色の寂しさに負けない、張合を持っているんでしょう。見た処でも、しょんぼりした脚にも気が入っているようですけれど、今しがたは、すっかり魂を抜き取られて、ふわふわ浮き上がって、あのまま、鳥が蝶々にでもなりそうですね。心細いようですね。
 暖かい、優しい、柔らかな、すなおな風にさそわれて、鼓草の花が、ふっと、綿になって消えるように魂がなりそうなんですもの。極楽というものが、アノ確に目に見えて、そして死んで行くと同一心持なんでしょう。
 楽しいと知りつつも情けない、心細い、頼りのない、悲しいことなんじゃありませんか。
 そして涙が出ますのは、悲しくって泣くんでしょうか、甘えて泣くんでしょうかねえ。
 私はただずたずたに切られるようで、胸を掻きむしられるようで、そしてそれが痛くも痒くもなく、日当たりへ桃の花が、はらはらとこぼれるようで、長閑で、麗らか、美しくって、それでいて寂しくって、雲のない空が頼りのないようで、緑の野が砂原のようで、前生の事のようで、目の前の事のようで、心の内が言いたくッて、言われなくッて、焦ッたくッて、口惜しくッて
、いらいらして、じりじりして、そのくせぼッとして、うっとり地の底へ引き込まれると申しますより、空へ抱き上げられる塩梅の、何んとも言えない心持がしてそれで寝ましたんですが、貴下、」



愛犬 野生に帰る!?

2007年03月26日 | ペット
久々の登場です!

毛替わり前でよかった、よかった。
まさか3月春分にこの寒さとは...

 

 

 

                        これ、日本カモシカ かも...
                        愛犬はこのとき留守番

at 菅平 つい先週のこと

p.s.
 こんなに寒暖差あると、地球も伸び縮みしますかね...能登で地震があった日