カバラ生命の樹とタロット( 副題 タロット、神秘主義の装い )
カバラ生命の樹(せいめいのき、英語: Tree of Life)は、旧約聖書の創世記(2章9節以降)にエデンの園の中央に植えられた木のことです。
命の木とも訳されます。
生命の樹の実を食べると、神に等しき永遠の命を得るとされます。
ユダヤ教のカバラではセフィロトの木(英語: Sephirothic tree)とも呼ばれ、宇宙万物を解析するための象徴図表に位置付けられています。
抽象的なので、難解とされています。
ヤハウェ・エロヒムがアダムとエバをエデンの園から追放した理由は、知恵の樹の実を食べた人間が、生命の樹の実までも食べて永遠に生きる事ことがないようにするためであったとされています。
旧約聖書創世記における「命の木」について
聖書協会共同訳聖書創世記2章9節
神である主は、見るからに好ましく、食べるのに良さそうなあらゆる木を地から生えさせ、園の中央には、命の木と善悪の知識の木を生えさせた。
新共同訳聖書創世記2章9節
主なる神は、見るからに好ましく、食べるに良いものをもたらすあらゆる木を地に生えいでさせ、また園の中央には、命の木と善悪の知識の木を生えいでさせられた。
口語訳聖書創世記2章9節
また主なる神は、見て美しく、食べるに良いすべての木を土からはえさせ、更に園の中央に命の木と、善悪を知る木とをはえさせられた。
聖書協会共同訳聖書創世記3章22節
神である主は言われた。「人は我々の一人のように善悪を知る者となった。さあ、彼が手を伸ばし、また命の木から取って食べ、永遠に生きることがないようにしよう。」
新共同訳聖書創世記3章22節
主なる神は言われた。「人は我々の一人のように、善悪を知る者となった。今は、手を伸ばして命の木からも取って食べ、永遠に生きる者となるおそれがある。」
口語訳聖書創世記3章22節
主なる神は言われた、「見よ、人はわれわれのひとりのようになり、善悪を知るものとなった。彼は手を伸べ、命の木からも取って食べ、永久に生きるかも知れない」。
聖書協会共同訳聖書創世記3章24節
神は人を追放し、命の木に至る道を守るため、エデンの園の東にケルビムときらめく剣の炎を置かれた。
新共同訳聖書創世記3章24節
こうしてアダムを追放し、命の木に至る道を守るために、エデンの園の東にケルビムと、きらめく剣の炎を置かれた。
口語訳聖書創世記3章24節
神は人を追い出し、エデンの園の東に、ケルビムと、回る炎のつるぎとを置いて、命の木の道を守らせられた。
セフィロトの樹(英: Sefirot)は、ユダヤ教の神秘思想カバラにおいて、10個のセフィラと22個の小径(パス)により図式化された世界創世の象徴のことです。
2世紀の教典『形成の書』によって述べられた世界の創造が、13世紀の文献『ゾーハル』において象徴化され、ヨゼフ・ギカティラなどのカバリストよって研究されました。
近代以降の西洋魔術、特に黄金の夜明け団などではタロットカードと結びつけて研究が行われていたことでも知られます。
形成の書には10のセフィロトと22のヘブライ文字を用いて神が宇宙を創造したことが書かれています。
カバリストの象徴する「二十二本の小径(パス)」について
右に記載しているのは、対応する大アルカナです。
1. アレフ (ケテル → コクマー)愚者
2. ベート (ケテル → ビナー)魔術師
3. ギーメル (ケテル → ティファレト)女教皇
4. ダレット (コクマー → ビナー)女帝
5. ヘー (コクマー → ティファレト)皇帝
6. ヴァヴ (コクマー → ケセド)教皇
7. ザイン (ビナー → ティファレト)恋人
8. ヘット (ビナー → ゲブラー)戦車
9. テット (ケセド → ゲブラー)力
10. ヨッド (ケセド → ティファレト)隠者
11. カフ (ケセド → ネツァク)運命の輪
12. ラメド (ゲブラー → ティファレト)正義
13. メム (ゲブラー → ホド)吊された男
14. ヌン (ティファレト → ネツァク)死神
15. サメフ (ティファレト → イェソド)節制
16. アイン (ティファレト → ホド)悪魔
17. ペー (ネツァク → ホド)塔
18. ツァディー (ネツァク → イェソド)星
19. コフ (ネツァク → マルクト)月
20. レーシュ (ホド → イェソド)太陽
21. シン (ホド → マルクト)審判
22. タヴ (イェソド → マルクト)世界
「三つの柱」について
ビナー、ゲブラー、ホドからなる左の柱は峻厳の柱と呼ばれます。
コクマー、ケセド、ネツァクからなる右の柱は慈悲の柱と呼ばれます。
ケテル、ティファレト、イェソド、マルクトからなる中央の柱は均衡の柱と呼ばれます。
「三つ組」について
ケテル、コクマー、ビナーからなる三角形は至高の三角形と呼ばれます。
ロゴスの三角形と呼ばれることもあります。
ケセド、ゲブラー、ティファレトからなる三角形は倫理的三角形と呼ばれます。
ネツァク、ホド、イェソドからなる三角形は星幽的三角形と呼ばれます。
魔術的三角形と呼ばれることもあります。
「四つの世界」について
また、セフィロトの木の各セフィラーに与えられた世界は四つの世界に分けられます。
それぞれに形成者、支配権、属性などが定められています。
根源の世界(アツィルト Atziluth)
「神の相」によって支配監督され、それを通して精霊的実在が形を顕わす領域です。
創造の世界(ブリアー Briah)
倫理的、道徳的、現実の霊界。大天使の指導下にあります。
形成の世界(イェツィラー Yetzirah)
形成者、または天使の九階級によって支配される領域です。
表現の世界(アッシアー Assiah)
可視的で、身近な物質的存在の世界です。
「カバラの主題」
二つあるとされます。
一つは、世界の創造に関わる「セフィロト」の神秘的解釈です。
太陽から太陽光線が輝き出るように、「アイン・ソフ(エイン・ソフ、エン・ソフとも)」と呼ばれる神から連続して流出するものが「セフィロト」で、原初の人間は完全なる人間として、全部で10のセフィラから成り立っていました。
この、本来は完全なる人間の活動を阻害し、宇宙的調和を乱すものが「悪」で、悪とは「スィトラ・アフラ(他の側面)」と呼ばれる、創造に際して破壊された旧世界の残存物であり、アダムが「生命の樹」と「善悪の知識の樹」を分離した時に、この世界に入ってきたとされます。
この宇宙は、何度も、再生されたとされます。
この霊としての人間は、とうとい存在であり、教育、啓発していくべきものです。
永遠の命を説きます。
ちなみに、その汚れ(穢れ、原罪)を落とすために、この生命溢れる地球に転生して来たとされます。
何度も、輪廻転生したのでは、無意味とされ、そのような思想は、異端とされました。