みる 2013-08-05 09:16:52 | 今日子詩集 「みる」 街を歩き 車を走らせ 視界に飛び込んでくるものは 私の網膜というスクリーンに映し出される 見たくても 見たくなくても 風が吹き 草や雨の匂いが 胸の奥にしまい忘れていた 幾つかの箱の蓋を開ける 心のキャンパスには 自由な想いが 時間と場所の制限を超えて いつ果てるともなく 描かれてゆく 現実に見ているものは ほんの一瞬の幻影 私にだけみえるもの 私にだけ感じるもの 大切に抱きとめながらエーテル状の想念は奥深く ただ いあざなわれるがままに 踏み込んでいく・・・
方向転換機 2013-08-05 09:04:08 | のりひと詩集 「方向転換機」 生き方を変える 機械があるという噂だよ とても人気が高いんだって 長い人生を歩んで感じる 停滞感 自分に対する 不満、苛立ち そんなものを解消してくれる 方向転換機って 便利だと思うけれど ただし、 忍耐試験に通らなければ 使わせてくれないんだって 禁煙、禁酒、禁賭け事 人生の船底に沢山貝がへばりついたみたいに 容易に剥がれ落ちない問題ごと 方向転換機だって 簡単に楽に使えるなんて 世の中 そんなに甘くはない
私の一部分 2013-08-05 08:53:27 | 佐藤もも詩集 「私の一部分」 この真っ白い 形の良い 細い大根のような 私の素足 風にしなる 里芋の 茎のような 私の襟足 赤く実って 口に含みたい さくらんぼのような 私の唇 手に触れれば さらさらと柔らかい 玉蜀黍の毛のような 私の髪の毛 あなたが売約済みにしたいと 口癖のように言っている 私の一部分
南国沖縄 2013-08-05 08:43:20 | 自遊人マサル詩集 「南国沖縄」 女子高生の悲惨を伝える ひめゆりの塔 焦土の大地 灰色の空 血に染まる赤い海 赤い砂 地獄のような みなみの島沖縄 50余年の 悠久の時を重ね 取り戻 美しき南国の自然 青い海 白い砂浜 緑の大地 透き通る青い海 沖縄 東シナ海の静かな海 時々見せる 白い波頭 風の囁きに耳を澄まし 時を忘れ 心を癒し 尊い犠牲の平和 噛みしめる